ちょっと前に久しぶりにある大型書店に行きました。
小説やエッセーなんかの新刊本が大量に並べられていたのは当然として、いわゆるノウハウ本も相変わらず多いですね。
それで、商売柄、興味がある運の良し悪しに関する本をいくつか買って読んでみました。
まあ、どの本もそれなりに説得力があるのでしょうが、運を表層的にしか捉えていないものが多いような気がします。
たとえば、ある本にはこんなことが書いてありました。
自分はめったに遅刻しないのに、遅刻した時に限って上司の機嫌が悪くこてんぱんに怒られた。
だから自分は運が悪い。
逆にある同僚が遅刻してきた時は、たまたま上司が急な出張で、怒られなくて済んでしまった。
だから、彼は運がいい。
なるほど、しかし、その程度の運の悪さなんか大したことじゃないでしょう。
また、別の本にはある有名なマージャンのプロが、朝、おばあさんに親切したから、その日はマージャンで役満が上がれた、なんて書いていました。
ううむ、本当にそんな単純なものなのかなあ。
確かに競馬やパチンコ等のギャンブルで勝ったから運がいいと考える人は多いでしょう。
それでおまじないやジンクスにすがってしまう。
話は少し逸れますが、かなり昔の作品に「ワン・チャンス」という映画があります。
英国のオペラ歌手ポール・ポッツさんの半生を描いた伝記映画ですね。
それによると、彼は30代後半になってからテレビのオーディション番組で優勝し、有名になったんですが、それまでは不運の連続だったそうです。
子供の時はずっといじめられ、成人してからも重い病気や事故に会い、夢だった歌の道も一度は諦めてしまいました。
しかし、良く考えると、実は彼はずっと運が良かったんですね。
彼を理解し、応援した優しい母親、一生の親友となる風変わりだが最高の上司。
そして、何よりも彼を支え、励まし続けた奥さん。
少なくとも人間関係では決して恵まれていなかったとは言えません。
世の中には自分はついてないとか、運が悪いとか嘆く人が沢山いますが、こんな人たちは自分の恵まれているところに気がついていないだけなのです。
もっと自分の周りを良く見た方がいいでしょう。
運不運は総合的かつ長期的な視点で見ないといけません。
上に書いたようなギャンブルで勝つといった刹那的なこと囚われていては、大事なことを見逃してしまいます。
不運を嘆く人は自分のついていなかった出来事にばかり注目します。
よく考えると、それほど飛び抜けて不幸な出来事が集中しているわけではないのに。
また、自分に原因があるのに、不運のせいと考える傾向もあるようです。
たとえば、最初に書いた「自分はめったに遅刻しないのに、遅刻した時に限って上司の機嫌が悪くこてんぱんに怒られた」
これを運が悪いと考えるのはおかしいでしょう。
もう一つ例を上げると、私の知っている女性はバスレーンに駐車して買い物に行き、その間に車をレッカーで持っていかれたことを「私は運が悪い」と嘆いていました。
これも同じで、明らかに原因は自分にあります。
自分が不運だと思う人はその原因がどこにあるかをもう一度考えてください。
本当に生まれつき運が悪い人がいないとは言いませんが、多くの場合、その人の考え方次第なのです。
最後に付け加えると、不幸は比較から始まります。
他人の幸運をうらやみ、それに引きかえ自分は不運だと思う。
しかし、目に見える一部分だけのことでは、人の本当の運不運はわかりません。
他人のことは気にせず、自分の不幸を嘆く前に、恵まれたところをよく見て、大事にしましょう。
それがさらなる幸運を呼び込むための一番の方法なのです。
では。