【狂気の泌尿器科】

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コラム


今日は月に一度の泌尿器科への通院日。待合室にはいつものように年配の患者がポツポツと座り、退屈そうに雑誌をめくっている。壁のポスターには「適切な排尿管理を!」と、どこか間抜けな笑顔の医者のイラストが描かれていた。

番号が呼ばれ、診察室に入る。

「どうぞ、お入りください」

淡々とした看護師の声。何気なくドアを開けた瞬間、俺は凍りついた。

先生が、全裸で、ケツに大根を刺したまま俺を待っていた。

「おや、遅かったですね」

いやいやいや、そんな軽いノリじゃ済まされない。ていうか、何がどうなったらそんな状態で診察が始まるんだ?

「今日はエコー検査をしましょう」

何事もなかったかのように、先生は俺のズボンを指さす。いや、待て。今、突っ込むべきポイントはそこじゃない。だが、恐ろしいことに俺の体は無意識に言われるがままになっていた。まるで見えない力で操られているような感覚だった。

先生の手が、冷たいジェルを俺の亀頭に塗り込んでいく。

「うん、いいですね。血流も問題なさそうだ」

やめてくれ。そんな爽やかな笑顔で言わないでくれ。

俺の視線はどうしても先生のケツに向かってしまう。…というか、さっきから大根が微妙に揺れているのは気のせいか?いや、気のせいじゃない。まるで生きているように、根元からじわじわと動いている。

俺は勇気を振り絞って口を開いた。

「先生、それ…大根…?」

先生は一瞬、驚いたように目を見開く。しかし次の瞬間には穏やかな笑顔を浮かべ、静かに言った。

「…やはり、気づいてしまいましたか」

何が「やはり」だよ。

「これはね、医療の進化なんです」

先生は立ち上がる。大根はもはや完全に先生の体の一部になっていた。

「野菜と人間の融合。これが、我々の目指す未来なのです」

言葉の意味が理解できなかった。いや、理解したくなかった。

「では、次の診察の方をお呼びしましょうか」

そう言って先生がドアを開けると、そこには待合室の患者たちが全員整列して立っていた。しかし何かがおかしい。

誰もが、野菜になっていた。

大根、ナス、人参、キャベツ。顔の形を保ったまま、それぞれの身体は確実に植物へと変異していた。

「……ようこそ、我々の病院へ」

先生が手を広げると、患者たちが一斉にこちらを向いた。

「あなたも、そろそろ“こっち”へ来る頃ですね」

俺は必死に後ずさる。しかし、ふと気づくと足元には見慣れない影ができていた。

恐る恐る手を伸ばし、スマホのインカメラを起動する。

画面には、艶やかな紫色の肌をした俺の顔が映っていた。

ナスだった。

そして、最後に検尿を提出すると、先生は何のためらいもなく俺のオシッコを一気飲みした。

「うむ、これは…フルボディの味わいですね…」

満足げな表情を浮かべた次の瞬間、先生は激しく痙攣し、そのまま床に崩れ落ちた。

「先生!!」

看護師たちが慌てて駆け寄る。俺は呆然と立ち尽くした。

「救急車を!!」

サイレンの音が遠くから聞こえてくる。

先生はストレッチャーに乗せられ、病院の外へと運ばれていった。

だが、最後に俺の耳に届いたのは、先生の微かな声だった。

「次回の診察では…ゴーヤを頼みますよ…」

俺は、その場に崩れ落ちた。
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