「出会わなければ良かった」と泣きながら、写真を消せないあなたへ。繊細さん(HSPさん)の心の中で続く、愛おしい脳内裁判のお話。

「出会わなければ良かった」と泣きながら、写真を消せないあなたへ。繊細さん(HSPさん)の心の中で続く、愛おしい脳内裁判のお話。

記事
コラム
「こんなに苦しくてボロボロになるくらいなら、最初からあの人と出会わなければ良かった」

夜が深まるにつれて、胸の奥が張り裂けそうになり、そんな思い詰めた言葉がポロリとこぼれてしまう。

それなのに、スマホの画面を開いてアルバムを眺めると、楽しそうに笑い合う二人の写真を、どうしても1枚すら消すことができない。

ゴミ箱のマークをタップする一瞬の勇気が出なくて、指が震えて画面を閉じてしまう。

そんな自分の「往生際の悪さ」を、世界で一番自分が軽蔑していて、情けなくて、嫌いになってしまいそうになっていませんか?

頭の中の冷静な自分は、「もう前を向きなよ」「引きずるのはやめろ」と何度も厳しく言ってくる。

けれど、心の奥にいる傷ついた自分が、「でも、あの時に手を繋いだ温もりは本物だったんだよ」「あの優しい笑顔に、私は確かに救われたんだよ」と、必死に反論してくる。

頭と心が激しくぶつかり合って、どちらも譲らない脳内裁判が、毎晩のように永久に結審することなく繰り返されている。

判決が出ないまま、ただただエネルギーだけが削られていって、疲れて果ててしまう。

そんな先の見えない暗闇の中で、一人きりで胸を痛めているあなたの姿が、僕の目には浮かんでくるようです。

心理カウンセラーとして、僕はその永久に続くような脳内裁判も、写真を消せないあなたのことも、絶対に「往生際が悪い」なんて思いません。

むしろ、それだけ誠実に、自分の人生と、目の前の人を深く愛してきた証拠なんだと、あなたの優しさをまるごと抱きしめたい気持ちです。

繊細な気質を持っている方は、過去の記憶やその時に感じた感情を、ものすごく鮮明に、色鮮やかに心に刻み込む素晴らしい感性を持っています。

写真に写っている一瞬の切り札から、その日の空気の匂い、風の冷たさ、相手の声のトーン、そして自分の心がフワッと温かくなった感覚を、まるで今のことのように再現できてしまうんですよね。

だからこそ、あなたにとって写真を消すということは、単に画像データを削除するという意味ではありません。

自分が心から信じた美しい過去や、自分の魂を削るようにして注いできた深い愛情のすべてを、なきものにしてしまうような、恐ろしい痛みを伴う作業なんです。

消せないのは、あなたが自分の「好きだったという純粋な気持ち」を、今も必死に守ろうとしているからに他なりません。

心理カウンセラーとして、僕はあなたに、その脳内裁判を無理に終わらせようとしなくていいんだよ、とお伝えしたいです。

頭が「やめろ」と言うのも、あなたがこれ以上傷つかないように守るための防衛反応ですし、心が「でも」と反論するのも、あなたの愛の歴史を肯定するための大切な声です。

どちらの言い分も、すべては「あなたを幸せにしたい」という強い思いから生まれているものなんですよね。

だから、どっちが良い悪いとジャッジを下す必要はありませんし、写真を無理に消して強がろうとしなくて大丈夫です。

今は、スマホのアルバムの奥深くにそっと閉じ込めたまま、ただ「ああ、私はそれだけあの人を本気で愛していたんだな」「それほど純粋な恋をしたんだな」と、自分の大きな愛を認めてあげてください。

出会わなければ良かったと思いつめるほどの痛みは、裏を返せば、それだけあなたの人生に深い彩りを与えてくれた、かけがえのない出会いだったということです。

脳内裁判が結審しないのは、あなたの心が、今まさにその大きな愛を時間をかけてゆっくりと消化している、大切なプロセスの途中だからですよ。

不器用で、真っ直ぐで、どこまでも優しい自分のことを、どうか軽蔑しないで、たくさん褒めてあげてくださいね。

あなたが前を向けるようになる日は、誰かに急かされるものではなく、あなたの心が自然と「もう大丈夫」と思えたときに、静かに訪れるものですから。


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