大好きなあの人とリビングのソファに並んで、のんびりとテレビを見ている穏やかな時間。
そんなおだやかな空気の中に、突然、芸能人の不倫や浮気、あるいは泥沼の失恋といったニュースが飛び込んできた瞬間。
それまで流れていた心地よい空気が、一瞬にして凍りつくような感覚を覚えたことはありませんか?
テレビの画面からはスキャンダラスな声が響いているけれど、あなたとお互いの意識は、完全に別のところへと向けられてしまう。
「あ、チャンネルを変えなきゃ」と思って伸ばしかけた手と、相手の動きが妙にシンクロして、お互いに「リモコンを探す手のぎこちなさ」が際立ってしまう。
急いでチャンネルを変えるべきなのか、それとも変に意識していると思われないように、あえて普通の顔をして見続けるべきなのか。
テーブルの上のリモコンを前にして、どちらからともなく始まる、たった数秒間の無言の心理戦。
その張り詰めた空気と、頭の中のフル回転のせいで、テレビから流れてくるニュースの内容なんて、正直全く頭に入ってこなくなってしまうんですよね。
お互いに視線は画面に向けたままなのに、意識の100%は隣にいる相手の呼吸や、かすかな体の動きに向けられている。
ニュースが次の話題に移るか、なんとかチャンネルを変えられたあとに、どっと修羅場をくぐり抜けたような疲労感が押し寄せてくる。
「どうして私は、あんな普通のニュースでこんなに過剰に気まずくなってしまうんだろう」と、自分の過敏さに少しだけ疲れてしまっていませんか?
心理カウンセラーとして、僕はその息が詰まるような瞬間の痛みを、とてもよく理解しています。
繊細な気質を持っている方は、その場に流れる「不穏な空気の種」を、誰よりも早く察知してしまう素晴らしいアンテナを持っています。
テレビの中の不倫や浮気というテーマは、人間のドロドロした感情や、裏切りといった強いエネルギーを放っているものなんですよね。
だからこそ、あなたが気まずさを感じるのは、単に「恥ずかしい」からではなく、「この重い話題のせいで、二人の間の幸せな空気が壊れてしまったらどうしよう」という、相手への深い配慮があるからなんです。
相手を大切にしたい、今の居心地のいい関係を1秒でも長く守りたい。
そんな純粋で真っ直ぐな思いやりが強すぎるからこそ、リモコンに伸ばす手がぎこちなくなり、無言の心理戦を一人で戦ってしまうんですよね。
相手に余計な邪推をさせたくない、私との関係に不安を感じさせたくないという、どこまでも相手ファーストなあなたの優しさが、その数秒間にギュッと詰まっているんです。
でもね、心理カウンセラーとして、僕はあなたに「そこまで一人で抱え込まなくて大丈夫だよ」とお伝えしたいです。
あなたがそれほどまでに頭をパンクさせて気まずさと戦っているとき、実は隣にいるあの人も、同じように「どう振る舞うのが正解なんだろう」と、あなたへの気遣いでドキドキしているだけだったりします。
あなたのことが嫌いだから固まっているのではなく、あなたに嫌な思いをさせたくないからこそ、お互いにぎこちなくなってしまっているんですよね。
そう考えると、その気まずい無言の時間さえも、お互いがお互いを思い合っている、とても愛おしい時間に思えてきませんか?
今度、もしまたテレビで気まずいニュースが流れて、リモコンを前にフリーズしそうになったら、無理に完璧なポーカーフェイスを作ろうとしなくて大丈夫ですからね。
「わ、なんだか急に気まずいニュースになっちゃったね」と、クスッと笑いながら、あなたの素直な言葉でその場の空気をふんわりと緩めてあげてください。
あなたが優しく笑ってくれたら、相手もホッとして、ぎこちない魔法がすっと解けていくはずですよ。
自分の高い感受性が生み出す気まずさに振り回されそうになったときは、まずは小さく息を吐いて、隣にいる人の温もりをただ優しく感じてみてくださいね。