新しい人生の幕開け…39

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私は、日々が「秒」のように過ぎていった。

夜寝る頃には「次の日の朝」をどう早く、的確に、完璧にこなすか…、ということを考えながら眠りについた。

もちろん、子供との「会話」もちゃんと聞いてあげたい。そのための時間も必要。
私にご飯など食べる時間すらなかった。

ご飯を食べるのは、仕事の合間の15時あたり。

一日、その一食だけになった。

仕事の間に、息子の病院や、PTA、そして仕事に必要な試験の勉強。

息子が学校に入学して初めての夏休みの時の話。

夏休みは二人とも「学童」に預けていた。そのためお弁当も作らなければならなかった。学童にもお金がかかるが、二人がもう少し大きくなるまでの辛抱だ、と思い入れていた。もちろん私が仕事中、事故などの心配もあったからだ。なんせ旦那の両親はアテにならない。

そして、夏休みが過ぎた。

一年生の「夏休み」と言えば、みなさんも記憶があるだろうか、「花や野菜を育てるための鉢植え」を持ち帰って毎日観察する、または収穫する、というものだ。

息子は夏休みが終わり、そのプランターを持って行かなければならなかったのを何日も忘れていたようで、先生から連絡帳に「お母さんが持ってきてください」と書かれていた。
私は息子にも登校時に伝えたが、気づいたら…また忘れている…。
これは、私が持って行かなければ…と思い車にプランターを入れ、下の子を保育園に預け、とりあえずは仕事に向かった。
朝礼を終えて、学校の休み時間に合わせていこうと思ったが、今度は自分のアポイントの時間と重なることがわかり…。
これはどうしようもない、と私は学校に向かった。

本当はプランターは一年生のクラスの隣の庭?のようなところにみんなの分が置いてある。
が、丁度、一年生の庭が「工事中」だった。

これはどうするのがいいだろうか…。
庭には、足場が高く設置されており、関係のない私がいくのは、憚られた。

少し悩んだが、これは「教室」に持って行くしかないな、と思った。
工事中なら先生が、その場所に運んでくれる、そう思ったからだ。

私は校舎の玄関の事務員さんに用件を伝え、教室に向かった。

案の定、「授業中」だった。

子供は誰かの「おかあさん」がくるとはしゃぎたくなるものである。
なので、少し教室の廊下の子供たちから見えないところで、話しかけるキッカケを探していた。

教室に入るのはさすがにダメだろうと思い、先生がみんなの机を回ってくるまで待つか、子供たちに気づいてもらおうと思った。

もう私も時間がない…。

そう教室の壁に耳を傾けていると…

「お前ら!こんなこともわかんねぇのか!!」「○○!これはこう!ってさっき言っただろう!」などと罵声が聞こえてくる…。

私は「何事だ!」と本当に怒りと驚きを隠しきれなかった。

まだ1年生だ。1年生に向かって言う言葉ではないことは私でもわかる…。

これは「様子をみる」なんてものではないぞ、と思い、私はワザと、ひょこっと教室に顔を出した。

そうすると子供たちが気づいてざわついた。当然である。

が、先生は「なにやってんだ!お前たち!」と叫びながら教室の入り口に来た…。

相手が私だと認識すると、コロッと態度を変え「あら~わざわざありがとうございます~」とへらへらしていた。
私も「庭が工事中だったもので、授業を中断させてしまってすみません」とだけ伝えて、帰ってきた。

なんてことだ。

私は、その場ですぐ「校長」やら「職員室」に行けばよかった、と後悔した。
それからというもの、その先生は、事ある事に子供たちを罵った。

しばらくしてから、ほかの親御さんからクレームが入ったようだったが、「学校側は○○先生はプロなので安心してください」とだけ言われたようだった。

上の娘の頃から「モンスターペアレント」という言葉が流行ってきたが、そのクレームでさえも「モンスター扱い」をされてしまったようだ。

家に帰ってから、息子に「先生っていつもあんな風に怒るの?」と聞くと「うん、いつもだよ。だから僕あの先生嫌い」と言った。

これが、息子が学校に行きたがらない、「始めの一歩」だった。
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