『N-ONE RS徹底解説|2年5万kmで見えた本当の価値』

『N-ONE RS徹底解説|2年5万kmで見えた本当の価値』

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 N-ONE RSを2年5万km乗ってわかった、「64ps」では見えない本当の価値

N-ONE RSというクルマをカタログで見ると、まず目に入るのは「64ps」という数字です。

軽自動車の自主規制上限である64ps。

最大トルク104N・m。

そして「RS」というグレード名。

ここだけを見ると、

「軽のスポーツモデルなのかな」

「64psで本当に楽しいのかな」

「6MTとCVTなら、やっぱりMTを選ぶべきなのかな」

そんな見方になりがちです。

私自身、N-ONE RSに乗る前は、数字や一般的な評価からこのクルマを見ていました。

ところが、実際に所有して2年間、約5万km走ってみると、見え方がかなり変わりました。

このクルマは、単純に「速い・遅い」「スポーティ・そうではない」という軸だけでは、なかなか説明できません。

むしろ面白いのは、

「何を優先して、そのために何を手放したのか」

を追っていくことです。

その設計判断を一つずつ見ていくと、N-ONE RSというクルマの性格が少しずつ浮かび上がってきます。


 私が2年間で約5万km走った理由

私はN-ONE RSだけを所有しているわけではありません。

6MTのロードスター、ゴルフR、そしてCVTのN-ONE RSを用途によって使い分けてきました。

ロードスターは峠やスポーツ走行。

ゴルフRは長距離移動。

N-ONE RSは日常の買い物や移動を中心に使う、という役割分担です。

ところが2年間の走行距離を振り返ると、最も距離が伸びたのはN-ONE RSでした。

理由は単純です。

日常で使いやすかったからです。

ここには、カタログの最高出力だけでは表れない「クルマとしての性格」があります。

私がこの本で知りたかったのも、まさにそこでした。

「RS」はRacing Sportではない

N-ONE RSという名前を見ると、多くの人は「RS=Racing Sport」のような意味を想像すると思います。

ところがHondaが使っているRSは、

Road Sailing(ロード・セーリング)

です。

考え方の起点は、1974年の初代シビックRSまでさかのぼります。

ヨットが水の上を気持ちよく流れていくように、公道を心地よく走る。

絶対的な最高速やサーキットでの速さではなく、日常の速度域でどう気持ちよく走れるか。

ここを理解すると、N-ONE RSの見え方が変わってきます。

「RSなのに、なぜもっとパワーがないのか」

という問いそのものが、少し違っていたことに気づきます。

見るべきなのは最高出力だけではなく、

・低回転でのトルクの出方
・アクセル操作への反応
・音のつくり方
・姿勢の安定
・長距離での疲れにくさ

といった、運転している時間全体の質です。

速さではなく、心地よく流れること。

Road Sailingという言葉は、単なるグレード名ではなく、このクルマを見るための一つの鍵だと思います。

 64psだけ見ても、このクルマの性格は分からない

N-ONE RSの最高出力は64psです。

最大トルクは104N・mで、2,600rpmから発生します。

数字として見れば、それほど複雑ではありません。

問題は、カタログに載っている数字だけでは、クルマの性格のかなりの部分が抜け落ちてしまうことです。

例えば、

・シフトレバーの手応え
・エンジン音の性格
・ペダル支点の位置
・走行中の姿勢の安定
・運転席から見える範囲
・低速域での応答

こうしたものは、ほとんどスペック表には載りません。

しかし実際に毎日使うと、むしろこちらの方が「そのクルマらしさ」に強く影響します。

同じ64psでも、まったく違うクルマになります。

だから私は、この本では数字だけを並べるのではなく、

部品、数値、設計、そして実際の体験

を一緒に見ることにしました。

長所と短所を別々に考えない

クルマのレビューでは、

「良かったところ」

「悪かったところ」

という形で長所と短所を分けることがよくあります。

しかし設計という視点で見ると、この分け方だけでは本質を見失うことがあります。

例えば、

何かを軽くする。

何かを小さくする。

燃費を優先する。

外観を変えない。

静粛性を高める。

どれも、一方だけを見ればメリットがあります。

ところが、何かを得ようとすれば、別のどこかに制約が生まれます。

私はこの関係を、

「何かを得るために、何かを手放した」

という形で整理しました。

例えば低燃費志向のタイヤを選べば、燃費や静粛性を得られる一方で、絶対的なグリップには別の性格が現れます。

外観デザインを大きく変えないと決めれば、既存ユーザーとの連続性は保ちやすくなります。

その代わり、新しい要求を内部設計で吸収しなければなりません。

長所と短所は、別々に生まれたものとは限りません。

同じ一つの設計判断から生まれた、表と裏であることがあります。

この見方ができるようになると、「良い・悪い」だけでクルマを評価する必要がなくなります。

自分にとって、そのトレードオフが許容できるかどうかを考えられるからです。

外観を大きく変えなかったことにも「コスト」がある

現行N-ONEを見て、

「先代とあまりデザインが変わっていない」

と感じる人もいると思います。

しかし、外観を変えないという判断は、単純に「開発費を節約した」という話ではありません。

外側を固定すれば、新しく必要になったものを内側で処理する必要があります。

プラットフォーム。

装備。

レイアウト。

居住空間。

こうした要求が、限られた軽自動車規格の中に集まります。

つまり、

外で逃がせない要求を、内側で吸収する

ことになります。

その結果として、設計の難易度が上がる部分も出てきます。

一見「変えていない」ように見える部分ほど、実は裏側で多くの判断が行われている。

N-ONEを調べていて面白かった部分の一つです。

 6MTとCVTは「どちらが上か」ではない

N-ONE RSを検討している人がかなり迷うのが、

6MTかCVTか

だと思います。

スポーツグレードだからMT。

そう考えるのも自然です。

ただ、私はこの二つを「上・下」で見る必要はないと思っています。

6MTには6MTを成立させるための設計があります。

一方、CVTにも日常域で快適に使うための制御思想があります。

本編では、

・軽自動車に6MTを収めるために何が必要だったのか
・急なクラッチ操作で何が起きるのか
・ピークトルクリミッターは何をしているのか
・CVTのGデザインシフト制御とは何か
・MTとCVTを使用条件からどう選ぶのか

といった部分まで掘り下げました。

結論を先に言えば、

「どちらが優れているか」ではなく、「自分がどう使うか」で答えが変わります。

ここもN-ONE RSを選ぶときに重要なポイントです。

 試乗だけでは分かりにくい部分もある

短時間の試乗で分かることはたくさんあります。

ハンドリング。

加速感。

視界。

乗り心地。

操作感。

ただし、長期間使わなければ分かりにくい部分もあります。

雨の日。

高速道路。

長距離移動。

冬の降雪路。

日常の買い物。

駐車場。

何万kmも走った後の印象。

私はCVTのN-ONE RSをセカンドカーとして使い、降雪地を含めて約2年間、5万km走りました。

だから本編では、メーカー資料から読み取れる設計思想と、自分自身が確認できた実際の使用感を混同しないよう分けています。

「メーカー資料に書いてあること」と、

「自分が実際に感じたこと」は、

同じではありません。

その区別をした上で、できるだけ判断材料として整理しました。

この本は「N-ONE RSを買いましょう」という本ではありません

ここは最初にはっきりさせておきたいと思います。

私は、

「N-ONE RSは最高だから買うべきだ」

と言いたくて、この本を作ったわけではありません。

クルマの価値は、使う人によって変わります。

毎日街中で使う人。

高速道路を長距離走る人。

峠を楽しみたい人。

雪国で使う人。

MTを操作すること自体を楽しみたい人。

移動中の疲労を減らしたい人。

同じクルマでも、評価は変わります。

だからこの本の目的は、

購入を勧めることではなく、判断の解像度を上げること

です。

読み終わった結果、

「自分にはN-ONE RSが合っている」

となってもいい。

反対に、

「自分の使い方なら別の車の方がいい」

となってもいい。

その理由を自分の言葉で説明できるところまで材料を揃える。

それがこの本の狙いです。

完全版ではここまで掘り下げています

完全版『N-ONE RS徹底解説』では、今回の記事で触れた内容以外にも、

・RS=Road Sailingという設計思想
・外観を変えないという判断
・N360から受け継いだデザイン
・センタータンクレイアウト
・水平基調のインパネと運転環境
・6MT搭載の技術的背景
・ピークトルクリミッター
・シフトフィールと各部の設計
・エンジン音のつくり方
・CVTとGデザインシフト制御
・2年5万kmの長期所有実感
・Honda SENSING
・降雪地で使った場合の評価
・設計上のトレードオフ
・Premium Tourerとの比較
・アルトワークスとの比較
・S660との比較
・残価率
・維持費
・所有計画

まで、図・グラフ・イラストを使いながら整理しています。

こんな方に読んでいただきたい本です

N-ONE RSをこれから購入しようとしている方。

6MTとCVTで迷っている方。

中古のN-ONE RSを探している方。

すでに所有していて、「なぜこういう乗り味なのか」をもっと知りたい方。

そして、

カタログの数字や短時間の試乗だけでは決めきれない方。

そんな方の判断材料になればと思っています。

全126ページ相当の完全版はこちら

『N-ONE RS徹底解説|2年5万kmで見えた本当の価値』

全126ページ相当
(PDF64ページ・見開きレイアウト)

図解多数
PDF版 1,500円

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