50代から知っておきたい国債|日本国債と米国債の違い、メリット・デメリット、購入方法をFPがわかりやすく解説

50代から知っておきたい国債|日本国債と米国債の違い、メリット・デメリット、購入方法をFPがわかりやすく解説

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マネー・副業


「老後のために資産運用を始めたい。でも、株式は値下がりが怖い……」
50代、60代になると、そんなことを考える方も多いのではないでしょうか。

これから老後を迎えることを考えると、
「できるだけお金を増やしたい」
という気持ちがある一方で、

「せっかく貯めたお金を大きく減らしたくない」
という気持ちもありますよね。

そこで、今回取り上げたいのが「国債」です。

国債は文字どおり、国が発行する債券のことです。
「国債」と聞くと、
「銀行や保険会社などが買っているものじゃないの?」
と思われる方も多いかもしれません。

ところが、実は私たち個人でも購入できます。
それが「個人向け国債」です。
銀行や証券会社、郵便局などで購入することができます。

しかも、個人向け国債は毎月発行されています。
「人気がありすぎて売り切れるかもしれない」
「朝早くから銀行に並ばなければ買えない」
なんてことはありません。

もちろん、銀行の開店前から並んで、
「国債を買わせてください!」
という熱心な方も、そうはいないと思います(笑)。
では、そんな国債は、50代・60代の資産運用に向いているのでしょうか?

今回は、
国債とは何なのか
個人向け国債とは何なのか
個人向け国債のメリット
個人向け国債のデメリット
日本国債と米国債の違い
米国債にはどんなリスクがあるのか
国債はどこで買えるのか
50代・60代は国債をどう活用すればいいのか

について、できるだけ分かりやすく解説します。

1.そもそも国債とは?

まず、「国債とは何か?」から考えてみましょう。

国債を簡単に説明すると、
「国にお金を貸す代わりに、利息を受け取る仕組み」
です。

例えば、国が100万円を必要としているとします。
そこで国が、
「100万円を貸してください。利息をお支払いします。そして決められた時期になったら、お借りしたお金を返します」

という形で発行するのが国債です。
国債を購入した人は、国にお金を貸していることになります。
その代わりに、国から利息を受け取ります。

そして、満期になれば原則として額面金額が返ってきます。
つまり、
国債=国にお金を貸して、利息を受け取る金融商品
と考えると分かりやすいでしょう。

2.個人でも購入できる「個人向け国債」

では、私たち個人が購入できる国債には、どのようなものがあるのでしょうか。
代表的なのが個人向け国債です。

個人向け国債には、
・変動10年
・固定5年
・固定3年

の3種類があります。
名前のとおり、

「変動10年」は10年満期で、金利が変動するタイプ。
「固定5年」は5年満期で、金利が固定されるタイプ。
「固定3年」は3年満期で、金利が固定されるタイプです。

そして、個人向け国債は1万円から購入できます。
「国債を買うには何百万円も必要なのでは?」
と思っていた方には、意外かもしれません。
1万円から購入できるので、比較的始めやすい金融商品です。

3.個人向け国債のメリット

次に個人向け国債にはどのようなメリットがあるのか見てみましょう。

メリット① 元本の価格変動を抑えた仕組みになっている

個人向け国債の大きな特徴の一つです。
株式の場合、購入した後に株価が下落すれば、評価額が大きく下がることがあります。

一方、個人向け国債は、額面金額で購入し、満期時には額面金額で償還される仕組みです。

そのため、株式のように毎日の市場価格を見ながら、
「今日は10万円減った!」
「今度は20万円増えた!」
と一喜一憂する必要がありません。

老後資金のように、
「できるだけ大きく減らしたくないお金」
を運用する場合には、検討しやすい金融商品の一つです。

メリット② 1万円から購入できる

個人向け国債は、1万円から購入できます。
そのため、
「資産運用を始めたいけど、いきなり100万円、200万円を投資するのは怖い」
という方でも、比較的始めやすいでしょう。

もちろん、1万円だけでは大きな運用効果は期待できません。
しかし、最初は少額で仕組みを理解して、徐々に購入金額を増やしていくという方法もあります。

メリット③ 金利が上昇すると「変動10年」は金利上昇の恩恵を受ける可能性がある

個人向け国債の「変動10年」は、半年ごとに金利が見直されます。

そのため、世の中の金利が上昇すれば、将来的に受け取る利息が増える可能性があります。
反対に金利が下がれば、受け取る利息も下がります。

ただし、変動10年には最低金利が設定されているため、金利が大きく下がった場合でも一定の利率が確保される仕組みになっています。

メリット④ 発行から1年経過すれば中途換金できる

「10年満期」と聞くと、
「10年間、絶対にお金を引き出せないの?」
と思うかもしれません。

個人向け国債は、発行から1年経過すれば、原則として中途換金できます。
例えば100万円分持っていたとしても、必要な分だけ換金することが可能です。

老後資金の場合、
「10年間まったく使わない」
と決めるのは難しいものです。
そのため、この中途換金できる仕組みは大きなメリットと言えるでしょう。

4.個人向け国債のデメリット

ここまで読むと、
「国債って、かなりいい商品なのでは?」
と思われるかもしれません。

しかし、もちろんデメリットもあります。
金融商品は、メリットだけを見て判断してはいけません。
ここはしっかり確認しておきましょう。

デメリット① 株式のように大きな利益は期待しにくい
国債は、
「大きく増やすための商品」ではありません。
基本的には、利息を受け取りながら資産を運用する商品です。

株式などの場合、企業の業績や株価の上昇によって、大きな利益を得られる可能性があります。
一方で国債の場合、株式のような大幅な値上がりを期待するものではありません。

したがって、
「10年で資産を2倍、3倍にしたい」
という人には、国債だけで資産運用するのは向いていないでしょう。

デメリット② インフレに弱い可能性がある

これは、50代・60代の方には特に知っておいてほしいポイントです。
例えば100万円を年1%で運用したとします。
お金そのものは増えています。

しかし、物価が年3%上昇したらどうでしょうか。
100万円という金額は増えていなくても、物価が上昇することで、
「100万円で買えるものが少なくなる」
可能性があります。

これがインフレによる実質的な価値の低下です。
つまり、
「元本が減らない=絶対に安心」
ではありません。

お金の「額面」だけではなく、
「そのお金で将来何が買えるのか」
という視点も必要です。

デメリット③ 発行から1年間は原則として中途換金できない

個人向け国債は、発行から1年経過すれば原則として中途換金できます。
逆に言えば、
発行から1年間は、原則として中途換金できません。

そのため、
「近いうちに使う可能性があるお金」
を個人向け国債に入れてしまうのは注意が必要です。

例えば、
・1年以内に住宅リフォームをする予定のお金
・近いうちに車を購入するお金
・病気や介護などに備える生活防衛資金
などは、すぐに使える預貯金として確保しておくことも大切です。

5.では、日本国債と米国債は何が違う?

ここまで説明してきたのは、主に日本の個人向け国債です。
しかし、資産運用について調べていると、
「米国債」
という言葉もよく目にすると思います。

米国債とは、その名のとおり、
アメリカ政府が発行する債券
です。

では、
「日本国債と米国債、どちらがいいの?」
という疑問が出てきます。

ここは非常に重要です。
結論から言うと、
単純に「どちらが得」とは言えません。
なぜなら、日本国債と米国債では、抱えるリスクが違うからです。

6.米国債の大きな特徴は「為替リスク」

米国債を購入する場合、基本的には米ドルでの運用になります。

ここで問題になるのが、
「為替」
です。

例えば、
1ドル=150円
のときに米国債を購入したとしましょう。

その後、米国債から利息を受け取ったとしても、
1ドル=120円
になっていたらどうでしょうか。

ドルの価値が円に対して下がっています。
そのため、円に戻したときの資産価値が減ってしまう可能性があります。

反対に、
1ドル=170円
になれば、円換算ではプラスになる可能性があります。

つまり米国債の場合、
「債券の運用」だけではなく、「為替の動き」も考える必要があります。

7.「米国債は金利が高いからお得」とは限らない

米国債について調べていると、
「日本国債より金利が高い!」
という情報を目にすることがあります。

確かに、時期によっては米国債の利回りが日本国債より高いことがあります。
しかし、
「金利が高い=必ず儲かる」
ではありません。

例えば米国債の金利が高くても、購入後に円高が進めば、円換算したときの利益が小さくなったり、場合によっては損失が発生したりすることがあります。

特に、
「老後は日本円で生活する」
という方の場合は、
「なぜドル資産を持つのか?」
という目的を考えることが大切です。

米国債が悪いということではありません。
ただし、
「金利が高いから」という理由だけで購入するのはおすすめできません。

8.国債はどこで買える?

では、実際に国債を購入するにはどうすればいいのでしょうか。
個人向け国債は、銀行、証券会社、郵便局などの取扱金融機関で購入できます。

普段利用している銀行でも取り扱っている場合があります。
基本的な流れは、

STEP1 購入する金融機関を選ぶ
銀行や証券会社などから選びます。

STEP2 必要な口座を準備する
金融機関によって必要な手続きが異なります。

STEP3 どの個人向け国債を購入するか決める
・変動10年
・固定5年
・固定3年
の中から選びます。

STEP4 購入金額を決める
1万円から購入できます。

STEP5 購入する
金融機関の窓口や、金融機関によってはインターネットで手続きを行います。
特別難しい手続きではありません。

「国債」という名前から難しそうに感じるかもしれませんが、購入そのものは比較的シンプルです。

9.では、50代・60代は国債をどう使えばいい?

ここが一番大切なところです。
私は、
「50代だから国債を買うべき」
とも、
「60代なら国債だけで運用すべき」
とも考えていません。

大切なのは、
「そのお金をいつ使うのか」
です。

例えば、
近いうちに使うお金
生活費や緊急時のお金など。
これは、すぐに使える預貯金などで確保します。

数年~10年程度使う予定のないお金
大きな値下がりを避けたいのであれば、個人向け国債などを選択肢として検討できます。

10年以上使わない予定のお金
株式や投資信託など、値動きのある資産を含めて検討する余地があります。
つまり、
「全部を国債にする」必要もなければ、
「全部を株式にする」必要もありません。

10.「守るお金」と「増やすお金」を分けて考える

50代以降の資産運用で私が大切だと思うのが、
「守るお金」と「増やすお金」を分けること
です。

例えば、
「老後5年以内に使う可能性があるお金」
まで株式に投資してしまうと、必要なときに株価が大きく下落している可能性があります。

逆に、20年間使う予定のないお金まで、すべて預貯金や国債にしてしまうと、インフレによって実質的な価値が目減りする可能性があります。

だからこそ、
お金の「使う時期」によって運用方法を変える
という考え方が大切なのです。

11.私が50代・60代の方に伝えたいこと

資産運用というと、
「何を買えば儲かるの?」
と考えてしまいがちです。

しかし、私はそれよりも先に、
「このお金は何のためのお金ですか?」
と考えてほしいと思っています。

・老後の生活費なのか。
・住宅修繕費なのか。
・旅行のためのお金なのか。
・子どもや孫のためのお金なのか。
・当面使う予定のない余裕資金なのか。

同じ100万円でも、
「何のためのお金なのか」
によって、運用方法は変わってきます。

資産運用で大切なのは、
「どの商品を買うか」よりも「どのお金を、どのくらいの期間、どの程度のリスクで運用するか」
なのです。

12.まとめ

今回は国債についてお話ししました。
国債とは、
「国にお金を貸して、その対価として利息を受け取る金融商品」
です。

そして、私たち個人でも購入できる「個人向け国債」があります。
個人向け国債には、
・変動10年
・固定5年
・固定3年
の3種類があるとお伝えしました。

1万円から購入でき、発行から1年経過すれば原則として中途換金することもできます。
一方で、
「国債なら絶対に損をしない」
というわけではありません。

大きな利益を期待する商品ではありませんし、インフレによってお金の実質的な価値が下がる可能性もあります。
また、米国債の場合には為替リスクがあります。

そのため、
「日本国債と米国債、どちらが得なのか?」
という考え方だけではなく、
「自分にとって、このお金は何のためのお金なのか?」
というところから考えてみてください。

50代・60代からの資産運用では、
「増やすこと」だけが正解ではありません。
大切な老後資金を守りながら、必要に応じて運用する。
そのための選択肢の一つとして、国債を知っておくことには意味があると思います。

「全部を増やす」のではなく、
「増やすお金」と「守るお金」を分ける。
これからの資産運用を考えるうえで、ぜひ覚えておいていただきたい考え方です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


※本記事は特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。資産運用にはリスクがあります。投資を行う際は、ご自身の資産状況、収入、支出、投資経験、リスク許容度などを踏まえてご判断ください。また、金利や制度等は変更される場合があります。



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