「私の育て方が悪かったのでしょうか?」
スクールカウンセラーとして相談を受ける中、保護者の方から本当によく聞く言葉です。
お子さんが不登校になると、多くの親御さんが強い罪悪感を抱きます。
私自身、これまで1500件以上の相談に関わってきましたが、自分を責め続けて苦しんでいる親御さんをたくさん見てきました。
今回は、親がなぜ罪悪感を抱くのか、そしてその気持ちとどう付き合っていけばいいのかについてお話したいと思います。
①「親だから何とかしなければ」と思うから
子どもが熱を出したら病院へ連れて行く。
ケガをしたら手当てをする。
親は子どもを守る存在です。
だからこそ、不登校という問題に直面した時、
「親である私が何とかしなければ」
と思うのは自然なことです。
でも不登校は、風邪のように薬を飲めば治るものではありません。
原因も一つではなく、学校環境、人間関係、発達特性、性格、心身の疲れなど、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。
それでも、
「解決できない=私の責任」
と考えてしまうのです。
②周囲と比べてしまうから
朝になると、近所の子どもたちがランドセルを背負って登校していく。
SNSを開けば、
「運動会がありました」
「修学旅行に行きました」
という投稿が目に入る。
そんな時、
「どうしてうちの子だけ……」
と思ってしまうことがあります。
すると次に出てくるのは、
「私の関わり方が悪かったのかな」
という気持ちです。
人は理由がわからない出来事に直面すると、原因を探したくなります。
そして一番近くにいる自分を責めてしまうのです。
③「もっと早く気づけばよかった」と後悔するから
不登校になった後、多くの親御さんは過去を振り返ります。
「あの時、無理に習い事を続けさせなければよかった」
「あの時、もっと話を聞いてあげればよかった」
「あの時のサインを見逃した」
私も面談で何度もこうした言葉を聞いてきました。
でも実際には、その時その時で親御さんは一生懸命だったはずです。
その時点でわかる情報の中で、最善だと思う選択をしていたはずなのです。
結果を知った今だからこそ、「ああすればよかった」と思えるだけなのです。
私がこれまで出会ってきた親御さんたちは、本当にお子さんを大切に思っていました。
毎日悩み、
学校へ連絡し、
専門機関を探し、
本を読み、
夜中までインターネットで情報を調べる。
そんな姿をたくさん見てきました。
だから私は、面談でよくこうお伝えします。
「罪悪感があるということは、それだけお子さんを大切に思っている証拠ですよ」
と。
もし関心がなければ、悩みません。
苦しみません。
ここまで自分を責めることもありません。
罪悪感の裏側には、深い愛情があります。
まずはそのことを忘れないでほしいのです。
不登校になると、親御さんは子どものことばかり考えるようになります。
でも、お子さんの回復を長い目で支えていくためには、親自身の心の余裕も必要です。
好きなカフェに行く。
友人と話す。
趣味の時間を持つ。
少し休む。
そんなことに罪悪感を抱く必要はありません。
親が笑顔になれば、家庭の空気は少しずつ変わります。
そして、その安心感は必ずお子さんにも伝わっていきます。
もし今、
「私のせいで不登校になったのではないか」
と苦しんでいるなら、伝えたいことがあります。
不登校は、親一人の責任で起こるものではありません。
そして、お子さんが不登校になったことと、親として失格であることは全く別の話です。
あなたは今日まで、お子さんのためにたくさん悩み、考え、行動してきたはずです。
まずはそんな自分自身にも、少し優しい言葉をかけてあげてください。
「私は十分、頑張っている」
と。