「自分には、これといった強みがありません」
お話を聞いていると、こう言われる方が少なくありません。
「得意なことも思いつかない」
「人に誇れるようなものもない」
「周りの人はすごいのに、自分は何もできていない」
でも、僕はそんな話を聞くたびに思うことがあります。
本当に強みがないのでしょうか。
もしかすると、**強みがないのではなく、自分を責めることに慣れすぎて、自分の強みが見えなくなっているだけなのかもしれません。**
たとえば、何か失敗したとき。
「なんでこんなこともできないんだろう」
「もっと頑張らなきゃ」
「自分は本当にダメだな」
そんな言葉を自分に向けていませんか?
もし大切な友人が同じ失敗をしたら、
「そんなこともできないの?」
とは言わないと思うんです。
「大丈夫だよ」
「疲れてたんじゃない?」
「そんな日もあるよ」
そう言える人ほど、不思議なくらい自分には厳しかったりします。
## 自分を責めていると、才能は働きにくくなる
自分を責め続けていると、
「失敗しないように」
「嫌われないように」
「迷惑をかけないように」
「ちゃんとしなきゃ」
ということに、たくさんのエネルギーを使います。
すると、本来持っている力を使う余裕がなくなってしまいます。
人の気持ちに気づく力。
深く考える力。
丁寧に取り組む力。
人を安心させる力。
新しいことに興味を持つ力。
本当はそんな力を持っているのに、
「失敗しないこと」
ばかり考えていたら、それを発揮する余裕がありません。
**才能がないのではなく、才能が安心して出てこられない状態になっている。**
そんなこともあると思うんです。
## 「嫌いな自分」の中に、強みが隠れていることもあります
そして僕は、人のお話を聞くときに、
「自分のどんなところが嫌いですか?」
と聞くことがあります。
少し不思議ですよね。
強みを見つけたいのに、嫌いなところを聞く。
でも、そこにヒントが隠れていることがあります。
「考えすぎてしまう」
それは、物事を深く考えられる力かもしれません。
「人の目が気になってしまう」
それは、人の表情や空気の変化に気づける力かもしれません。
「心配性なんです」
それは、先のことを考えて準備できる力かもしれません。
「いろんなことに手を出してしまいます」
それは、好奇心が強く、新しいものを見つけられる力かもしれません。
欠点と強みは、まったく別のものではなく、
**同じ特徴をどちら側から見ているか**
ということもあるんです。
## 一人では、自分のことが一番見えにくい
ただ、自分だけでこれを見つけるのは意外と難しいです。
自分にとって普通にできることほど、
「こんなの誰でもできる」
と思ってしまうからです。
でも、誰かと話していると、
「それって、すごくないですか?」
「えっ、それ普通じゃないですよ」
と言われることがあります。
その瞬間、
「そうなの?」
と初めて気づく。
僕は、こういう瞬間がすごく好きです。
何か新しい能力を身につけたわけではありません。
**ずっと持っていたものに、初めて気づいただけ。**
それだけで、自分を見る目が少し変わることがあります。
## 「何とかしてほしい」じゃなくてもいい
誰かに相談するというと、
「大きな悩みがないといけない」
「解決してほしいことがないといけない」
と思うかもしれません。
でも、そんなことはありません。
「なんとなくモヤモヤする」
「自分のことを整理したい」
「これからどうしたいのかわからない」
「誰にも言っていないことを、ちょっと話してみたい」
それくらいでもいいと思っています。
話しているうちに、
「あ、自分は本当はこう思っていたんだ」
と気づくことがあります。
誰かに答えをもらうのではなく、
**話しながら、自分の中にある答えに気づいていく。**
そんな時間も大切だと思います。
もし今、
「自分には何もない」
「自分の強みがわからない」
と思っているなら、すぐに答えを出さなくても大丈夫です。
まずは、
**「本当に何もないのかな?」**
と少しだけ疑ってみてください。
そして、
「自分がダメだと思っているところは、見方を変えたらどんな力になるんだろう?」
と考えてみる。
一人では見つからないときは、誰かに話してみる。
自分のことを話す時間は、自分を責める時間ではなく、**今まで知らなかった自分に出会う時間**になることがあります。
みなさんの中にあるものを、無理に変える必要はありません。
まずは、
「こんな自分もいたんだな」
と知るところから。
そこから、自分の見え方が少しずつ変わっていくのかもしれません。