「自分がどうしたいのかわからない」
そんな言葉を聞くことがあります。
やりたいことがわからない。
今の仕事を続けたいのかもわからない。
この人間関係が自分に合っているのかもわからない。
でも、「わからない」ということは、本当に何もないのでしょうか。
僕は、少し違う見方もできると思っています。
そんなとき、こんな質問をしてみてください。
「もし明日、理想の自分になっていたら、まず何をしますか?」
そしてもうひとつ。
「理想の自分になっていたら、まず何をやめますか?」
たとえば、
もっと好きなことをしている。
ゆっくり朝を過ごしている。
会いたい人に会っている。
自分の気持ちをちゃんと言えている。
そんな姿が浮かぶかもしれません。
反対に、
人の顔色を見るのをやめている。
嫌なことを無理して引き受けるのをやめている。
苦しい人間関係から少し離れている。
自分を責めることをやめている。
そんな答えが出てくるかもしれません。
実は、「やりたいこと」だけではなく、
「もう、やりたくないこと」
にも、その人の本音がたくさん隠れていると思っています。
「どうしたい?」と聞かれて答えられなくても、
「このままは嫌だ」
なら、わかることがあります。
それも立派な自分の気持ちです。
そして、そこから少しずつ、
「じゃあ、本当はどうしたいんだろう?」
と考えていけばいいんです。
ただ、自分のことって、自分一人では意外とわかりにくいものです。
長い間、
「ちゃんとしなきゃ」
「迷惑をかけちゃいけない」
「我慢しなきゃ」
「もっと頑張らなきゃ」
と考えてきた人ほど、自分の気持ちよりも周りを優先することが当たり前になっていることがあります。
「何がしたい?」
と聞かれても、
「何をしたら正解なんだろう?」
と考えてしまう。
「どうしたい?」
と聞かれても、
「どうしたら嫌われないだろう?」
を先に考えてしまう。
そんな状態では、自分の本音が見えにくくなっても不思議ではありません。
なので僕は、すぐに答えを出さなくてもいいと思っています。
誰かと話しながら、
「それ、本当は嫌だったんですね」
「そのとき、本当はどうしてほしかったんでしょうね」
「もし誰にも嫌われないとしたら、どうしたいですか?」
そんなふうに一つずつ言葉にしていく。
すると、自分でも気づいていなかった気持ちが出てくることがあります。
話しているうちに、
「あ、自分はこれが嫌だったんだ」
「本当はこうしたかったんだ」
「自分はこういうことを大切にしていたんだ」
と気づく。
答えを教えてもらったのではなく、自分の中にあった答えに自分で気づいていく。
僕は、そういう時間をとても大切にしています。
誰かに相談するというと、
「悩みを解決してもらう」
というイメージがあるかもしれません。
でも、必ずしも答えをもらう必要はないと思うんです。
ただ安心して話す。
まとまっていなくても話してみる。
「こんなことを言ったら変かな」と思うことも言葉にしてみる。
その中から自分の気持ちを見つけていく。
それだけでも、頭の中で一人で考え続けるのとは違う時間になることがあります。
もし今、
「自分が何をしたいのかわからない」
と感じているなら、無理に答えを出そうとしなくても大丈夫です。
まずは、
「理想の自分なら何をする?」
そして、
「理想の自分なら、何をやめる?」
と自分に聞いてみてください。
その答えの中に、今まで後回しにしてきた気持ちが隠れているかもしれません。
そして、一人ではなかなか言葉にならないときは、誰かに話してみるのもひとつの方法です。
アドバイスをもらうためではなく、
自分の声を、自分で聞くために。
みなさんが本当はどうしたいのか。
その答えは、誰かが決めるものではなく、みなさんの中にあるものだと思っています。
それを一緒にゆっくり探していく時間があってもいいのではないでしょうか。