LINE予約システムを検討している店舗様から、よくいただく質問があります。
「本当に月額0円で使えるのですか?」
「導入後に追加料金が発生することはありませんか?」
「予約が増えたら、急に高額な費用がかかりませんか?」
結論からお伝えすると、GAS、Googleスプレッドシート、Googleカレンダーなどを活用することで、予約システム自体の月額利用料を0円に抑えることは可能です。
ただし、すべての費用が必ず0円になるわけではありません。
利用する機能やメッセージ配信数によっては、LINE公式アカウントの料金、決済手数料、追加開発費などが発生します。
今回は、月額0円で運用できる仕組みと、別途発生する可能性がある費用を整理します。
1.月額0円とは「予約システムの利用料」がかからないという意味
一般的なクラウド型予約システムでは、毎月一定の利用料を支払ってサービスを利用します。
例えば、次のような料金が発生することがあります。
・予約システムの月額利用料
・店舗やスタッフの追加料金
・予約件数に応じた従量課金
・顧客数に応じた追加料金
・特定機能を利用するための上位プラン料金
・予約成立ごとの手数料
一方、GASやGoogleスプレッドシートを活用したLINE予約システムでは、店舗ごとに必要な仕組みを構築し、Googleの環境上で動かします。
そのため、外部の予約システムを毎月契約しなくても、予約受付や予約管理を行える構成にできます。
ここでいう「月額0円」とは、主に次の費用がかからないことを意味します。
・予約システム自体の月額利用料
・予約件数に応じたシステム利用料
・予約成立ごとのシステム手数料
ただし、初期構築費用や、後から機能を追加する場合の開発費まで0円になるわけではありません。
2.月額0円で運用できる仕組み
月額費用を抑えたLINE予約システムでは、主に次のサービスを組み合わせます。
LINE公式アカウント
・お客様が予約を進める入口として利用します。
・お客様は普段使用しているLINEから、メニュー、希望日、空き時間などを選択できます。
Google Apps Script(GAS)
・LINEから送信された情報を受け取り、予約処理を行います。
・予約可能時間の取得、予約情報の登録、完了メッセージの送信などを自動化します。
Googleスプレッドシート
・メニュー、営業時間、休業日、顧客情報、予約情報などを管理します。
・専用のデータベースサービスを別途契約せず、比較的分かりやすい形で情報を管理できます。
Googleカレンダー
・確定した予約を予定として登録します。
・店舗側は、普段使用しているスマートフォンやパソコンから予約状況を確認できます。
これらを組み合わせることで、高額な月額制予約サービスを契約せずに、LINE上で予約を受け付ける仕組みを構築できます。
3.最初に必要になる初期構築費用
月額0円で運用する場合でも、予約システムを作るための初期構築費用は必要です。
初期構築では、主に次の作業を行います。
・現在の予約方法のヒアリング
・予約ルールの整理
・予約フローの設計
・LINE公式アカウントの設定
・Messaging APIの設定
・GASによる予約機能の開発
・Googleスプレッドシートの作成
・Googleカレンダーとの連携
・リッチメニューの設定
・テスト予約
・操作説明、マニュアル作成
初期構築費用は、必要な機能によって変わります。
例えば、1人で運営するサロンのシンプルな予約システムと、複数スタッフの出勤状況を考慮した予約システムでは、必要な設計や開発量が異なります。
費用を抑えるためには、最初から多くの機能を盛り込むのではなく、実際の運用に必要な機能を整理することが重要です。
4.LINE公式アカウントの料金が発生するケース
予約システム自体を月額0円で運用できても、LINE公式アカウントの利用状況によっては料金が発生します。
2026年8月時点では、LINE公式アカウントの主な料金プランは次のとおりです。
コミュニケーションプラン
・月額固定費:0円
・無料メッセージ通数:月200通
ライトプラン
・月額固定費:月5,000円(税別)
・無料メッセージ通数:月5,000通
スタンダードプラン
・月額固定費:月15,000円(税別)
・無料メッセージ通数:月30,000通
・上限を超えた分は追加メッセージ料金が発生
注意したいのは、すべてのメッセージが同じようにカウントされるわけではないことです。
お客様が操作した直後に送る応答メッセージは、料金プランのメッセージ通数にはカウントされません。
一方、店舗側から任意のタイミングで送る次のようなメッセージは、通数にカウントされます。
・前日の予約リマインド
・予約後のフォローメッセージ
・空き時間の一斉配信
・キャンペーンの一斉配信
・来店後の再予約案内
例えば、予約操作中の案内と予約完了メッセージだけであれば、無料プラン内で運用しやすいケースがあります。
一方、友だち数が多く、定期的な一斉配信やリマインドを行う場合は、有料プランが必要になる可能性があります。
そのため、導入前に友だち数、月間予約数、配信予定を確認しておくことが重要です。
5.オンライン決済を利用する場合の手数料
LINE予約時にクレジットカード決済を行う場合は、決済代行サービスの手数料が発生します。
例えばStripeの標準料金では、カード決済が成功した際に、決済金額の3.6%が手数料として発生します。
仮に5,000円のメニューをオンライン決済した場合、手数料は180円です。
予約システムにオンライン決済機能を追加しても、決済を利用しなければ手数料は発生しません。
次のような運用であれば、オンライン決済機能は不要な場合もあります。
・来店時に現金で支払う
・店舗の決済端末で支払う
・予約時の事前決済を行わない
一方で、事前決済を導入すると、無断キャンセル対策や当日の会計時間短縮につながる場合があります。
手数料だけで判断せず、キャンセル対策や店舗運用も含めて検討することが大切です。
6.Googleアカウントに関する費用
個人向けのGoogleアカウントを利用する場合、Googleスプレッドシート、Googleカレンダー、GASは無料で利用できます。
そのため、小規模店舗であれば、Google側の月額費用も0円で運用できるケースがあります。
ただし、次のような場合はGoogle Workspaceの利用を検討することがあります。
・独自ドメインのメールアドレスを使用したい
・複数スタッフのアカウントを組織として管理したい
・セキュリティやアクセス権限を強化したい
・保存容量を増やしたい
・退職者や担当変更時のアカウント管理を行いたい
Google Workspaceを契約する場合は、契約プランと利用人数に応じた料金が発生します。
個人店舗では無料のGoogleアカウント、法人や複数スタッフの店舗ではGoogle Workspaceというように、運用体制に合わせて選択します。
7.GASには利用上限がある
GASは無料で利用できますが、無制限に動作するわけではありません。
主に次のような利用上限があります。
・1回あたりの実行時間
・1日あたりの合計実行時間
・外部サービスへのアクセス回数
・Googleカレンダーへの登録回数
・同時に処理できる実行数
小規模店舗の一般的な予約受付であれば、すぐに上限へ達するケースは多くありません。
ただし、友だち数や予約件数が非常に多い場合、短時間にアクセスが集中する場合、複数店舗で共通利用する場合などは、事前に処理量を確認する必要があります。
大規模な運用では、GASではなく専用のサーバーやデータベースを利用した構成が適している場合もあります。
「無料だからGASを使う」のではなく、想定する予約件数や運用規模に適しているかを確認することが重要です。
8.追加開発・保守費用が発生するケース
導入後に機能を変更・追加する場合は、別途開発費用が発生することがあります。
例えば、次のような追加です。
・スタッフ指名機能
・事前問診機能
・キャンセル機能
・前日リマインド
・オンライン決済
・顧客管理画面
・予約分析機能
・複数店舗への対応
・外部予約サービスとの連携
また、GoogleやLINEの仕様変更、店舗の予約ルール変更、メニュー追加などに伴い、システムの修正が必要になる場合があります。
月額保守契約を必須にするか、必要なときだけ個別に依頼するかは、提供者によって異なります。
当方では月額保守を必須とせず、必要に応じて追加開発や運用サポートをご相談いただける形としています。
9.月額0円運用が向いている店舗
月額0円のLINE予約システムは、特に次のような店舗と相性が良いです。
・1人または少人数で運営している
・予約数が小規模から中規模
・Googleカレンダーで予定を管理している
・電話や個別メッセージの予約対応を減らしたい
・月額固定費を抑えたい
・必要な機能だけを導入したい
・高機能な予約サービスまでは必要ない
・初期費用を支払って、長く利用したい
例えば、整体院、整骨院、鍼灸院、個人サロン、パーソナルジム、占い、カウンセリングなどの予約制店舗に向いています。
10.月額制の予約サービスが向いているケース
一方、次のような場合は、月額制の予約サービスや専用システムの方が適していることがあります。
・多数の店舗やスタッフを管理する
・短時間に大量の予約が入る
・24時間の監視や緊急サポートが必要
・POS、会計、在庫など多数のサービスと連携したい
・高度な売上分析やマーケティング機能が必要
・管理画面から細かな設定を頻繁に変更したい
・システム障害時の保証やサポート体制を重視する
大切なのは、月額0円だけを優先することではありません。
店舗の規模、必要な機能、運用方法に合ったサービスを選ぶことが重要です。
11.まとめ:条件を理解すれば月額0円で運用できる
GAS、Googleスプレッドシート、Googleカレンダーを活用することで、予約システム自体の月額利用料を0円に抑えることは可能です。
ただし、次の費用が発生する可能性があります。
・システムの初期構築費用
・LINE公式アカウントの有料プラン
・オンライン決済の手数料
・Google Workspaceの利用料
・追加機能の開発費用
・保守、運用サポート費用
月額0円という言葉だけで判断せず、初期費用、配信数、決済方法、追加機能、将来の運用まで含めて確認することが大切です。
当方では、LINE予約、GAS、Googleスプレッドシート、Googleカレンダーを組み合わせた、月額費用を抑えた予約システムを構築しています。
機能が決まっているパッケージ型と、店舗の予約ルールに合わせたオーダーメイド型の両方に対応可能です。
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