確かな技能・体力を身につける授業づくり

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確かな技能・体力を身に付ける授業づくりのためには、体を思い切り動かすおもしろさや心地よさといった「運動の楽しさ」や,仲間と協力し活動する中で技能の上達や体力の向上を感じる「運動の喜び」を実感できることが大切である。魅力ある教材,追究意欲を生み出す課題や運動技能・知識習得場面の設定など,児童生徒が主体的に取り組む学習となるよう、以下二つの視点を授業づくりに取り入れたい。

1. 夢中になって運動に取り組み、技能が高まる教材化の工夫

教材づくりでは、「どんな力を育てたいのか、そのために何を教え学ばせるのか」を明確にし、学習内容に組み込む必要がある。また,児童生徒の興味関心に配慮し発達段階に応じた適切な課題設定,技能習得の達成や学習機会の平等性の保障などにより,運動への学習意欲を高めることが大切である。このような考えのもと,以下の(1,2)をベースに,児童生徒が「やってみたい」「分かりやすい」「できそう」と感じる教材・教具の工夫や開発を行う。
(1) 小中9年間の学習を見通した学習内容の設定運動技能習得には、発達段階に応じて技能を系統的に積み上げていくことが重要である。学習する単元が小中連携9年間のカリキュラムの中のどの位置にあり,何を身に付けさせるのかを明確にする。
(2)児童生徒の既習内容や技能習得の程度,単元に期待することなどを把握する。

2.「分かる」「かかわる」「できる」授業づくり

児童生徒が,「分かる」「かかわる」「できる」を味わえる課題解決的な学習になるよう意識して授業づくりに取り組むことが肝要である。
(1) 学習内容を焦点化した課題の設定~「分かる」1単位時間の単元計画の中での位置,単元の9年間の中での位置などの系統性を把握し,明確な学習目標と具体性のある学習課題を設定する。前時からの場や活動の変化,発問の工夫により課題認識させる。
(2) 「動いて考える」「考えてから動く」ことから,動きのコツを共有する場面の設定~「かかわる」自分で考えた運動の仕方の試し,友達の運動の様子の観察ができる場や活動時間を設定する。ペアや小集団などの学習形態を工夫し交流や運動を試すことで動きのコツの発見や運動の仕方を工夫する。
(3) 仲間とかかわり合いながら技能を習得し,運動の喜びを味わえる場面の設定~「できる」集団交流場面を設定し,よりよい課題解決方法を見いだし共有する。その後,それを基に相互に教え合いながら,動きを通し解決に取り組む。また,自己や他者,教師による適切な評価により、運動の楽
しさや喜びを味わわせる。
教材化と授業づくりの二つの視点により体育授業の質の向上を図り,仲間とかかわわり合う中で,運動技能の確実な習得はもちろん、運動量の確保による体力向上,運動の日常化へとつなげていきたい。
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