富太郎が気の向くままに、再び「ちょこっとプレゼン」させていただきます。
誰かのお役に立てば、幸いです。
今回のお題「相続人は誰か ? 」
テレビのドラマで、金に困った息子が、資産家の父親を殺害して遺産を手に
入れようと、完全犯罪を計画するも、優秀な刑事(若しくは探偵)の活躍で失敗
し、殺人犯になるというストーリーを時々目にします。
問題1 この父親を殺した息子は、相続人となれるのか?
答え なれません。
亡くなった父親(被相続人)を殺した息子は、『欠格事由』に該当し、相続人
になることは出来ません。 (民法891条1項)
問題2 亡くなった父親(被相続人)には、配偶者(妻)がいて、殺人を犯したの
は、ひとり息子。 その息子には奥さん[嫁]と、ひとり娘[孫]がいたとして
亡くなった父親の相続人は、誰になるのか?
答え 奥さん(2分の1)と、孫娘(2分の1)
・ 嫁は、直系卑属ではないので、相続人ではありません。
・ 「相続放棄」のケースとは異なり、相続欠格者の子供は、相続人
となります(『代襲相続』)。
(民法887条2項 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は
第891条の規定に該当し、若しくは廃除[注]によって、その相続権を
失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。)
問題3 その後、相続人となった妻が死んだ場合、誰が相続人となるか?
答え 孫娘(のみ)
・ 母親は殺していないのに、なぜ息子は相続人になれないのか?
民法891条によります。 『次に掲げるものは、相続人になる
ことはできない。 1項 故意に被相続人又は相続について先順位
又は同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたた
めに、刑に処せられたもの。)
殺された父親は、犯人の息子からすると、母親の相続に関して
同順位(第一順位)に当たります。
問題4 さらにその後、相続人となった孫娘が死んだ場合、誰が相続人と
なるのか?
(被相続人である孫娘に、配偶者と子供がいないケース。)
答え 犯人である息子(2分の1)、嫁(2分の1)
・ 息子が殺したのは父親であり、娘の相続に関しては(同順位の
者でもないので)、『欠格事由』には該当しません。
・ 娘からみて、母親は直系尊属になるので、相続人となります。
サスペンスドラマも、登場人物の親族関係をよく把握することで、展開の
楽しみ方に、深みが増しそうです。
今回は、以上です。
過去のブログも、ぜひご覧ください。 富太郎
★リーガルリテラシーとは、
「自身の身や権利を守るための、最低限の法知識」
です。
[注] 『廃除』というのは、虐待などがあって、相続をさせたくない者が、
家庭裁判所に請求して「推定相続人」から相続人の資格を奪ってもらう
制度です。