富太郎が気の向くままに、再び「ちょこっとプレゼン」させていただきます。
誰かのお役に立てば、幸いです。
今回のお題「利益相反行為(親子間)」
例えば、親名義の不動産を、未成年の自分の子供に買わせる契約は、問題
ではないか。というのが問題の本質です。 親の言いなりになりかねません。
『利益相反』というのは、文字通り「お互いの利益が、相反すること」。
一方が特になれば、一方が損をする状況です。
民法826条1項は、「親権を行う父又は母とその子との利益が相反する行為
については、親権を行うものは、その子のために特別代理人を選任することを
家庭裁判所に請求しなければならない。」 と定めています。
親がプラス、子供がマイナスになる可能性がある場合は、家庭裁判所が選任
した特別代理人が子供を代理して、親と交渉します。
ただ、「親がプラス、子供がマイナスになる可能性があるケース」には、
判断が微妙なものも多数考えられます。
(司法書士試験でも、よく問題になります。)
ケース1 「親が自己の債務を担保するために、未成年の子供の所有不動産に
抵当権を設定する行為」
⇒ 利益相反に当たります。
ケース2 「親が自己の用途に使う目的で、未成年の子供の名において金銭
消費貸借契約を締結するために、子供の不動産に抵当権を設定する行為」
⇒ 利益相反行為に当たりません。(子供がお金を借りて、自分の不動産に
抵当権を設定するにすぎません。)
ケース3 「親が子供の学費に使う目的で、自己の名において金銭消費貸借
契約を締結するために、未成年の子供の不動産に抵当権を設定する行為」
⇒ 利益相反行為に当たります。
ケース4 「親と子供との間における、子供に有利になる遺産分割」
⇒ 利益相反行為に当たります。(親子で遺産分割協議を行うこと自体が、
親が得をして、子供が損をする可能性があるので、利益相反行為に
なります。)
微妙なケースも多いですが、判例は『利益相反行為であるかどうかは、
行為の外形から客観的に判断すべきであって、親権者の意図や動機から
判断すべきではない。』(最判昭53.2.24) [外形標準説]
⇒ 「行為の動機」「目的」「結果」を判断材料にいれてはいけません、
ということです。
なお、親権者が「利益相反行為」を行った場合には、『無権代理行為』と
なり(最判昭46.4.20)、効果は「本人(子供)」に帰属しません。
そして、子が成年になった後には「追認」することができ、追認があると
当該行為の時に遡って効力を生じます。
とはいえ、親子間で売買等「利益相反」に該当する行為をする予定となった
ときは、「特別代理人」の選任を家庭裁判所に申し立てることが必要です。
今回は、以上です。
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★リーガルリテラシーとは、
「自身の身や権利を守るための、最低限の法知識」
です。