富太郎の『ちょこプレ2』2024.11.3

富太郎の『ちょこプレ2』2024.11.3

記事
コラム
富太郎が気の向くままに、再び「ちょこっとプレゼン」させていただきます。
誰かのお役に立てば、幸いです。

今回のお題「管理不全土地管理命令」

 前回のお題「所在不明土地(建物)管理命令」が発せられるのは、不動産の
所有者が、調査を尽くしても知ることができなかったり、又はその所在を知る
ことができない場合でした。

 一方、不動産の所有者が判明している場合でも、所有者による管理が適切に
行われず、荒廃・老朽化によって危険を生じ管理不全状態にある土地・建物
は、近隣に悪影響を与えることがあります。

 このような危険な管理不全状態にある不動産については、従前から「物権的
請求権」や「不法行為に基づく損害賠償請求権」等の権利に基づき、『訴えを
提起して判決を取得し、強制執行をする』ことによって対応が行われてきまし
た。

 しかし、管理不全状態にある『不動産の所有者に代わって管理を行う者を選
任する仕組み』が存在しなかったことから、管理不全状態にある不動産につい
て『継続的な管理』を行うことができず、実際の状態を踏まえて適切な管理措
置を講ずることが困難であるという問題がありました。

 そこで、令和3年の民法改正により、管理不全状態にある土地・建物につい
て、利害関係人からの請求に基づき、裁判所が管理人による管理を命ずる処分
を可能とする『管理不全土地・建物管理制度(民法264条の9~264条の14)』が創設され、管理人を通じて適切な管理を行い、「管理不全状態を解消」する
ことが可能となりました。

 「管理不全土地」を例に、ポイントをあげます。
    [ ]内は、前回取り上げた「所有者不明土地」のケースです。
(1) 裁判所の管理命令 (要件)
 ① 利害関係人の請求があること  [同]
 ② 所有者による土地(建物)の管理が不適当であることによって他人の
  権利又は法律上保護される利益が侵害され、または侵害されるおそれが
  あること
   [所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない土地
   (建物)であること]
 ③ 管理の必要が認められること  [同]
 ④ 裁判所が当該土地(建物)の所有者の陳述を聴くこと
   [裁判所が所定の事項を公告し、公告から一定の期間内に当該土地
   (建物)の所有者から異議の届出がないこと]
 なお、裁判所の管理命令の効力は、対象の土地にある動産(土地所有者の所
 有するもの)にも及びます。  [同]

(2) 管理不全土地(建物)管理人
 ① 裁判所は、「管理不全土地(建物)管理命令」において、『管理不全土
  地(建物)管理人』を選任します。  [同]
 ② 管理人に土地(建物)その他の物の「管理処分権」が有します。
所有者は、「管理処分権」を失いません。
        [管理人に土地(建物)その他の物の「管理処分権」が専属します。
   = 所有者は、「管理処分権」を失います。]
 ③ 管理人は、「保存行為」及び「性質を変えない範囲内における利用改良
  行為」の範囲を超える行為 [例:売却等の土地(建物)の処分] を行うには、
裁判所の許可を得ることが必要です。 [同]
裁判所は、許可をするときには、所有者の同意が必要です。
   [所有者の同意は不要(所在不明なので、同意の取りようがない)]
 ④ 管財人には『善良なる管理者(善管)注意義務』があります。

 ごみ屋敷問題や、過疎地域の相続問題等の解決に活用されることが期待
されます。

今回は、以上です。 
過去のブログも、ぜひご覧ください。   富太郎

★リーガルリテラシーとは、
「自身の身や権利を守るための、最低限の法知識」
 です。 
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す