富太郎が、気の向くままに、「ちょこっとプレゼン」させていただきます。
誰かのお役に立てば、幸いです。
今回のお題「プロ野球の監督は委任契約か?」
巨人の原監督が辞任して、阿部新監督が誕生しました。
原前監督は3年契約の3年目を残していたので、残りの1年分の報酬は
支払われるのかどうかが、一部で取りざたされていました。
原監督は「辞任」でしたが、昔の某中日監督のように「解任」だったら、
結果はどうなのか。結局は『契約内容による』というのが結論のようですが、
会社法に、同じような論点のお話が出てくるので、ご紹介します。
会社法339条 【解任】
① 役員及び会計監査人は、いつでも、株主総会の決議によって解任する
ことができる。
② 前項の規定により解任された者は、その解任について正当な理由が
ある場合を除き、株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を
請求することができる。
この条文の解釈については、「会社と取締役は当事者の信頼関係を基礎と
する『委任関係』にあり、取締役を解任すること自体に正当な理由を必要と
しない。 ただし、「株主に解任の自由を保障すること」と「取締役の任期に
対する期待を保障すること」との調和を図る趣旨から、正当な理由なく取締役
を解任された者は、会社に対して、解任によって生じた損害賠償を請求する
ことができる。」とされているようです。
判例(東京地判平8.8.1)は、解任についての「正当な理由」とは、当該
取締役に経営を行わせるにつき障害となるべき状況が客観的に生じた場合を
いう。主観的に正当な理由があると考えていても、正当な理由は認められ
ない。」と判示しました。
なお、経営上の判断に失敗があり会社に損害が生じたが、経営判断の原則
から任務懈怠責任を基礎づける善管注意義務違反までは認められないと判断
される場合(例えれば、Bクラスに沈んだけど、監督の責任とは言えないような
ケース)において、「正当な理由」が認められるかについては、学説も見解は
分かれているようです。
最後に、いつもの司法書士試験の過去問です。 民法 平成5-7-ア
『委任者は、いつでも委任契約を解除することができるが、受任者は、やむを
得ない事由がなければ委任契約を解除することはできない。』
答え × (委任においては、各当事者はいつでも委任契約を解除することが
できる(民法651条1項)。 これは、委任が当事者間の人的信頼関係を基礎と
する契約であるから、相手方が信頼できなくなったにもかかわらず委任を
継続させることは、双方にとって耐え難く無意味であるので、特別な理由が
なくとも、委任者・受任者双方から自由に解除できることにしたもので
ある。)
いやぁ、プロの世界は厳しいですね。 頑張れ、阿部新監督!
今回は、以上です。 過去のブログも、ぜひご覧ください。 富太郎