(再) 創業のためのメソッド 7

(再) 創業のためのメソッド 7

記事
ビジネス・マーケティング
第1編は「創業計画書作成」編です。
第7回『創業計画のつくり方⑤』

日本政策金融公庫 国民生活事業 の
「創業の手引き」に沿って、説明しています。
手引きは、公庫のHPから入手できます。

今回は、「9 資金計画」を説明します
 (「創業の手引き」は19ページです。)  

 『必要な資金と調達の方法』とあります。
表の左側が、『必要な資金』 = 何にいくら必要か? ・・・(1)  
表の右側が、『調達の方法』 = どのように用意するか? ・・・(2)  
(1)の金額と、(2)の金額は一致させます。

(1) 必要な資金(「総投資額」を見える化します。)  
必要な資金は、①「設備資金」と、②「運転資金」とに分けて考えます。
① 「設備資金」 ~ ポイント:必要最低限に抑える。
 (店舗、工場、機械、備品、車両など→内装工事費、入居保証金なども。 
 減価償却の対象となるもの、固定資産に計上されるものを記入する) 
 ・考え方は、ⅰ 利益にどれだけ貢献しそうか      
               ⅱ 「必要なモノか」「(あったらいいなの)欲しいモノか」                              ⅲ 「より安い代替品」や「中古品」ではだめか 

 ・妥当性 ⅰ 家賃や内外装工事の単価は、周辺相場と比べて高くないか?            (内装なのに、その単価だと新築できるのではないか?)
       ⅱ 事業(計画)規模と比べて、過大ではないか?          (借入の返済負担と、予測収支がアンバランスではないか?) 
  → どう考えても見積金額が大きすぎると思われる相談者が、
         時々いらっしゃいました。理由を聞くと「実は、公庫さんは申込
         金額を削るので、多めに申し込んだ方がいいと知人に言われ
         たので。」とのこと。
         私が働き始めるずっと前、50年くらい前には、公庫も資金が
         不足して満額融資が難しかった時代があったらしいとの話は、
         聞いたとはありますが、今は必要な資金を理由もなく削ること
         はありません。

         これだけ掛けたら、返済が厳しいだろうというケースでは、  
         設備内容の見直し等により、減額の相談はあり得ますが。
   多すぎるから、減額(提案)する。減額されるから、多く申 込む。
        卵と鶏状態ですが、「資金手当て」「収支計画」との『整合性』が 
        重要でしょう。

② 「運転資金」 ~ ポイント:ゆとりを持たせる。 
   (商品仕入れや、人件費・経費等の支払いのため手元に置いておく資金。
      固定資産に計上できない、店舗の礼金や仲介手数料も
      運転資金算入します。)

・考え方は、ⅰ 「資金ショートを防ぐ」ために必要な資金も考慮する。

      〇 軌道に乗るまでのまでに必要な赤字補填資金。
                       借入金返済、税金支払いなどに必要な資金(つなぎ資金) 
       (公庫で発行している「新規開業白書」によると、開業後、
        黒字になるまでに平均6か月以上かかっているそうです) 

      〇 予測収支や取引条件から推測した支払いが先行する資金 
        (売上、原価の変動や回収、支払い条件によって必要とな           る資金。第5回で説明した「損益」と「キャッシュフロー」         の違い等から発生する。) 
      ⅱ 自己資金等、返済負担の発生しない資金を確保し充当する 
          ⇒ 表の右側『(資金)調達の方法』とも深く関連。   
今回も『真夜中のパン屋さん(注)』”くれさんの店”を事例にしてみましょう。

”くれさんの店”の最寄り駅は三軒茶屋で駅から少し離れた住宅街にあります。 
物件は、亡くなった奥さん名義なので、家賃や保証金はかかりません。
建物は、 少し古いので改装費は、相場より多くかかるかもしれません。 
 ちなみに、インターネットで三軒茶屋の貸店舗を検索したところ、パン屋の居抜き物件が2件ヒットしました。 
物件① 三軒茶屋駅徒歩4分 13.5坪(1F 10坪、B1 3.5坪)
    賃料 420千円(坪311千円)[成約済みのため保証金等不明]
    造作無償   
物件② 三軒茶屋駅徒歩3分 27坪(1F)、盛業中      
    賃料 760千円(坪281千円)、保証金10か月、礼金1か月、
    仲介料1か月。 造作価格 相談   
参考物件(元飲食店) 三軒茶屋駅徒歩8分 11.44坪(1F)
    賃料 220千円(坪192千円)、保証金6か月、礼金2か月   
★ 手引きの14ページに『出店場所の選定』という豆知識が載っています。
 出店場所は、売上を左右するだけでなく、家賃負担の多寡で採算を、かかる
 設備資金の金額、調達しなければならない資金をも大きく左右します。   
 いまひとつ、「居抜き」をどう考えるかです。
居抜きなので「設備資金」を 押さえることが期待できますが、同業者が店を閉めたということは、何か事情があるわけで、その理由を(極力)把握し、「自分ならその点を克服できるか」を十分に検討してみる必要があります。

現地に何度も足を運んで情報収集を納得がいくまで行うことをお勧めします。

今回のポイント   
・ 設備資金は必要最低限に、運転資金にはゆとりを持たせる   
・ 出店場所の選定は、慎重に  

次回は今回の続き、『資金調達』から説明します。
                        以上、富太郎でした。 
(注) 『真夜中のパン屋さん』
   作者: 大沼 紀子  ポプラ文庫  全6巻  
 ☆ 過去に「ブログ」に投稿した内容の再掲示です。
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