「もう気にしないようにしよう」
そう思っているのに、ふとした瞬間にまた腹が立つ。
嫌だった出来事を思い出してはイライラする。
相手に言われた言葉が何度も頭の中に出てくる。
時間が経っているのに、なぜか不満や怒りだけがずっと残っている。
そんなことはありませんか?
怒りというのは、意外としつこい感情です。
「いつまでも怒っていても仕方ない」
「もっと前向きにならなきゃ」
「許した方が自分のため」
そう考えて手放そうとしても、なかなか消えてくれないことがあります。
そんな時は、無理に怒りを消そうとしなくてもいいのかもしれません。
なぜなら、その怒りには理由があるからです。
「本当は嫌だった」
「もっと大切にしてほしかった」
「分かってほしかった」
「どうして自分ばかり我慢しなければならないの?」
「一生懸命やったのに、どうして認めてもらえないの?」
怒りの奥を見ていくと、こうした別の気持ちが隠れていることがあります。
つまり怒りは、心の一番表面に出ている感情にすぎない場合があるのです。
たとえば、誰かから理不尽なことを言われた時。
その場では我慢して何も言わなかった。
でも家に帰ってから、
「あの言い方はないだろう」
「なんであんなことを言われなきゃいけないんだ」
と、どんどん腹が立ってくる。
これは単純に怒っているだけではなく、
「本当はあの時、言い返したかった」
「自分を守りたかった」
という気持ちが残っているのかもしれません。
特に、普段から我慢することが多い人ほど、不満や怒りは心の中に溜まりやすくなります。
その場その場では、
「まあいいか」
「仕方ない」
「自分が我慢すればいい」
と飲み込むことができる。
でも、飲み込んだからといって感情そのものが無くなったわけではありません。
小さな不満が少しずつ積み重なっていきます。
そしてある時、
「なんで自分ばっかり」
という大きな怒りになって出てくることがあります。
ここで大切なのは、怒っている自分まで否定しないことです。
「こんなことで怒る自分は心が狭い」
「いつまでも根に持つ自分はダメだ」
と考えると、今度は怒りに自己嫌悪まで加わってしまいます。
まずは、
「そりゃ腹も立つよな」
「自分は嫌だったんだな」
と、自分の気持ちを認めてあげてください。
それだけでも少し違います。
そして、もう一つ見てほしいことがあります。
今感じている怒りは、本当に「今起きたこと」だけに対する怒りでしょうか?
一つの出来事をきっかけに、以前から溜まっていた不満まで一緒に出てきていることがあります。
家族への不満。
仕事への不満。
お金への不安。
自由な時間がないことへの不満。
頑張っているのに報われない気持ち。
自分のことを後回しにしている苦しさ。
いろいろなものが積み重なっていると、小さな出来事でも強く反応してしまいます。
だから、不満や怒りがなかなか取れない時は、
「この怒りを消すにはどうしたらいい?」
ではなく、
「自分は本当は何に怒っているんだろう?」
と考えてみてください。
もしかすると、目の前の相手だけが原因ではないかもしれません。
そして原因が少し見えてきたら、全部を一度に解決しようとしなくても大丈夫です。
休む時間が足りないなら、少し休む。
言いたいことを我慢しているなら、小さなことから伝える。
やることが多すぎるなら、一つ減らす。
誰かとの関係が負担なら、少し距離を取る。
自分ばかり頑張っていると感じるなら、自分にも「よくやっている」と言ってあげる。
怒りそのものを何とかしようとするのではなく、怒りを生み出しているものを一つずつ減らしていくのです。
感情というものは、「消そう、消そう」とするほど意識してしまうことがあります。
ですから、無理にポジティブにならなくてもいい。
すぐに許さなくてもいい。
「ありがとう」に変えなくてもいい。
まずは、
「自分は今、怒っている」
それを認めるところからでいいのです。
エネルギー的に見ても、長く抱えている怒りや不満は、自分自身を疲れさせてしまいます。
だからこそ、無理やり押し込めるのではなく、
「もうこれは抱えていなくてもいいかな」
と思えるところから、少しずつ手放していけばいいのです。
怒りは悪者ではありません。
「もう我慢したくない」
「本当はこうしてほしかった」
「自分をもっと大切にしたい」
そんな心の声を教えてくれていることもあります。
不満や怒りがこびりついて取れない時。
無理に剥がそうとする前に、その下に何があるのかを少し見てあげてください。
怒りをなくすことより、自分の本当の気持ちに気づくこと。
そこから少しずつ、心は軽くなっていきますよ^^