ツァイガルニク効果

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「この続きはCMの後で!」って昔よくテレビで聞きましたね。今は聞きません。何も言わずに、次が気になる場面でいきなりCMに移ります。「えーっ!」という効果音だけが先に流れて、CMに行く場合もよくあります。気になりますね。このような心理作用のことを「ツァイガルニク効果」と言います。「人は達成することができなかった事柄や、中断している事柄を、より強く覚えている(気になる)」という効果です。

ネット記事でも導入部分を無料で提供して、「ここから先は有料」というコンテンツが該当します。分冊百科と言われるデアゴステーニが、創刊号を格安にして続きを買ってもらうのもツァイガルニク効果を利用しています。あとタイトルが虫食いとか。例えば、「おすすめ栄養素、驚きの第1位は〇〇!!」なんて書いてあると続きを見たくなりますね。当然ですが、連続ドラマも続きが気になるところで終わるように作られています。「あえて中途半端なところ(不完全)で切り上げる」ことで「物事が気になる」状況を作り出すんです。ただし情報を小出しにしすぎると、相手が面倒に感じてし逆効果になることもあるので要注意。ツァイガルニク効果は恋愛でも力を発揮するそうです。特に失恋だと効果大。まさに「未完成の感情」だもんね。ちなみに「シンデレラ」のストーリーは有名な事例らしいですよ。

ここまでのまとめです。物事はキリがよいところで完了してしまうと、一息ついて気が緩みがち。だから途中(あるいは完成少し前)で終わらせると効果的。しかし私は少し違うやり方もお薦めします。完結させてから、次を少しだけ初めて終える。これは仕事や勉強に効果的だと思います。やはり仕事や勉強は節目まで完結させたい。だからまずはしっかり完了する。そのまま次の仕事の頭出しだけを少しやっておく。すると大筋が見通せる安心感を得られるし、次回のスタートもスムースで効率的。勉強も同様で、ざっくり次のセッションの概要をながめるだけで、何を学ぶのかを俯瞰(イメージ)できる。

私は読書もそうです。1冊読み終わると「ああ読み終わった」と達成感があるんですが、次を読み始めるまでに日数が空いてしまいがち。活字はエネルギーがいるから、ついテレビやスマホだけの時間が過ぎてしまう。なので、常時次に読む本を買っておき、1冊読了したら、すぐに次の本の「はじめに(序文等)」を読みます(小説の場合は第一章)。本の冒頭は魅力的なので(作者が最も重視している)、好奇心・興味をかきたて、ワクワクします。続きが楽しみ。まさに自己ツァイガルニク効果です。仕事や勉強には流れがあります。「つながり」や「のりしろ」を大切にして、良い流れにしていきたいですね。

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