ここまで相場・発注先の選び方・公開後の集客・素材準備と書いてきましたが、今日は制作前の打ち合わせで本当によく出る質問について取り上げます。それが、「WordPressって入れた方がいいんですか?」というものです。
WEB制作の相談を受けていると、ほぼ毎回この話になります。「自分で更新できるようにしたい」というご要望はとても多く、そのためにWordPressを希望される方が大半です。
ただ、正直に言うと、すべての人にWordPressが必要なわけではありません。むしろ「入れない方がよかったかも」というケースも見てきました。今日はそのあたりを、現役のフリーランスとして本音で整理してみます。
■そもそもWordPressとは何か
簡単に言うと、WordPressは「専門知識がなくても、自分でサイトの内容を更新できる仕組み」です。
ブログを書いたり、お知らせを追加したり、料金表を書き換えたり——こうした作業を、HTMLやコードを触らずに、管理画面から文章を打ち込む感覚でできるようになります。世界中のサイトの多くで使われている、定番の仕組みです。
便利なのは間違いありません。ただ、相場の記事でも書いたとおり、WordPressを入れると制作費は追加で5〜10万円ほど上乗せされます。そして、費用は制作時だけの話ではないんです。
■WordPressには「維持コスト」がかかります
ここが、意外と知られていない点です。WordPressは入れて終わりではなく、運用し続けるためのコストと手間がかかります。
・サーバー・ドメイン:月数百〜数千円(これは静的サイトも同様)
・プラグインやWordPress本体の更新:放置するとセキュリティリスクに
・不具合対応:更新が原因で表示が崩れることもある
特に注意したいのがセキュリティです。WordPressは利用者が多いぶん、攻撃の標的にもなりやすく、放置すると改ざんや乗っ取りの被害に遭うことがあります。「作ったあと一度も更新していない」状態は、実はかなり危ない状態なんです。
つまりWordPressは、車に例えるなら「買ったあとの車検やメンテナンスがある」ようなものだと思ってください。
■更新しないなら、静的HTMLで十分です
では、どう判断すればいいのか。私の基準はシンプルです。
「月に1回以上、自分で更新する予定があるか?」
これがイエスなら、WordPressを入れる価値は十分あります。ブログで集客したい、お知らせを頻繁に出したい、という方には強くおすすめします。
逆に、「会社情報を載せておければ十分」「数年に一度しか変えない」という場合は、静的なHTMLで作った方が安く、速く、しかも安全です。維持の手間もほとんどありません。前回の集客の記事で「更新し続けることが大事」と書きましたが、裏を返せば、更新する気がないならWordPressの強みは活きないということです。
ここを見栄やなんとなくの安心感で選んでしまうと、「使わない機能に毎月お金と手間を払い続ける」ことになりかねません。
■「後から入れる」という選択肢もあります
「今は更新しないけど、将来はやるかも」という方も多いと思います。その場合、無理に最初から入れる必要はありません。
相場の記事でも触れましたが、最初は静的HTMLで安く作っておいて、本当に必要になったタイミングで後からCMS化(WordPress化)することもできます。やってみて「やっぱり更新は面倒だった」となるケースも実際にありますから、まずは小さく始めて、必要になったら足す——この順番が、結果的に無駄が少ないと感じています。
■おわりに
WordPressは便利な道具ですが、あくまで「自分で更新したい人のための道具」です。大事なのは、流行や周りの声ではなく、ご自身が実際にどう運用するかで決めることだと思っています。
私のサービスでは、「うちの場合、WordPressは必要?」というご相談から承っています。静的サイト・WordPressのどちらも対応していますので、運用イメージをお聞きしたうえで、無理のない方をご提案します。お見積りとご相談は無料です。これまでの記事(相場・選び方・公開後の運用・素材準備)と合わせて、発注前の判断材料にしていただけたら嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。