「緊急事態宣言」は買い材料なのか!? 新型コロナウイルスの感染拡大下での株高を考える

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マネー・副業

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で2021年の相場が始まったが、年初に大きく売られた後は堅調な展開となっている。何と言っても緊急事態宣言が発出されるなかで大きく上昇する相場となっており、新型コロナウイルスの経済への影響が懸念されるというよりは緊急事態宣言が発出されることで新型コロナウイルスが終息するといういう期待が高まっているということなのかもしれない。
テレビなどでは昨年の緊急事態宣言時よりも商業地区などでの人手が多いとか、新型コロナウイルスの変異種の感染爆発が懸念され、緊急事態宣言の効果が期待できないなどという報道もされているが、株式市場は特にそうしたことを問題視することなく、堅調な地合いが続いている。米国でも感染拡大が続く中での株高となっており、特に新型コロナウイルスの経済的な影響を石kしているということもないようだ。先週末の米雇用統計の数字も決して芳しいものではないのだが、株価にはほとんど影響がないような感じだ。
テレワークの普及や休業要請が飲食店などにとどまっていることなどで経済へのダメージが少ないといわれているが、経済的な影響というよりは心理的な面が大きいと思う。昨年の例をそのまま当てはめるというわけにもいかないのかもしれないが、昨年も緊急事態宣言が実際に7都府県に発出された4月7日からは株価は強含みに推移している。昨年2月16日に緊急事態宣言が全国に拡大されたときでも特に大きく株が下落するということでもなかった。結局、5月14日に8つの都道県を除き緊急事態宣言が解除され、その後21日に3府県、25日には全ての都道府県で解除となったが、その間大きく株価は下落することなく上昇が続いた。
上昇が続いた要因としては昨年は給付金などの経済支援策が行われたこと、そして3月に想定された以上に大きな下落となっていた反動などがあげられる。さらに、「在宅」ということでインターネット取引などを通じて新規に株式市場への参加者が増加したと思われることも株高の大きな要因となった。
今回の緊急事態宣言は昨年ほど厳しいものでないこともあり、特に問題視されておらず、昨年同様に楽観視しているが、昨年とは違い大きく上昇した後の緊急事態宣言だけに逆に緊急事態宣言後の状況を過大に織り込み過ぎているのではないかと思う。緊急事態宣言の効果が薄いという見方もあるが少数派となっているようで、世界的な金余り下では株高が続くという見方の方が多いようである。
ただ、足元の業績だけでなく、先行きの業績までも既に織り込み過ぎているような銘柄も多く、今回の緊急事態宣言がさらに強化、長期化するという懸念も見られると思う。実際に米国では追加の失業給付金のおかげで特に問題視されなかったが、12月の雇用統計の数字も芳しいものではなく、特に非製造業の景況感は悪化しており、感染拡大が早期に収まらないことには買われすぎの修正は見られるだろう。
ワクチン接種の始まりなどが期待されているが、実際にワクチンの効果が表れるのも先の話であり、ここからさらに感染拡大が止まらないようであれば、経済への影響も少なくはないと思う。前回の緊急事態宣言よりも休業要請などが緩いことや経済支援策が充実していることから逆に「巣ごもり消費」や「テレワーク」などの「新生活様式」への需要が減退しているのではないかと思う。実際に株式市場では昨年4月や5月の上昇過程では「巣ごもり消費関連銘柄」や「テレワーク関連銘柄」そして「新生活様式関連銘柄」などが物色されるという状況だった。さらに大きく下落した後の上昇ということで、それなりに株価が上昇する要因が分かりやすかった。
今年は昨年と同じように緊急事態宣言での株高となっているが、新たに「新生活様式関連銘柄」が買われるというようなことでもなく、昨年よりも株高の要因がはっきりとしていないような気がする。さらに実際に感染拡大が止まったという実態があっての株高であり、今年とは明らかに様子が違うと思う。既に新生活様式での業績好転を織り込んで株価の水準が大きく上昇しているものが多いだけに、昨年同様に感染拡大が止まると目に見えてこなければ買われすぎからの修正安となるのではないかと思う。
逆に今回程度の緊急事態宣言で新型コロナウイルスが終息したとなると、昨年のような自粛からの反動での消費や新生活様式に対しての消費が減少するということなる。そして来年度の業績回復がどこまで株価に織り込まれているのかを計ることになり、買われすぎているものは売られ、売られすぎているものが買われるということなるだろう。その結果日経平均は買われすぎているものが多いとして調整となるのではないかと思う。
さらに少し先の話になるが経済対策などの終わり、そしてさらに金融緩和の出口などが取り沙汰されることになればバブルが崩壊するということになるだろう。ただ、ここ数年積み立て投資やAI投資などが注目されており、こうした積み立て投資は株価指数連動型で買うことが多く、株価指数自体は堅調な地合いが続くのではないかと思う。特に株価指数に影響の大きな銘柄で浮動株が少ないような銘柄は業績とは関係のない株価が付く可能性も高いだろう。
日経平均は28,000円を超えてきたが緊急事態宣言の強化懸念などが取り沙汰されれれば、さすがに上値は重くなりそうだ。昨年同様に新型コロナウイルスの感染拡大の状況などを睨みながら、冴えない展開となりそうだ。目先的には27,500円~600円水準が下値めどとなり、上値は28500円までは届かないのではないかと思う。
注目される銘柄としては引き続き明治HD(2269)や日清食品(2897)など食品株だが、rakumo(4060)のような、昨年新規上場してから大きく売られ、底堅さがみられた銘柄の戻りも注目される。