初投稿です。私はフリーランスのライターをしています。雑誌の業務委託で原稿料未払いにあって、すでに1年以上が経過しました。未払いは短期回収が一番といわれているだけに、すでに回収の糸口が途絶えてしまっているため、これまで私がやってきた未払い回収のことを書き記したいと思います。
原稿料の未払い金額は約80万円。制作会社の取締役が突然「次号の発売はちょっと待ってほしい」と呟いたところから始まります。未払いは、私だけではありません。編集者、ライター、スタイリスト、ヘアメイク、モデル、デザイナーなど、たくさんの雑誌に関わった人たちが被害にあいました。
まず、フリーランスの人が未払いに被害にあったら、すぐに取り組んで欲しいのが必要な書類を用意すること。契約書(あれば)や請求書、納品書など会社との取引関連の書類です。そして、納品した原稿やイラスト、デザインなど。
それが掲載されたものであれば、製作物も証拠になります。
業務委託で仕事を請け負っている場合、親会社は下請会社(個人も同様)に60日以内に支払わなくてはいけない下請法というものがあります。納品した事実があれば、下請法違反になります。
まずは、電話で支払いの催促をします。
次に、メールで催促します。
何度繰り返してもダメな場合は、内容証明を郵送で送りましょう。
それでも、対応してもらえない場合は支払督促か民事訴訟になります。
ですが基本的には、債権回収は示談交渉で和解が望ましいと思います。しかし、中には納品した作品にクレームをいって支払いを拒否したり、減額してくるというクライアントもいます。
強い口調で高圧的にいうことで怖気付いて、交渉できなくなる人もいるのではないでしょうか。そんなときはみなさんすぐに『弁護士』を連想されますが、弁護士費用はとても高いです。
弁護士費用が相談30分で5000円~(無料の場合もある)、着手金10万円、報酬は回収額の10~20パーセントという高額です。未払い金額をはるかに超えてしまう人もいるでしょう。
法テラスなどの法律の無料相談所、区の無料法律相談もありますが、あなたがもしクリエーターに属するのフリーランスであれば、出版労連という手があります。編集者、ライター、校正者、デザイナー、イラストレーター、カメラマンは、出版労連の出版ネッツに属します。
出版ネッツは正式名称をユニオン出版ネットワークといい、出版労連(日本出版労働組合連合会)に加盟しています。出版関連産業でフリーランスとしてはたらく編集者、ライター、校正者、デザイナー、イラストレーター、カメラマンなど自立した職能人のユニオンです。
(出版ネッツHPより)
ここに加入すると「トラブル対策チーム」の専任者が、示談交渉に当たってくれます。組合費が月額2,000円(新規月は5,000円)。
弁護士費用よりも月額の方が払えるなと思って、私も相談に行きました。その後の会社訪問や示談交渉も、トラブル対策チームの専任者2名がつきあって交渉してくれます。相手側が感情的なもの言いになっても、論理的に答弁してくれるのが、とてもありがたい。
個人事業主はひとりでやらなくてはならないので、不安がつきもの。負けそうな気持ちのときもバックアップしてくれるので、負けずに戦えます。
もしひとりで交渉するのが怖くて、泣き寝入りしてしまったという人は、このような組合があることを覚えておいて欲しいです。また、最近ではWeb系ライターも増えているので、フリーランスに対応した保険も作られています。
とくに女性は『幻冬社の編集者箕輪氏の原稿料未払いセクハラ問題』のように、下請けであるがゆえ、パワハラやセクハラを受けるという事実も多いです。セクハラもパワハラも犯罪です。ひとりでは勇気が必要ですが、背中を押してくれる仲間がいることで前に進むこともできます。諦めないでください。
また、上に書いた支払督促というのは、個人で裁判所に申し立てをすることができます。トラブルではなく一方的な未払い被害にあっている場合は、訴訟よりも費用が安く、裁判をしないで回収できる方法です。
支払督促を申し立てても相手から支払われない場合は、仮執行宣言を申し立てることで強制執行の手続をとることができます。これによって、相手側の口座を差し押さえることができるのです。
もし個人で支払督促を申し立てたら、相手から支払うという連絡がくるかもしれません。相手は銀行口座を差し押さえられると、入出金ができなくなるため「支払うから取下書を提出して欲しい」など交渉してくるかもしれません。
「月末の取引先の入金で支払う」など、いろいろいわれるかもしれませんが、口座は即日差し押さえできるわけではありません。手続きも必要なので、それまでに確実に入金されるように交渉するのが一番です。
取下書を提出してしまうと、差し押さえることはできません。まして、相手が確実に支払うという保障もないので、安易に応じないようにしましょう。
支払督促に相手が意義申し立てをすると、民事訴訟になります。民事訴訟になると、
①原告と被告に裁判所への呼び出し状
②相手からは答弁書が返ってくる
裁判では、原告側の訴状に書かれている内容を聞き、それに対して被告側が答弁書を作成して、その内容を確認します。答弁書の中に抗弁があれば、再抗弁という答弁の繰り返しを経て、裁判の判決を待ちます。
裁判になると回収までの道のりが遠くなります。
自分でできることは、電話催促・内容証明・支払督促です。段階を踏んで相手と交渉して、支払いをしてもらってください。
ネット上で相手側の会社に不利益な情報を漏洩したり、誹謗中傷のような書き込みをすると、名誉毀損で訴えられる可能性もあります。ひとりで難しいと思ったら、組合や弁護士の力を借りてみるのもひとつの手です。