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コラム
「学校に行きたくない」と言われた朝、親が最初に捨てるべきもの
記事
コラム
育児・不登校・海外子女相談専門 奥村直之
2026/07/11 10:17
―正解探しより先に、子どものSOSを受け止める―
朝、子どもが突然言います。
「学校に行きたくない」
その瞬間、親の頭の中には、いくつもの不安が押し寄せます。
どうして。
何があったの。
いじめなの。
先生と何かあったの。
勉強が嫌なの。
このまま不登校になるの。
仕事はどうするの。
将来はどうなるの。
親として動揺するのは当然です。
でも、この場面で最初に捨てた方がいいものがあります。
それは、「すぐに正解を出さなければならない」という思いです。
子どもが「学校に行きたくない」と言ったとき、親は理由を聞きたくなります。
「なんで?」
そう聞きたくなります。
けれど、不登校の入り口にいる子どもは、自分でも理由が分かっていないことがあります。
ただ朝になると苦しい。
教室を想像すると体が固まる。
制服を見ると涙が出る。
学校の話をされるだけで息が詰まる。
でも、それをうまく説明できない。
そんな状態の子に、
「なんで?」
と聞くと、子どもは答えを作らなければならなくなります。
答えられないと、責められているように感じます。
「理由が言えないなら、行かなきゃいけないのかな」
そう思って、黙り込んでしまう子もいます。
また、親はつい言ってしまいます。
「今日だけ頑張ろう」
「行けば何とかなるよ」
「保健室だけでも行ってみたら」
これも、親の愛情から出る言葉です。
でも、子どもにとっては、
「やっぱり分かってもらえなかった」
と聞こえることがあります。
学校に行きたくないと言ったのに、学校へ行く方向に話を戻される。
その瞬間、子どもはもう本音を言えなくなることがあります。
最初に必要なのは、解決ではありません。
まず受け止めることです。
「そうなんだ」
「今、そう感じているんだね」
「話してくれてありがとう」
「今日はどうしたら少し楽かな」
それくらいでいいのです。
曖昧に見えるかもしれません。
でも、不登校の初期には、この曖昧さが子どもを守ることがあります。
すぐに肯定しすぎない。
否定もしない。
問い詰めない。
結論を急がない。
子どもの言葉を、いったん置いておく。
その余白が大切です。
もちろん、ずっと何もしなくていいわけではありません。
欠席が続くなら学校と相談する必要があります。
体調不良が強いなら医療機関も考える必要があります。
いじめやトラブルがあるなら、安全確認が必要です。
でも、最初の朝にすべてを解決しようとしなくていいのです。
子どもは、親に完璧な答えを求めているのではありません。
まず、自分の苦しさを否定されないことを求めています。
「言っても大丈夫だった」
この経験が、次の会話につながります。
不登校の支援は、そこから始まります。
私は、子どもが「学校に行きたくない」と言った朝、大人が最初にすべきことは、説得ではないと思っています。
理由を聞き出すことでもありません。
まず、その子のSOSを消さないことです。
学校へ行くかどうかの前に、子どもの心が安全であること。
その土台があって初めて、次の一歩を一緒に考えることができるのだと思います。
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