―親子の負担を減らすための相談事例と伝え方サンプル―
不登校や行き渋りが始まると、親は学校とのやり取りにも大きな負担を感じます。
欠席連絡。
プリントの受け取り。
面談や家庭訪問。
登校時の配慮。
給食、授業、行事、通知表、写真掲載。
一つひとつは小さなことに見えても、子どもが不安定な時期には、親子にとって大きなストレスになることがあります。
学校へ相談するときは、感情的に訴えるよりも、「何に困っているのか」「どうしてほしいのか」を具体的に伝えることが大切です。
以下は、不登校・行き渋りの際に学校へ伝えられる例文です。
CASE1
毎日の出席・欠席の連絡を負担なく行いたい
出席欠席の連絡方法について
毎朝の電話連絡が親子の負担になっている場合は、連絡方法や頻度を学校と相談してよいです。
文例
出席する日だけメールします。
欠席する日だけLINEします。
CASE2
プリントを学校に取りに行くのが大変
プリントの受け取り方法について
プリントを毎回学校へ取りに行くことが負担になる場合は、受け取り方を相談します。
文例
データ形式でメールでお送りください。
週に1回まとめて取りに行きます。
CASE3
面談や家庭訪問に対応できない
面談や家庭訪問について
子どもが不安定な時期には、面談や家庭訪問そのものが負担になることがあります。
文例
子どもの状況が落ち着くまではお控えください。
必要な場合はこちらからご連絡します。
CASE4
登校した際の子どものストレスを軽減したい
登校時に配慮をお願いしたいこと
久しぶりに登校できたとき、過剰に注目されたり、大きな声をかけられたりすると、子どもが負担を感じることがあります。
文例
怒鳴り声が苦手です。配慮をお願いします。
登校したことを過剰に褒めるなどはやめてください。
CASE5
行き渋りの原因が給食にあるようだ
給食について
給食の時間、食べる量、食べる場所、時間内に食べることなどが負担になっている場合は、具体的に相談します。
文例
給食を時間内に食べるのが難しい状況です。保健室で食べられるようにするなどの配慮をお願いします。
当面は給食を取らずに下校します。
CASE6
授業に集中したり発表するのが苦手
授業について
授業中の集中、発表、音読、指名などが強い負担になる子もいます。
文例
本人の状態により途中退出を認めてください。
音読は当てないでください。
CASE7
本人の負担が大きい教科がある
教科の選択について
すべての授業に参加することが難しい場合は、負担の大きい教科を避ける、参加する教科を絞るなどの相談ができます。
文例
体育の時間は図書室などで過ごさせてください。
当面は算数と図工のみ出席します。
CASE8
出席扱いの特例措置を相談したい
出席扱いについて
学校以外での学習や自習を、出席扱いとして認めてもらえるか相談したい場合の伝え方です。
文例
オンライン学習を出席扱いにしてください。
児童館での自習を出席扱いにしてください。
CASE9
苦手な先生との関わりを減らしたい
教職員との関わり方について
特定の先生との関わりが子どもの負担になっている場合は、窓口を変える相談もできます。
文例
○○先生との接触がないようにお願いします。
○○先生ではなく、他の先生を窓口にしてください。
CASE10
一斉下校に参加しなくてもいいようにしたい
下校方法について
一斉下校や集団での下校が負担になる場合は、個別下校や保護者の迎えを相談します。
文例
保護者が迎えに行きます。
時間差で個別下校させてください。
CASE11
進級して環境が変わることに不安がある
進級時の配慮
進級時のクラス替えや担任変更が不安材料になる場合は、事前に配慮をお願いできます。
文例
行き渋りの原因になった○○さんとは別のクラスにしてください。
次の担任の先生に状況を共有してください。
CASE12
通知表で子どもがショックを受けないようにしたい
通知表について
通知表が子どもの自己否定感や不安を強める場合は、渡し方や扱いを相談できます。
文例
通知表は不要です。
子どもには渡さないでください。
CASE13
運動会への参加が気が重いようだ
運動会について
運動会は、不登校や行き渋りの子どもにとって大きな負担になることがあります。
文例
徒競走には参加しません。
運動会は欠席または保護者席で見学する可能性があります。
CASE14
写真やビデオへの写り込みを避けたい
肖像利用について
学校行事の写真、動画、ホームページ掲載などに不安がある場合は、事前に伝えておくことが大切です。
文例
本人が写らないよう配慮してください。
掲載前に確認させてください。
学校へ伝えるときのポイント
学校へ相談するときは、長く説明しすぎなくても大丈夫です。
大切なのは、次の三つです。
今、何に困っているのか
子どもにどんな負担があるのか
学校に具体的に何をお願いしたいのか
「ご迷惑をおかけしますが」
「本人の状態を見ながら」
「当面の間」
「必要に応じてこちらから連絡します」
こうした言葉を添えると、学校側にも伝わりやすくなります。
不登校や行き渋りの対応は、家庭だけで抱えるものではありません。
学校と相談しながら、子どもにとって負担の少ない形を一つずつ整えていくことが大切です。
無理に全部を通常通りに戻そうとしなくてもいいのです。
連絡方法を変える。
プリントの受け取り方を変える。
登校時の声かけを変える。
授業や給食や行事の参加方法を変える。
小さな調整が、子どもの安心につながることがあります。
学校にお願いすることは、わがままではありません。
子どもがもう一度、安心して学校や学びとつながるための大切な環境調整なのです。