天下の事、固より順逆無く、我が心に順逆有り

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『余意(おも)う、「天下の事、固より順逆無く、我が心に順逆有り」と。我が順とする所を以て之れを視れば、逆も皆順なり。我が逆とする所を以て之れを視れば、順も皆逆なり。果して一定有らんや。達者に在りては、一理を以て権衡(けんこう)と為し、以て其の軽重を定むるのみ。』(言志録より)

《意訳》世の中の物事については元々順調だとか逆境だとかが決まっているのではなく、順調か逆境かは私の心の中で決まるものだ。私が順調だと思っていれば、それは順調なのであり、逆境だと思えばそれは逆境なのである。順調か逆境かは特定の定理で評価するものではない。達人は自分の基準ではなく道理で物事を見定めて評価するものだ。


私達は物事がうまく行っている時は、実際以上に自分の力を過大評価してしまい、またダメな時には必要以上に落ち込んでしまったりします。また自分が良いと思っていても他の人からの評価は違うこともあります。そのような曖昧な基準では自分を正しく評価することはできず、それは自己を成長させる妨げになってしまうこともあるでしょう。

客観評価とは難しいものですから、物事が始まる冷静なうちに目標を定め、その基準に従って評価するようなことを繰り返すことが大切なのであり、達人だとか名人だとか呼ばれるような人たちはきっとそのような努力を繰り返すことができる人なのでしょう。誰もがそんなトップランナーになれるわけではありませんが、自分自身を成長させるためには”達人の習慣“の一部でも取り入れたいものです。

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