『祈理狐』との出会い①

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はじめまして。霊媒師、桐谷 静と申します。
これから私がどのように霊媒師となったか、そのきっかけとなる出来事ついてお話します。


まずは祖父の話をさせてください。

『祈理狐』、祖父は彼女のことを、そう呼んでいました。
小学生の頃、町工場をしていた祖父の話を聞くのが好きでした。手先が起用な祖父は一代で電気部品関連の会社を立ち上げ、社員20人ほどのそこそこの規模を営んでいました。
堅物な社長の顔とは裏腹に、孫にはとても優しい祖父でした。
末孫の私は特に可愛かったようで、私は祖父からもらえるお菓子と昔話が大好きでした。

いろんな話をしてくれた祖父ですが、子供心にとても印象に残った話がありました。

祖父は大東亜戦争(太平洋戦争のこと)に出兵していました。
まだ成人もしていない頃だったそうです。
体は小さいものの、記憶力がずば抜けていた祖父は、その記憶力の良さから当時の上司である下士官の補佐役として秘書のような役割を与えられ、前線に行くことは免れました。
祖父の配置先は、物流拠点の要で、今で言うロジスティクスの仕事でした。
いろんな軍需物資や人員を効率よく配置していくのです。
そういう場所なので、ものだけでなく人の行き来もたくさんあった場所でした。

当時は戦時中で物資もままならない時代でした。祖父はその役得で物資には困らない生活でした。
しかし行き交う人の中にはその日の食料も事欠くような兵隊たちも大勢いたと言います。

祖父は仲良くなった兵隊に善意の範囲でこっそり自分の物資を分け与えたりもしたそうです。
そんな噂を聞きつけたのか、1人の兵士が切羽詰まった様子で祖父に懇願してきました。
彼が頼んだのは食い物ではなく、手紙でした。手紙を検閲なしで送ってほしいと。
中身はわからないけれど、この時代に検閲を避けようとするものなどろくなものではありません。
お人好しの祖父ですがこのときばかりはこう言いました。
「素性の知らないあなたのやばい頼み事で面倒に巻き込まれるのはご免だ、あしからず」

するとその兵士はピクッとその言葉に反応しました。

「素性をしらないですって?それは見当違いですよ。あなたのことをあなたより私は知っている」

その回答に祖父は気味が悪くなりました。しかし好奇心を抑えきれず、「ほう?では教えて下さい。私が何なのかを」

すると兵士はこれから行うことを他言しないよう、強く念押しをし、祖父が約束すると、ある儀式を行いました。

その儀式のあと、兵士はなにかに取り憑かれたように語り始めました。

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