『祈理狐』との出会い②

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祖父の家族の名前やどんな暮らしだったか。それらはすべてそのとおりでした。
それどころか、思春期の祖父には絶対に知られたくなかった祖父の想い人のことまで言い当てました。
祖父は背筋が凍る思いだったそうです。
兵士に特別な力があったことは明らかでした。
いつの世もそうですが、乱世の戦時中です。「情報」がどれだけの意味を持つか、想像に及びません。

祖父はその力が欲しくてほしくてたまらなくなりました。
そして取引を持ちかけました。
「あなたの頼みである手紙をリスクを承知で引き受ける。その代わりにあなたの能力について自分にも教えてほしい」

兵士は困った顔をしましたが結局取引を飲むほかありませんでした。

それから教えてもらったのは今で言うコックリさんを呼ぶ儀式に似たものでした。
儀式を行い、あるものを降臨させ、それと対話することで「情報」を得たのでした。
兵士はそれを『祈理狐』と呼んでいました。
コックリさんは『狐狗狸』と書きますが、いわゆる動物など低属性の霊を降臨させる儀式ですのでいたずら程度の情報しか得ることはできません。

コックリさんと決定的に違う点が3つ。
兵士が言う『祈理狐』は人以上の知性を持つので「情報」が明確に霊媒師(儀式を行うことができる人)に伝わります。
次に『代償』を伴うことです。必ず供物が必要なのです。
最後は『一子相伝』であることです。

彼女は1人の霊媒師が呼んだものにしか憑くことがありません。兵士が困ったのはそのためでした。
血族であることが必要なのです。
そこで兵士はまた『祈理狐』と対話をしました。その結果、禁術とも言える兵士と祖父の血液の交換と兵士に代償を払わせることで『祈理狐』を譲り渡すことができることになりました。

幸い休暇を与えられていたので2週間、『祈理狐』の召喚の修行をしました。
『祈理狐』を呼び出すことができるよう、いろんなアドバイスを兵士から受けました。
しかし一向に『祈理狐』を呼び出すことができませんでした。
それでも必死に兵士が協力してくれたので、結局力を得ることはできませんでしたが父は兵士の頼みを聞いてやりました。
兵士が去っても修行を続けた祖父は1週間後、『祈理狐』を呼び出すことに成功しました。
その時『祈理狐』が払わせた代償とは何なのか、祖父は知ることになります。

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