こんにちは。
「アステラ法務コンサルティング」の"たくえい"です。
私たちは長崎県平戸市・佐世保市を拠点に、古民家や空き家の修繕・保全、相続・名義変更・所有者不明土地の手続きをサポートしています。建築と法務の視点から、家と家族の物語を未来へつなぐための情報を発信しています。
【用語解説シリーズ 拡張版】、第2回のテーマは
「遺言書(ゆいごんしょ)」注)です。
注)遺言書の読み方は、「ゆいごんしょ」と読むのも「いごんしょ」と読むのも正解です。 2つの言葉には意味の違いがあり「ゆいごんしょ」とは広い意味で死後のために生前に言い残したり、書き残したりしたもののこと全般をいいます。 対して「いごんしょ」は、その中でも法的な効果を持ち、主に法律家が使う言葉です。
「遺言(ゆいごん)」という言葉は知っていても、
「どう書けばいいの?」
「どんな種類があるの?」
「本当に効果があるの?」
と疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、遺言書の種類とそれぞれの特徴、作成のポイント、注意点について、実務に即した視点でたっぷり詳しくご紹介していきます。
■ そもそも遺言書とは?
遺言書とは、
「自分の死後、財産を誰に、どのように渡すかを記した正式な文書」
のことを言います。
遺言書があることで、
・相続人同士の争いを防ぐ
・自分の希望通りに財産を分配できる
・法定相続分(法律で定められた割合)とは違う分け方もできる
・特定の人(相続人以外の第三者)にも財産を残せる
といったメリットがあります。
自分の意思を確実に残すための、強力な法的ツールが「遺言書」なのです。
■ 遺言書には3つの種類がある
日本の民法上、正式な遺言書には主に以下の3つの形式があります。
それぞれに特徴と注意点があるため、状況に応じて選ぶことが大切です。
① 自筆証書遺言(じひつしょうしょゆいごん)
■ すべて自分で書く遺言書
・紙とペンがあれば作成できる
・費用がかからない
・誰にも知られずに作成できる
【要件】
・本文、日付、氏名を自筆すること
・押印が必要(認印でも可だが実印が望ましい)
・内容の訂正には厳格なルールあり
【メリット】
・手軽に作れる
・自由度が高い
【デメリット】
・内容不備で無効になるリスクがある
・死後に見つからなかったり、隠されたりするリスク
・家庭裁判所で「検認(けんにん)」という手続きが必要
※2020年からは、「自筆証書遺言を法務局で保管する制度(自筆証書遺言保管制度)」がスタートしています。
これを利用すれば、検認手続きが不要になります!
② 公正証書遺言(こうせいしょうしょゆいごん)
■公証人に作成してもらう正式な遺言書
・公証役場で作成
・公証人が内容確認・証人2名の立会いが必要
【要件】
・本人が公証人に口頭で内容を伝える
・公証人が筆記し、読み聞かせ、確認後、署名押印
【メリット】
・形式不備の心配がない(無効になりにくい)
・原本が公証役場に保管されるので、紛失・改ざんリスクがない
・家庭裁判所での検認手続きが不要
【デメリット】
・作成に費用(数万円程度)がかかる
・証人2名の立会いが必要(※親族などは不可)
確実性と安全性を重視するなら、もっともおすすめの方式です。
③ 秘密証書遺言(ひみつしょうしょゆいごん)
■内容を秘密にしたまま、存在だけを公証役場で認証してもらう遺言書
・本人が作成した遺言書を封印し、公証役場に提出
・公証人が「確かに存在する」と証明する
【メリット】
・内容を誰にも知られずに済む
【デメリット】
・自筆証書遺言と同じく形式不備のリスクがある
・検認手続きが必要
現在ではあまり一般的な方式ではありません。
■ どの遺言方式を選ぶべきか?
それぞれの特徴を踏まえると、次のように選択するのが現実的です。
状況おすすめ遺言とりあえず自分で作りたい自筆証書遺言確実に実現させたい・財産が多い公正証書遺言内容を誰にも知られたくない秘密証書遺言(ただし非推奨)
特に、
・財産が多い
・不動産が絡む
・相続人同士の関係が複雑
・争いを避けたい
という場合は、公正証書遺言をおすすめします。
■ 遺言書に書けること・書くべきこと
遺言書には、以下のような内容を書くことができます。
・誰に、どの財産を相続させるか(遺贈、分割方法指定)
・誰を遺言執行者に指定するか
・推定相続人の廃除・取消し
・未成年後見人の指定
・遺言書の撤回(新たな遺言による)
・葬儀・お墓についての希望(ただし法的拘束力はない)
特に重要なのは、「財産ごとに具体的に書くこと」。
たとえば、
「長男に土地(地番〇〇)を相続させる」
「次男に預金(銀行名・口座番号〇〇)を相続させる」
と、具体的に指定することがポイントです。
曖昧にすると、後で相続人同士の解釈が割れ、争いのもとになります。
■ 遺言でも避けられない「遺留分」に注意!
ここで注意すべきなのが、
「遺留分(いりゅうぶん)」という制度です。
遺留分とは、
「一定の相続人に最低限保証される取り分」
のことです。
いくら遺言で「すべてAに相続させる」と書いても、
・配偶者
・子ども
・直系尊属(親など) には、法律上一定の割合の取り分(遺留分)を主張される可能性があります。
これに配慮しないと、
遺言があっても争いになる場合があるため、
事前に専門家へ相談して内容を検討することが重要です。
■ アステラ法務コンサルティングができるサポート
当事務所では、
・遺言書作成のアドバイス
・公証役場手続きサポート
・相続人調査・遺留分リスク診断
・司法書士・行政書士連携による一括支援
などを行っています。
「遺言を作りたいけど難しそう」
そんなときこそ、まずはお気軽にご相談ください!
■ まとめ:遺言は“家族への最後のメッセージ”
・ 遺言書には自筆・公正証書・秘密証書の3種類がある
・ 確実性と安全性を重視するなら「公正証書遺言」がおすすめ
・ 財産ごとに具体的に指定し、遺留分にも配慮を
・ 遺言は「残された家族への思いやり」でもある
未来の家族に、
「ありがとう」と「安心」を届けるために。
遺言書は、今を生きるあなたができる、
とても大切な“ラストメッセージ”です。
次回予告
次回(第3回)は、
【家族信託とは?~資産を守る新しい相続対策~】をテーマに、
認知症リスクにも対応できる注目の「家族信託」について詳しく解説します!