1.ターゲット戦略の重要性
「ターゲット戦略」とは、不特定多数の客層を狙わず、自分がイメージする(来店して欲しい)顧客の層を絞り込み、その顧客を集客する戦略です。 「顧客の層」とは、性別・年齢・ライフスタイル・マインド・テイスト等、様々です。 「ターゲット戦略」とは、この客層の中から、どの顧客を狙っているのかをはっきりさせる戦略(方向)です。
では何故、ターゲット戦略が重要なのでしょうか。
例えば、スーパーや百貨店は売り場面積も広く、幅広く商品の取り揃えができます。多くの商品で、幅広く「客層」を狙えるからです。
しかし、小さな飲食店では、スーパーや百貨店のような戦略は取れません。面積も小さく、メニューの種類にも限界があるからです。
「お客さんが来てくれればいい」という考え方があります。確かに経営側から考えると、お客様が多くなければ事業は成立しません。小規模な事業では、リピーターと固定客を増やさなければ、いつかは事業を維持できなくなる可能性があります。
事業の出発点は、「何を売る」ではなく「誰に売る」です。だから出発点は、ターゲット戦略なのです。客層を絞り込み、どのような客層を狙うのか計画を立てる必要があります。「ターゲット戦略」が重要な役割と効果を発揮します。
2.ターゲットのミスマッチは方向性を失う
事業が上手くいかない理由には、ターゲットのミスマッチがあります。このミスマッチの代表的な原因は、
・若者をターゲットにしたが、中年層が多い。
・OLをターゲットにしたが、学生が多い。
・家族連れをターゲットにしたが、男性が多い。
等、思い描いた顧客の層とは異なる顧客がターゲットになっている場合があります。 商品の取り揃え・価格帯・店舗の雰囲気等、狙ったターゲットとのミスマッチが原因です。 戦術に問題があります。
ビジネスとして成立していればいいのかも知れません。 しかし、ターゲット戦略を重要視するのであれば修正が必要です。事業計画が根底から崩れているからです。
逆に、事業計画が間違っていた可能性もあります。 地域の特性やロケーションから考えると、そもそも事業計画上のターゲットを確保することが難しかったのかも知れません。 この場合は、事業計画の修正が必要になります。
事業計画のターゲット戦略は、事業の成功を左右する非常に重要な要素なのです。
3.リピーターと固定客の違い
リピーターと固定客は「顧客の目的」が違います。そのため「同じ意味合いの顧客」と考えると、大きな間違いになります。
リピーターとは、同じ行動を繰り返す顧客です。ある一定期間に繰り返し訪れ、同じ商品を買う顧客です。一つの商品だけが目的の顧客です。
固定客とは、その店舗に頻繁に訪れる顧客です。一つの商品だけでなく、幾つかの商品をその都度買っていきます。常連客とも呼ばれます。その店舗が目的の顧客です。
店舗の顧客が増えるプロセスは、リピーターが増え固定客になっていくのが一番望ましいのです。
3.顧客には「客層」の違いがある
もう少し「客層」について説明します。客層には違いがあります。
客層とは、主力の顧客(メイン・コアターゲット)と、次に狙う顧客(サブターゲット)があり集客目標とするグループの総称を意味しています。
ビジネスによって、狙う客層には違いがあります。性別、年齢別、時間帯、ライフスタイル、テイスト、価格帯等の違いにより狙う客層は分類されます。
下の表は、ターゲット戦略のサンプルです。どの時間帯に、どのような顧客をイメージしているのか表しています。
4.顧客には目的がある
顧客にはメニューや料理に対する好みがあり、「好き嫌い」も重要な要素です。「好き嫌い」とは別に、顧客には「目的」があります。その店舗に、なぜ行くのかという目的です。
1.〇〇が食べたいから、あの店に行く。
2.考え事をしたいから、落ち着ける店に行きたい
3.友達と話しがしたいから、長居できる店を選ぶ。
4.予算は〇〇円ぐらいで済ませる店に行きたい
5.沢山食べたいから、ボリューム感のある店に行く 等
ターゲット戦略は、自分のイメージする客層の絞り込みだけではありません。しかし、顧客の要望をすべて満足はさせられません。大切なのは、顧客要望の絞り込みです。
5.ターゲット戦略の役割と効果
1. 固定客が増える
リピーターが固定客になる話しを前述しました。最後は固定客が増えて欲しいのです。特に街の中心地から離れている場所では、固定客は重要です。アクセスが不便なお店でも、固定客を多くもっているお店は沢山あります。
固定客をもっているお店は、ターゲット戦略ができているからです。ターゲットを絞り込み、ターゲットが好む「商品やサービス」に特化し提供することで、固定客を増やしていけるのです。
2. 効率的な商品の絞り込みができる
固定客が増えれば、主力商品が明確になってきます。逆に必要のない商品もわかってきます。すると「スクラップ&ビルド」ができるようになります。効率的な商品展開ができれば、ロスも減少します。
「次はこの商品が売れるのではないか?そのためには、この商品は必要がない」と考えるようになります。今までの迷いが減少し、可能性を見いだせる「想像力」が宿ってきます。想像力を働かせると、どうなっていくのでしょう。
3. 想像力が事業の精度を上げる
ターゲットが決まれば、商品や店舗の雰囲気・サービスや情報発信につながっていきます。いろんな戦略に気づき、想像力が活発になり事業の精度が上がってきます。
4.まとめ
リピーターを増やし固定客で安定させることは、容易いことではありません。焦れば焦るほど、気づかないうちに経営のバランスは崩れていきます。
事業の出発点は、「何を売る」ではなく「誰に売る」です。だから出発点は、ターゲット戦略が重要なのです。
・ターゲット戦略とは、狙う客層を決めること。
・客層には、性別・年齢・ライフスタイル等違いがある。
・狙った客層が来ない場合には、ミスマッチの原因を調べる。