日米のエンジニアの収入

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日米のエンジニアの収入

エンジニアの収入はどれ位か気になるところです。会社勤めとフリーランスの違いもありますが、国によっても違います! この記事では、日本とアメリカの違いについて、私の知る範囲で紹介します!

雇用体系/給与体系の違い
日本でも、終身雇用は崩れてきたと言われていますが、少なくても大企業を中心に終身雇用は根強く残っているように見えます。一方でアメリカの雇用は、地域によっても大きく違いますが、シリコンバレーなどでは、エンジニアの需要は大きく色々な機会が沢山あるので、流動的で職を変わるケースも非常に多くなっています。

こうした雇用形態の違いが、給与体系にも影響していて日本の多くの会社とはかなり違った状況が生まれています。もちろん、日本でも新興企業などでは、アメリカに近い給与体系の会社も最近では増えているので、実際に自分で調査する必要があると思います。しかし、歴史のある大企業は余り大きな変化には至っていないようです。

日本では、会社で実績をあげて出世するという感じが強いかと思いますが、シリコンバレーでは実績をあげて、別の会社でより良い条件で雇ってもらうというのが一般的なスタイルです。要は上のポストが空くのを待つのではなく、積極的に働きかけてより良いポジションを探すということです。従って、通常は転職すると収入も上がって行くのが普通です。

このように転職が多いので、給与体系も違います。ボーナスも採用している会社は沢山ありますが、日本とは携帯も違う場合が多く、本当に会社の業績や個人の貢献度による物が非常に大きく、回数も年に1回の会社も多いですし、ボーナスを採用していない会社も沢山あります。また、退職金という制度は基本的にない会社の方が多くなっています。

シリコンバレーのエンジニアの収入は多いか?
ここでシリコンバレーのエンジニアの収入ですが、日本の一般的な大企業の給与と比べて高いのか低いのか気になるところではないかと思います。結論から言えば、ある程度以上の経験と実力があるエンジニアの場合、ほぼ間違いなく、日本の一般的な大企業の給与よりは「年収」という観点では額面は高いと言えます。

これには幾つか理由があります。 一つは、シリコンバレーのエリアは物価が高く生活にかかる費用も高くなります。従って同じアメリカの中でも収入の額面は全米でも最も高い地域の一つになっています。つまり、収入は多くても、出て行く額もかなり前多いということです。事に家の価格や家賃を考えるとかなり大きな出費が必要です。シリコンバレーの中心部から結構離れた郊外の街でも、2ベッドルームのアパートの家賃は 2000 ドル以上(20 万円以上)は普通です。日本とは表記の方法が違いますが、2ベットルームの間取りは、寝室が2つ、リビングルーム、ダイニングキッチンという感じの間取りです。2 LDK が比較的近い表現かと思います。もちろん、それより安い物件もありますが、古かったり治安が悪かったりする場合が多くなります。逆に便利な場所で比較的治安の良い新しい物件では、これよりもかなり高くなります。

さらに、シリコンバレーの場合、税金は一般的に日本よりは高いと言えます。日本と累進課税の区切り方が違うので単純に比較はできませんが、カリフォルニア州の州税と国に納める所得税の税率は中間的な所得層の場合は、日本より高めだと言えます。

このほかに、退職金がないので自分で老後の資金を貯金する必要もありますし、医療費も日本に比べるとかなり高額なので、実質的な収入に関していうと、もう少し詳細を計算しないと判断は難しいと言えます。

残業という概念はない!
一部のパートタイムの仕事の場合、時間給の仕事もありますが、殆どのエンジニアの仕事の場合、「残業」という概念はありません。 基本的に給与は年収で契約して、そのお金を毎月とか、2週間ごととかに分割して受け取る仕組みが殆どです。

日本のエンジニアとシリコンバレーのエンジニアの収入を比較する場合、多くの日本のエンジニアの場合、全ての時間外の労働に対する手当が会社から支給されるかは別として、通常は基本給と時間外のもらえる分の手当を含めた物が収入になっているかと思います。基本給だけを比べた場合、同じような仕事をしている場合、シリコンバレーの一般的な収入の方がほぼ間違いなく高いと思います。

しかし、この時間外という概念があるため、シリコンバレーのエンジニアは必要以上に時間外の仕事をしない場合が殆どです。規定の仕事の時間内で如何に必要な仕事を終わらせるかを管理して、時間内に終わらせるというのが基本です。事に休日出勤に関していうと、シリコンバレーに来て 20 年以上になりますが、休日に出勤したのは数える程しかありません。スタートアップにいた時を含めて、20日以下だと思います。

残業手当の支給状況によると思いますが、時給あたりの給与はシリコンバレーのエンジニアの方が高いと言えます。

エンジニアの地位
日米のエンジニアの収入を比較する際、考えた方が良いことは、「エンジニアの地位」です。日本では、出世して多くの収入を得るための一般的な大企業でのキャリアは、「管理職への道」というのがある意味常識になっているかと思います。管理職にならないエンジニアの給与はある時点で頭打ちになる場合が多く、それより多い収入の望む場合、管理職を目指す必要があります。

一方でシリコンバレーの場合、当然経営者の方が一般的な社員よりは収入は大きいのは間違いありません。しかし、エンジニアの給与の上限は明らかに日本よりはかなり高くなっています。トップレベルのエンジニアの給与は、上級管理職並の場合も大きく、優秀なエンジニアの場合、管理職にならなくても、相当高い給与を手にすることは十分に可能です。

このように考えると、シリコンバレーでのエンジニアの収入は日本よりは高く、エンジニアには良い環境が整っているように思います。 収入に関しては、本人の努力次第という部分が大きく、この辺りが頑張る原動力になっているように思います。

まとめ
幾つかの観点から、日米のエンジニアの収入について簡単にまとめてみました。 あくまで個人的な見解ですが、シリコンバレーのエンジニアの収入は日本の一般的な大企業に勤めるエンジニアに比べるとかなり高額だと思います。これはあくまで額面の話で、総合的にみてこれが高いかは、退職金や生活に必要な額や税金などを考慮する必要があります。

ただし、日本の多くの企業は「横並び」の給与体系が多く、同じ年齢で同じような経験(経歴)のエンジニアの場合、それほど大きな差がつかない場合が多いように見えます。しかし、シリコンバレーの場合、年齢や経験(経歴)に関係なく、その会社への貢献度が高いエンジニアの場合は、驚くほど高収入を得ることも可能です。いくら年齢や経験年数が高くても、会社への貢献が認められなければ、給与は安くなる傾向が強いかと思います。そうした意味では、最新の技術動向に対応して新たな知識やスキルを常に身につけるような努力が求められていると言えます。そうした、努力と実践ができる人の場合、シリコンバレーの方がより活躍の機会も評価も得られる場合が多くなると言えます。

今回の比較はあくまで会社に勤めるのが前提です。フリーランスの場合は、もともと自分の実力で勝負するケースが多くなるので、当てはまらない部分も多くなるかと思います。いずれにしてもエンジニア(技術者)として成功するのに必要なことは、継続して学習して最新の技術に追従することが大切です。
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