旅人の古い革靴

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ビジネス・マーケティング
こんにちは!城間勝行です。

長い年月をかけて世界中を歩き続けた旅人の履いている古い革靴を眺めていると、つま先やカカトに刻まれた無数の擦り傷やシワのすべてがその人が乗り越えてきた険しい道のりや出会った景色を無言で語りかけてくるような深い味わいを感じることがあります。

私たちが日々向き合っているシステムやプロダクトの開発現場もまさにこの古い革靴が持つ歴史や構造と非常によく似た味わいを隠し持っています。

表向きはただ新しく滑らかに見える画面やコードであったとしてもその内部では無数の試行錯誤や修正の足跡が幾重にも重なり合い使う人が心地よく歩き続けられるための確かな支えを作り出しています。

新卒で入社した大規模な組織においては何千人ものユーザーが安全に利用できる巨大なインフラを構築することが何よりも求められました。

そこには鉄の規律と揺るぎない正確さがあり決められたレールをいかに脱線せずに走り抜けるかがエンジニアとしての最大の使命でした。

巨大な歯車の一つとして全体の調和を保ちながら堅牢な仕組みを支え続ける経験はエンジニアとしての確かな骨組みを私の内部にしっかりと刻み込んでくれました。

しかしその後少人数のスタートアップの世界へと足を踏み入れたときその景色は劇的に塗り替えられることになりました。

明日何が起こるか予測できないスピード感の中でまだ輪郭すら曖昧な不完全なアイデアを形にし失敗を恐れずに素早く軌道修正を繰り返す。

あらかじめ用意された正解のルートなど存在しない荒野の中で仲間たちと知恵を絞り合いながら新しい価値を生み出す興奮は私のなかに眠っていた別の情熱を呼び覚ましました。

堅牢さを重んじる大企業の文化と柔軟な変化を愛するスタートアップの文化。

一見すると正反対に見える二つの世界を体験したからこそ私は状況に応じた最適なアプローチを柔軟に選び取ることができるようになったと確信しています。

開発という仕事の本質はただ目の前のコードを書くことだけにあるのではなく複雑に絡み合った課題の糸を一本ずつ丁寧に解きほぐし誰もが安心して歩ける新しい道をつくることにあります。

目の前にある画面の向こう側には必ずそれを必要とする生身の人間が存在しておりその人たちの日常をそっと支える温かい架け橋になれるよう心を配りたい。

旅人の革靴がどんな道でもしっかりと支えるように私たちが紡ぎ出すテクノロジーもまた誰かの心に確かな歩みを届ける存在であってほしいと願っています。

明日もまた新しい道を歩くような新鮮な気持ちで目の前にある難問に向き合いながら自分なりの答えを丁寧に探し求めていきたいと思います。
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