不登校の小中学生は、約35万人。過去最多を更新し続けています。
もちろん、原因は一つではありません。いじめ、人間関係、体質、環境——なってしまうのは誰のせいでもなく、なった子や親を責める話ではありません。
ただ、その上で。同じ出来事が起きても、折れてしまう子と、踏みとどまれる子がいるのも事実です。その差は、能力ではありません。心の土台=人としての在り方が、どれだけ育っているかです。
今日は、不登校を「防ぐ」という視点で、家庭でできる徳育の話をします。予防なので、どんなお子さんにも役立つ内容です。
そもそも「徳」とは、「徳育」とは何か
言葉の意味から、はっきりさせておきます。
徳とは——人として正しく在ろうとする心の力であり、思いやり・誠実・自制・粘り強さといった「よい行い」を、自然に生み出す"人格の習慣"のことです。
ここで一番大事なのは、徳は生まれつきではないということ。頭のよさが才能なら、徳は「習慣」です。毎日の小さな行いの積み重ねで、後から身についていく。だからこそ、育てられる。育てなければ、育たない。
そして——
徳育とは、その徳を育てる教育のことです。
勉強=知育が「頭」を育てるものなら、徳育は「心」を育てるもの。点数にはならないけれど、生きていく上で一番大事な土台をつくります。この土台こそが、逆境で子どもを支える「折れない心」の正体です。
実は、国も「徳育」を求めている
「徳育なんて、古い精神論では?」——そう思う方もいるかもしれません。でも違います。
文部科学省の学習指導要領。その道徳の目標には、こう書かれています。
「よりよく生きるための基盤となる道徳性を養う」
つまり国も、道徳(徳育)の目的を「よりよく生きるための、土台の力を育てること」だと明言しているのです。テストの点ではなく、生きていくための土台。まさに、折れない心の話です。
そして学習指導要領は、その道徳を4つの視点で整理しています。
A 自分自身に関すること(自律・節度・強い意志)
B 人との関わりに関すること(思いやり・礼儀・感謝)
C 集団や社会との関わり(規則・役割・公共心)
D 生命や自然、崇高なもの(命の尊さ・よりよく生きる喜び)
このうち、不登校の予防に特に効くのが、A「自分自身」です。自分を律し、困難に折れない意志を育てる。ここが、心の土台の中心になります。
家庭でできる、心の土台づくり
学校の授業だけでは、この土台は育ちきりません。家庭での毎日の習慣が、一番効きます。難しくありません。
① 生活のリズムを、自分で守らせる(A:自律)
起きる・食べる・寝る。この当たり前を自分で整える力が、すべての土台。乱れは、心の乱れに直結します。
② 小さなことを、自分で決めさせる(A:強い意志)
今日の宿題をいつやるか、何から始めるか。自分で決めて、やり切る経験が「自分でできる」という自信を育てます。先回りして全部決めると、この力は育ちません。
③ 家族以外にも、挨拶・感謝をさせる(B:人との関わり)
人と関わる小さな成功体験が、対人関係の不安を減らします。
④ 嫌なことを、最後までやり切らせる(A・D:粘り強さ)
面倒な片付けや当番を投げ出させない。「やり切った」の積み重ねが、逆境で踏みとどまる力になります。
どれも地味です。でも、心の土台は、こうした小さな反復でしか育たないのです。
さいごに
もう一度言います。徳育をしたからといって、不登校を100%防げるわけではありません。原因は様々で、なるときはなります。
でも——「自分を整え、自分で決め、やり切り、また立ち上がる」力を、家庭で育てておくこと。 それは、不登校の予防だけでなく、これから先の人生のすべてで、お子さんを支える土台になります。学力(知育)と、この生きる力(徳育)。私は、その両方を育てる「知徳兼備」の教育を大切にしています。
お子さんの学びや育ちで、話を聞いてほしいことがあれば、無料で相談をお受けしています(「令和の松下村塾」)。気軽に声をかけてください。
一緒に、勉強だけでなく、折れない心を持った子を育てましょう。