製造、保守、小売など、部材や商品を扱う現場では、在庫管理に次のような悩みが起きやすくなります。
- 誰が持ち出したか分からない
- 返却や補充の記録が抜ける
- 棚卸しの数字と帳簿が合わない
- 紙の記録を後から集計している
- 専用端末を全員へ配るのは難しい
今回は、部材ごとのQRをスマートフォンで読み取り、持ち出し、返却、在庫補充、棚卸しをkintoneへ記録する在庫管理アプリを構築しました。
作った仕組み
管理者はPC画面から、部材コードと数量を指定したQRを発行できます。現場担当者は自分のスマートフォンでQRを連続読取し、カートへ入った内容を確認してから登録します。
選べる操作は次の4つです。
1. 持ち出し
2. 返却
3. 在庫補充
4. 棚卸し
登録前に部材名、数量、操作区分を確認できるため、読み取った瞬間に誤ったレコードが作られることを防ぎます。
正式アプリへ安全に分離しました
在庫機能は、もともとテスト用アプリの中にありました。今回は、在庫管理に必要な機能だけを正式アプリへ分離しています。
- QR発行
- 一括PDF出力
- カメラ連続読取
- カート確認
- 4種類の在庫操作
- 対象品の写真保存
- 期限切れ写真の削除
元のテストアプリにある他の機能や既存データは削除していません。新しいアプリが動くだけでなく、既存運用を壊さないことも確認しました。
確認できた内容
- 管理者PC画面でQR発行を確認
- 408×608pxのスマホ相当画面で横はみ出しなし
- 4種類の操作ボタンを確認
- A001・数量3が正しくカートへ入ることを確認
- カートを空に戻せることを確認
- 在庫写真と90日保存ルールを実装
今回まだ完成していない範囲
出荷情報や別アプリとの自動照合は、次の段階です。
今回完成したのは、担当者、日時、部材、数量、操作区分を履歴として残し、後から照合できる土台までです。また、iPhone実機でカメラ撮影から本登録まで通す最終確認も残っています。
未確認の範囲を完成済みとして扱わず、小さな対象品で実機テストしてから連携範囲を広げます。
ご相談いただける内容
- 紙やExcelの在庫表をkintoneへ移したい
- 商品・部材ごとのQRを発行したい
- スマートフォンで持ち出し・返却を記録したい
- 棚卸しと日常の移動履歴を分けたい
- 登録前の確認画面を入れたい
- 写真を証跡として残したい
- 既存kintoneアプリと連携したい
- テストアプリから正式アプリへ安全に移行したい
現場の作業方法によって、必要な項目と安全確認は変わります。現在の帳票、扱う品目、1日の操作回数、出荷情報がどこにあるかを確認し、小さな試作から進めます。
業種別の使い方
- 保守現場:車両へ積む部材の持ち出しと、作業後の返却を記録
- 小規模製造:共通部品の補充と棚卸しを、担当者ごとの履歴へ
- 小売・倉庫:バックヤードから売場へ動かした数量を記録
一方、製造番号ごとの個体追跡、リアルタイムの会計在庫、複数倉庫間の複雑な引当が必要な場合は、このQRカートだけで完結させず、既存の基幹システムや出荷データとの連携設計が必要です。
QRを付けることが目的ではありません。毎日の在庫移動を、後から差異の原因を追える記録へ変えることが目的です。