問い合わせをLINEで受ける事業者が増えています。
・気軽に相談してもらえる
・写真を送ってもらえる
・その後も接点が残る
利点は多いのですが、広告の計測という点では、いくつか知っておくべきことがあります。
特に注意したいのは、「友だち追加」を成果として数えていいのかという点です。
この記事では、LINE誘導の計測でつまずきやすい点と、現実的な設計を整理します。
まず理解したいこと:追加と相談は別
ここが最も重要です。
広告 → サイト → LINE追加、という流れの場合、
「友だち追加した人」と「実際に相談してきた人」は同じではありません。
・とりあえず追加して、そのまま何も言ってこない
・クーポン目的で追加した
・情報だけ見たかった
こうした人が一定数含まれます。この比率は業種によって大きく違いますが、追加した人の全員が相談してくるわけではない、というのは共通です。
なぜこれが問題か
「友だち追加」をコンバージョンにすると、管理画面の数字は増えます。 しかし、その中に相談まで至らない人が多く含まれていると、
・獲得単価が実態より安く見える
・「うまくいっている」と誤解して予算を増やす
・実際の売上は増えていない
という状態になります。数字が良くなっているのに売上が増えない、という違和感の正体がこれです。
計測できることと、できないこと
計測しやすいこと
サイト上での「LINEボタンのクリック」は計測できます。自社サイト内の動作なので、タグで拾えます。
計測が難しいこと
LINE側で何が起きたかは、広告の管理画面からは基本的に見えません。
・実際に友だち追加されたか
・その人がメッセージを送ってきたか
・成約したか
LINE公式アカウント側の管理画面では追加数を確認できますが、「どの広告経由か」までは自動では紐付きません。
この分断が、LINE誘導の計測を難しくしています。
現実的な3つの設計
設計A:ボタンクリックを計測し、比率で補正する
最も手軽で、多くの場合これで足ります。
1. サイトの「LINEで相談する」ボタンのクリックをコンバージョンに設定する
2. LINE公式アカウント側で、実際の追加数・相談数を月次で確認する
3. 「ボタンクリック100件のうち、相談は20件」といった比率を把握する
この比率さえ分かっていれば、判断はできます。 「CV50件」と見たときに「実際の相談は10件くらいか」と読み替えられるからです。
比率を知らないまま運用するのが最も危険です。
設計B:友だち追加の計測を試みる
LINE公式アカウントには、追加経路を判別する仕組みがあります(名称・仕様は変更されることがあります。要確認)。
広告用に専用の追加URLを用意し、その経路からの追加数を分けて見る、という方法です。
利点: 実際の追加数が分かる
注意点: 設定の手間がかかる。プランによって使える機能が異なる場合がある
「追加数」が分かっても「相談数」は別という点は変わりません。
設計C:相談があった時点を成果とする(手動)
最も実態に近いですが、手作業になります。
・LINEで相談が来たら、記録する
・月末に「広告費 ÷ 相談件数」で実際の獲得単価を出す
自動化はできませんが、月に数件〜数十件の規模なら、これが最も正確です。
どれを選ぶか
・状況:おすすめ
・広告を始めたばかり、件数も少ない:設計A + C(ボタン計測+手動記録)
・自動入札を使いたい:設計A(何かをCVにしないと学習できない)
・追加数を正確に知りたい:設計B
多くの場合、AとCの併用が現実的です。
LINE誘導そのものの設計で気をつけること
計測の前に、そもそもLINEへの誘導が機能しているかも見てください。
追加のハードルを下げる一言
「LINEで相談」とだけ書かれていると、
・営業メッセージが来そう
・断りにくくなりそう
と警戒されます。ボタンの近くに、
・営業のメッセージは送りません
・相談だけでも大丈夫です
・写真を送っていただければ、その場でお見積もりできます
といった一言を添えるだけで、追加率が変わることがあります。
追加後の最初のメッセージ
追加された直後に自動で送るメッセージ(あいさつメッセージ)は、設定しておいてください。
追加したのに何も来ないと、「合っているのかな」と不安になります。
何を聞けばいいか分からない人向けに、質問例を示すと相談につながりやすくなります。
通知に気づける状態か
日常のLINEに埋もれて、返信が遅れることがあります。ビジネス用として分けて管理し、通知に気づける状態にしてください。
返信が遅いと、他店に流れます。 これは計測以前の問題です。
やってはいけないこと
「友だち追加数」を「問い合わせ数」として報告・判断する
数字が実態の数倍に見えます。 特に、代理店や外部に運用を任せている場合、この点は必ず確認してください。
追加数だけを追いかけて、相談数を見ない
追加数を増やすことが目的化すると、クーポン目的の追加ばかり増えることがあります。追加数と相談数を、必ず両方見てください。
確認チェックリスト
計測の設計
・[ ] LINEボタンのクリックを計測する設定をした
・[ ] それが「相談数ではない」ことを理解している
・[ ] LINE側の追加数・相談数を月次で確認する習慣を作った
・[ ] ボタンクリックと相談数の比率を把握した
LINE側の設計
・[ ] 追加のハードルを下げる一言を入れた
・[ ] あいさつメッセージを設定した
・[ ] 質問例を示している
・[ ] 通知に気づける状態にした
よくある質問
Q. LINE追加をコンバージョンにして、自動入札を使っても大丈夫ですか
使えますが、Googleは「ボタンをクリックする人」を増やす方向に最適化します。 相談に至らない追加が増える可能性があります。比率を見ながら判断してください。
Q. フォームとLINE、両方置いてもいいですか
構いません。ただしどちらを主軸にするか決めて、片方を目立たせる方が迷いが減ります。また、計測上も両方を分けて数えられるようにしてください。
Q. LINEの追加数が伸びません
広告以前に、追加ボタンの位置と、追加する理由を見直してください。「なぜ追加すべきか」が書かれていないと、人は動きません。
Q. 追加してもすぐブロックされます
追加直後のメッセージが売り込みになっていないか確認してください。最初は相談しやすさを伝えるだけで十分です。
まとめ:今日できること
1. LINEボタンのクリックを計測する設定をする
2. LINE公式アカウント側で、今月の追加数と相談数を数える
3. ボタンクリック数と相談数の比率を出す
4. あいさつメッセージと、追加のハードルを下げる一言を用意する
「友だち追加」は入口であって、成果ではありません。 そこを区別して数字を見るだけで、判断の精度が変わります。
計測の設定が合っているか不安、LINEへの導線をどう作るか迷っている、という場合は「Google広告のCV計測・タグ設定を支援します」で、画面を共有しながら一緒に確認しています。サイト構成によって対応範囲が変わるため、事前にサイトURLをお送りいただければ可否をお伝えします。