「広告は配信中になっているのに、表示回数がほとんど伸びない」
これは原因が複数あり、しかも順番に確認しないと特定できないタイプの問題です。
やみくもに入札を上げたり、キーワードを足したりすると、原因ではないところを触って、費用だけ増えることになります。
この記事では、上から順に切り分ける手順をお伝えします。必ず上から確認してください。
ステップ1:本当に配信されているか
まず、配信が止まっていないかを確認します。当たり前に思えますが、ここで止まっているケースは実際にあります。
確認する場所
・キャンペーンのステータスが「有効」になっているか
・広告グループが有効か
・広告自体が有効か(不承認・審査中ではないか)
・キーワードが有効か
この4階層のどこか1つでも止まっていると、配信されません。 キャンペーンだけ見て「有効だから大丈夫」と判断すると見落とします。
「制限付きの承認」に注意
広告のステータスが「制限付きの承認」になっていることがあります。これは「配信はされるが、一部の条件では表示されない」状態です。
配信されているので気づきにくいのですが、本来届くはずの相手に届いていません。 表示回数が想定より少ないときは、ここを確認してください。
支払いが止まっていないか
カードの有効期限切れ、残高不足。これで配信が止まっていることもあります。
ステップ2:そもそも検索されているか
配信は正常なのに表示されない場合、検索されていない可能性があります。
広告は、誰かが検索して初めて表示されます。設定したキーワードが月に数回しか検索されていなければ、表示回数は伸びません。
確認方法
Google広告には、キーワードの検索回数の目安を調べる機能があります(名称・仕様は変更されることがあります。要確認)。ここで、設定しているキーワードの検索ボリュームを確認してください。
注意点として、地域を絞ると数字は小さく出ます。 全国で1万回でも、自分の商圏では数十回ということがあります。
検索されていない場合の対処
・言い換えを追加する(専門用語だけでなく、お客さんが使う言葉)
・悩みの言葉を追加する(「腰痛」だけでなく「腰 痛い 治らない」など)
・地域を少し広げる
ただし、広げすぎると関係のない検索に費用が流れます。 追加したら、必ず検索語句レポートで中身を確認してください。
ステップ3:オークションで負けていないか
検索はされているが表示されていない。この場合、オークションで負けています。
インプレッションシェアを見る
管理画面にインプレッションシェアという指標があります(名称は変更されることがあります。要確認)。これは「表示できる機会のうち、実際に表示された割合」です。
さらに、表示されなかった理由が2つに分かれて表示されます。
・損失理由:意味:対処
・予算による損失:予算が尽きて表示されなかった:予算を増やす、または無駄を削る
・ランクによる損失:入札・品質が足りず負けた:入札を上げる、品質を上げる
この2つで対処がまったく違います。 どちらなのかを確認せずに手を打たないでください。
予算による損失の場合
1日の予算が早い時間で尽きています。記事「広告予算が使い切れない/すぐ枯れる」で扱った内容と同じ対処になります。
予算を増やす前に、無駄な検索を除外して、必要な検索へ予算を回す方が効率的です。
ランクによる損失の場合
入札額か、広告の品質が足りていません。
入札を上げるのが直接的ですが、単価も上がります。CPAが合う範囲かを見ながら調整してください。
品質を上げる方は時間がかかりますが、単価を下げる効果もあります。
・キーワードと広告文の言葉を合わせる
・広告文とリンク先ページの内容を合わせる
・キーワードごとに専用のページへ送る
ステップ4:設定で絞りすぎていないか
ここまでで原因が見つからない場合、設定の制限が重なっている可能性があります。
次を1つずつ確認してください。
配信地域
市区町村や半径で細かく絞っていないか。商圏より狭く設定していると、機会が減ります。
配信時間・曜日
営業時間だけに絞っていないか。フォームで受けられるなら、時間外も配信する価値があります。
デバイス
パソコンのみ、スマホのみに絞っていないか。意図せず片方を除外していることがあります。
オーディエンス(ターゲット)
年齢・性別・興味関心で絞り込みすぎていないか。特に「除外」の設定は見落としやすいです。
マッチタイプ
完全一致だけで設定していると、少しでも表現が違う検索には出ません。フレーズ一致を併用すると機会が広がります(ただし検索語句の確認が必要になります)。
確認のコツ:1つずつ外す
全部同時に緩めないでください。 何が効いたか分からなくなります。
影響が大きそうなものから1つ外して、1週間ほど様子を見る。これを繰り返してください。
表示回数が少なくても問題ない場合
最後に、大事な点をお伝えします。
表示回数が少ないこと自体は、必ずしも問題ではありません。
・検索数が少ない業種・地域である
・かなり具体的なキーワードに絞っている
この場合、表示回数は少なくても、来る人の確度は高いことがあります。
見るべきは表示回数ではなく、問い合わせが来ているかどうかです。 表示回数を増やすこと自体を目的にすると、関係のない検索を増やして費用だけ膨らむことがあります。
確認チェックリスト
ステップ1:配信されているか
・[ ] キャンペーン・広告グループ・広告・キーワードすべて有効
・[ ] 「制限付きの承認」になっていない
・[ ] 支払い方法が有効
ステップ2:検索されているか
・[ ] キーワードの検索ボリュームを確認した
・[ ] お客さんが使う言葉になっているか見直した
ステップ3:負けていないか
・[ ] インプレッションシェアを確認した
・[ ] 損失理由が「予算」か「ランク」か特定した
ステップ4:絞りすぎていないか
・[ ] 地域・時間・デバイス・オーディエンス・マッチタイプを確認した
・[ ] 緩めるなら1つずつと決めた
よくある質問
Q. キーワードを増やせば表示回数は増えますか
増えますが、関係のない検索も増えます。 追加後は必ず検索語句レポートを確認し、意図しない語を除外してください。
Q. 入札を上げれば解決しますか
「ランクによる損失」が原因なら効きます。ただし「予算による損失」が原因の場合、入札を上げると予算がさらに早く尽きます。 逆効果になるので、先に原因を特定してください。
Q. 表示回数がゼロのキーワードがあります
検索されていないか、審査で止まっているか、入札が極端に低いかのいずれかです。まずステータスを確認してください。
Q. 完全一致だけで運用しています
無駄は少ないですが、機会も限られます。検索語句を確認する手間を許容できるなら、フレーズ一致を試す価値があります。
まとめ:今日できること
1. キャンペーン・広告グループ・広告・キーワードのステータスを4階層すべて確認する
2. インプレッションシェアと、損失理由(予算/ランク)を見る
3. 配信地域・時間・デバイスの制限を確認する
4. 表示回数ではなく、問い合わせが来ているかで判断する
原因を特定せずに入札やキーワードを触ると、費用だけが増えます。 上から順に切り分けてください。
切り分けてみたが原因が分からない、どこから触ればいいか判断がつかない、という場合は「現役代理店がGoogle広告を改善診断します」で、アカウントの設定と数字を一緒に確認しています。原因を特定して、優先順位を付けてお伝えします。