美容室、整体院、クリニック、スクール、宿泊施設。
予約システムを使っている業種で、必ず出てくる問題があります。
「広告は配信しているし、予約も入っている。でも、管理画面のコンバージョンは0のまま」
原因はほぼ決まっています。予約の完了ページが、自分のサイトとは別のドメイン(URL)にあるからです。
この記事では、なぜ計測できないのかと、現実的な4つの選択肢を整理します。
なぜ計測できないのか
コンバージョンの計測は、「成果が発生したページにタグを置く」ことで成立します。
自社サイトなら、フォーム送信後の「ありがとうございました」ページにタグを設置できます。
ところが、外部の予約システムを使っている場合、
自社サイト(タグ設置できる)
↓ 「予約する」ボタン
外部の予約システム(タグ設置できないことが多い)
↓
予約完了ページ ← ここにタグを置きたいが、触れない
という構造になります。完了ページが他社のサービス上にあるため、自由にタグを設置できません。
さらに、ドメインが変わることで訪問者の追跡も途切れることがあります。「自社サイトに来た人」と「予約した人」が同じ人だと認識できなくなる、という問題です。
選択肢1:予約システム側にタグを設置できるか確認する
まずこれを確認してください。最も正確な方法です。
予約システムによっては、管理画面から独自のタグ(コード)を埋め込める機能を持っています。
・「外部連携」「カスタムHTML」「タグ設定」といった項目がないか
・完了ページにコードを入れられるか
・上位プランで対応している場合もある
サポートに直接聞くのが早いです。「Google広告のコンバージョンタグを完了ページに設置したい」と伝えれば、対応可否を教えてもらえます。
設置できる場合
自社サイトのフォームと同じように計測できます。これが最も正確なので、可能ならこの方法を選んでください。
設置できない場合
次の選択肢へ進みます。
選択肢2:予約ページへの遷移を計測する
「予約する」ボタンのクリックをコンバージョンとして数える方法です。
仕組み
自社サイト上の「予約する」ボタン(外部システムへのリンク)がクリックされた時点を計測します。これは自社サイト内の動作なので、タグを設置できます。
利点
・設定が比較的簡単
・すぐ導入できる
欠点(重要)
実際の予約数とはズレます。
・ボタンを押したが、予約せずに離脱した人も含まれる
・空き状況を見ただけの人も含まれる
このズレは想像より大きいことがあります。 ボタンクリック10件で実際の予約が3件、ということも珍しくありません。
使うときの注意
この方法を採るなら、「これは予約数ではなく、予約ページへ進んだ数である」と理解して運用してください。
そして、月に一度、実際の予約数と突き合わせて比率を把握することをおすすめします。「ボタンクリックの約3割が実際の予約」と分かっていれば、その前提で判断できます。
この比率を知らないまま「CV10件」と見て予算を増やすと、実態と合わない判断になります。
選択肢3:予約システム側の集計を手動で突き合わせる
計測を諦めて、人力で紐付ける方法です。
やり方
・予約システムの管理画面で、月の予約数を確認する
・広告のクリック数・費用と並べる
・「広告を出した月と出さない月」で予約数を比べる
原始的に見えますが、小規模なら十分に機能します。
予約時に「どこで知ったか」を聞く
予約フォームに任意項目を1つ足せるなら、「当院を何で知りましたか」を入れてください。
・ネット検索
・広告
・紹介
・以前から知っていた
この1項目があるだけで、精度は大きく上がります。 予約システムによってはカスタム項目を追加できます。
欠点
・自動化できない
・キーワード単位・広告単位の判断はできない
・自動入札が学習できない(計測データが管理画面に入らないため)
選択肢4:予約システムを変える・自社サイトに寄せる
根本的な解決策ですが、影響が大きい選択肢です。
・タグを設置できる予約システムに乗り換える
・自社サイト内で予約を完結させる仕組みに変える
予約システムの乗り換えは、業務フロー全体に影響します。 計測のためだけに変えるのは本末転倒になりかねません。
ただし、もともとシステムの入れ替えを検討しているなら、選定基準に「計測タグを設置できるか」を入れておくと、後で困りません。
どれを選ぶか
状況別の目安です。
・状況:おすすめ
・予約システムにタグ設置機能がある:選択肢1(最も正確)
・広告費が月数万円以下、予約数も少ない:選択肢3(手動で十分)
・広告を本格的に回したい、自動入札を使いたい:選択肢1 → 無理なら選択肢2
・システム入れ替えを検討中:選択肢4の観点を選定基準に入れる
多くの小規模事業者にとっては、選択肢2と3の併用が現実的だと思います。ボタンクリックで日々の傾向を見つつ、月に一度は実数と突き合わせる形です。
やってはいけないこと
ボタンクリック数を「予約数」として扱う
これが最も多い誤りです。
数字が実態の2〜3倍に見えるため、「うまくいっている」と誤解します。その状態で予算を増やすと、実際の獲得単価は想定の2〜3倍ということになります。
計測を諦めて何も見ない
「計測できないから」と何も見ないのは、別の意味で危険です。選択肢3の手動突き合わせだけでも、月に一度やってください。
確認チェックリスト
まず確認
・[ ] 予約システムにタグを設置できる機能があるか調べた
・[ ] サポートに問い合わせた
設置できない場合
・[ ] ボタンクリックを計測する設定をした
・[ ] それが「予約数ではない」ことを理解している
・[ ] 実際の予約数と比べる月次の習慣を作った
あわせて
・[ ] 予約フォームに「どこで知ったか」の項目を足せないか検討した
よくある質問
Q. 予約システムのドメインが自社サイトと違います。何か設定できませんか
クロスドメイン計測という仕組みで、追跡を引き継げる場合があります。ただし予約システム側にも設定が必要なため、対応可否はシステム次第です。サポートに確認してください。
Q. ボタンクリックをCVにすると、自動入札は使えますか
使えますが、Googleは「ボタンクリック」を成果として学習します。 実際の予約につながらないクリックを増やす方向に最適化される可能性があります。この点は理解して使ってください。
Q. 電話予約もあります。どう扱えばいいですか
電話は別の計測方法が必要です。ネット予約と電話予約を分けて数える設計にしてください。
まとめ:今日できること
1. 予約システムにタグ設置機能があるか、サポートに問い合わせる
2. 設置できないなら、ボタンクリックの計測を設定する
3. その数字が実際の予約数ではないことを明記して記録する
4. 月に一度、実際の予約数と突き合わせて比率を把握する
完璧に計測できなくても、比率さえ分かっていれば判断はできます。 「計測できないから諦める」でも「ボタンクリックを予約数と思い込む」でもない、中間の運用が現実的です。
自分の予約システムで何ができるか分からない、設定の仕方が不安、という場合は「Google広告のCV計測・タグ設定を支援します」で、画面を共有しながら一緒に確認しています。サイト構成によっては対応できない場合もあるため、事前にサイトURLをお送りいただければ可否をお伝えします。