僕は高所恐怖症で・・だから、そんな自分を忘れていても、夢はそんな自分を忘れさせてはくれない。
昨夜の夢は、恐怖だった・・ビルの最上階の出窓・・コンクリートの出窓のその外枠の上に、僕は座っていた。どうやったらここから降りられるのか・・どうしたらここから無事に、降りることができるのか・・
出窓は外壁から50センチくらい出っ張ってて、僕はその50センチの上で、ビビッていた。背中を外壁に押しつけて、とにかく怯えていた。外壁を這い上って屋上に・・なんていうことができる状態ではなかった。
怖くて怖くて、ただ、怖かった・・しかし、なんとかしないと・・ずっとこのままでいられるわけでもないのだから・・
僕は、考えた・・これしかない、と思った。雨どいが、手の届くところにあって、その雨どいは、地面にまで下りていた。これにつかまって、下まで行くしかない。
しっかりと、握りしめて・・雨どいを、しっかりと、握りしめていれば・・そうすれば、大丈夫だ・・雨どいから、手を離さなければ・・大丈夫だ・・
そして・・大丈夫だった。ああ、怖かった。