「予約が少ないから、料金を下げてみよう」
宿泊予約が思うように入らないとき、多くの施設が最初に考える対策です。
確かに、価格は宿を選ぶ重要な判断材料です。しかし、料金を下げたからといって、必ず予約が増えるわけではありません。
なぜなら、お客様がその宿を選ばない理由は「高いから」ではなく、そもそも魅力が伝わっていない、違いが分からない、不安が残っているといった、価格以外の部分にあるかもしれないからです。
原因を確認せずに値下げをすると、予約が増えないまま利益だけが減ることもあります。
■値下げしても、見られていなければ予約は増えない
宿泊料金を下げても、検索結果で見つけてもらえていなければ、お客様には届きません。
また、宿のページが表示されても、最初の写真やプラン名に魅力を感じてもらえなければ、詳しい内容を読まれる前に候補から外れてしまいます。
この状態で値下げをしても、「選ばれない宿が少し安くなっただけ」になってしまいます。
まず確認すべきなのは、料金ではなく、
・検索結果に表示されているか
・最初の写真で興味を持たれているか
・プラン名から魅力が伝わるか
・予約ページまで進んでもらえているか
という、予約前の流れです。
■他の宿との違いが分からない
料理、温泉、海、自然、静かな環境――。
どれも宿の魅力ですが、周辺の施設も同じような表現をしている場合、お客様には違いが伝わりません。
違いが分からなければ、最終的に比較しやすい「価格」で選ばれます。
つまり、価格競争が起きる原因は、料金が高いことではなく、価格以外の比較材料を十分に示せていないことにあります。
「当館には何があるか」だけではなく、
「誰にとって、どんな時間を過ごせる宿なのか」
まで伝えることが重要です。
■安さよりも不安が勝っている
お客様は、安い宿を探しているだけではありません。
「料理は写真どおりだろうか」
「部屋は清潔だろうか」
「子どもを連れて行っても大丈夫だろうか」
「追加料金はかからないだろうか」
「悪い口コミに書かれている点は改善されているだろうか」
こうした不安を抱えながら宿を比較しています。
料金を下げても、この不安が解消されなければ予約にはつながりません。
設備、食事内容、館内の過ごし方、子どもへの対応、キャンセル条件などを具体的に掲載し、予約前の疑問を減らすことが必要です。
■値下げによって、魅力まで低く見られることがある
安さは強い訴求になりますが、下げすぎると、
「なぜこんなに安いのだろう」
「料理やサービスの質は大丈夫だろうか」
「人気がない宿なのではないか」
と、かえって不安を持たれる場合があります。
特に、料理や接客を強みにしている宿が価格だけを前面に出すと、本来の魅力が伝わりにくくなります。
値下げをする場合も、単に安くするのではなく、
・平日限定
・直前予約限定
・連泊限定
・サービス内容を絞ったプラン
・早期予約特典
など、安くできる理由が伝わる設計にした方が、宿の価値を守れます。
■値下げは、予約数以上に利益へ影響する
例えば、2万円の宿泊プランを1万8,000円に下げると、売上単価は10%下がります。
同じ売上を維持するには、これまでより約11%多く販売しなければなりません。さらに宿泊人数が増えれば、料理原価、清掃、光熱費、予約サイトの手数料なども増えます。
そのため、「予約件数が少し増えたから成功」とは限りません。
確認すべきなのは予約数だけではなく、値下げ後にどれだけ利益が残ったかです。
■値下げの前に確認したい5つの項目
料金を変更する前に、次の項目を確認してみてください。
1.来てほしいお客様が明確になっているか
2.最初の写真で宿の強みが伝わっているか
3.プラン名だけで内容と魅力が分かるか
4.他の宿ではなく、自館を選ぶ理由があるか
5.予約前の疑問や不安に答えられているか
この5つが曖昧なままでは、値下げをしても一時的な効果で終わる可能性があります。
料金を下げる前に「選ばれない原因」を見つける
値下げそのものが悪いわけではありません。
大切なのは、なぜ予約が入らないのかを確認し、目的を持って料金を調整することです。
見つけてもらえていないのか。
興味を持たれていないのか。
他の宿との違いが伝わっていないのか。
予約前の不安が残っているのか。
予約が止まっている場所によって、必要な対策は変わります。
「何から確認すればよいか分からない」
「値下げ以外の改善方法を知りたい」
「自館の魅力を予約につなげたい」
そんな宿泊事業者の方に向けて、予約が増えない原因の見つけ方と、具体的な改善手順を実践教材にまとめました。
口コミ、競合施設、ターゲット、写真、プラン名、SNS、予約導線などを順番に確認できる内容です。
▼教材の詳しい内容はこちら
価格を下げる前に、まずは宿の魅力が正しく伝わっているかを見直してみてください。
選ばれない原因は、宿の価値ではなく、その価値の伝え方にあるかもしれません。