娘がタトゥーをいれまして 第五話

娘がタトゥーをいれまして 第五話

記事
コラム
「娘がタトゥーをいれまして」
ついに最終回です。

19歳の娘に一人の人間として降参し
「私が悪かった、謝りたい」
と心から思えた夜、私はすぐに娘へ
テキストメッセージを送りました。

感動の結末へ……!

となるはずが、翌朝、
私に信じられない異変が起きたんです。

なんと、あれだけ深い気づきを
得たはずなのに、私の脳が、
必死で元の私に戻そうとしてくる。

『別にタトゥーなんて
 許さなくてよくない?』

『なんで私ばっかり
  折れなきゃいけないの?』

『やっぱり娘の方が悪いんじゃない?』

せっかく開いたパンドラの箱の蓋を
脳が全力で閉めにかかってくるんです。

これが、いわゆる爬虫類脳的な
【現状維持機能】なのかもしれません。

変わりたい。

幸せになりたい。

仲直りしたい。

頭ではそう思っているのに
脳は必死で、慣れ親しんだ
「不幸な私」「被害者の私」
に戻そうとしてくる。

【気づいたから終わり】
ではなかったんです。

むしろ、本当の勝負はここからでした。

危うく、いつもの
「拗ねて、怒って、他人のせいにする世界」
に引き戻されそうになりました。

でも、今の私はもう
その罠に気づいていました。

「あ、これは本当の私じゃない」

「これは、古い私が
元に戻ろうとしているだけ」

そう自分に言い聞かせました。

そして最後に
何度も何度も心の中で確認しました。

「私は、娘と仲直りしたい。
 ただ、それだけ。」

湧き上がるエゴをなだめながら
私は娘からの返信を待ちました。

しばらくして
娘から届いたメッセージ。

そこには、私の心配をすべて
吹き飛ばすような
信じられない言葉が書かれていました。

「ママ、メッセージありがとう。
私がタトゥーを入れたのは
ママを傷つけたいからじゃないよ。
私はただ、自分の体に
大好きな翼を刻みたかっただけ。
これは私のアイデンティティだよ。
自分の意思で、
どこにでも羽ばたいて行くってこと。

ママも自由になって。

ママのことは、今でも変わらず
世界で一番愛してるよ」

……涙が、ボロボロと
溢れて止まりませんでした。

娘は、最初から何も変わって
いませんでした。

変わるべきだったのは、
親の呪縛に囚われ
被害者のヒロインを演じて
娘の自由を縛ろうとしていた
「私」の方だったんです。

53歳、ニュージーランドの大自然の中で。

私は19歳の娘のタトゥーを通して
半世紀以上抱えてきた
「自分の親へのトラウマ」を乗り越え
自分を根本から新しく
生まれ変わらせることができました。

長くなりましたが、
この「53歳母親の泥沼ジタバタ劇」
を最後まで読んでくださり
本当に、本当にありがとうございました。

もし、あなたが今、子育てや
ご自身の親との関係

あるいは
「変わりたいのに変われない生きづらさ」
に悩んでいるなら……

新しい一歩を踏み出してみませんか?

ぜひ、私に胸の内を聞かせてくださいね。




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