「大丈夫ですよ」
「最近人気の間取りです」
「SNSで人気のアイデアですよ」
と言われるとそのままで間違いはないだろう。
なんとなく不安は残るけどこれ以上聞くと失礼かもしれない。
営業も設計も信頼できる方だから大丈夫だろう。
家づくを進めていくと図面を決めなくてはいけない瞬間が訪れます。
その時になんとなく不安を抱えているとその先に続く打ち合わせも、仕上がりも、しっくりこなくなるかもしれません。打ち合わせが進むほど契約前に決めていた事は確認しづらくなっていくものなので今回は後悔を生まない為にはどうすれば良いか書いていこうと思います。
「大丈夫ですよ」という設計者の目線
はじめに、設計者が「大丈夫ですよ」という意味合いの言葉を使う時は以下の理由が考えられます。
・構造的な問題や法規的な問題は無い為実現できる
・経験上一般的に好まれやすいと判断している
・計画として一般的に必要とされる数値を満たしているので問題無い
お施主様やその家族の情報が最低限の状態では設計者は上記のように「平均的な」図面を提案するしかありません。お施主様にとってベストアンサーかは不明でも建築計画として適切であれば「大丈夫ですよ」な訳です。
ですので決して適当にその場しのぎで言っているのではないですし建築士としては適切な思考をした結果をお伝えしていると思います。
ただ、悪い言い方をあえてすると、あとで文句を言われても反論できる根拠はある状態という事です。
私は個人的に経験上大丈夫ですよ言う時は、誤解を生まない為に「一般的にはこうです」と正直にお伝えした上で、メリットとデメリットを説明するようにしています。
それでも後悔が生まれる理由
設計者が適切に建築計画をしているなら、なぜ後悔が生まれるのでしょう。その理由は以下の事が考えられます。
①設計者はまず「平均的な」使い方で間取りを考えている
②図面上の「正解」とお施主様にとっての「快適」は必ずしもイコールではない
③それがイコールになっているかの確認作業がお互いにできていない
前述している通りですが設計者は具体的な要望が無いところに関しては、まず「平均的な」設計や「喜ばれた経験のある」設計を心がけます。
これによって例えば以下のような「後悔」が生まれる可能性があります。
●図面上では問題無かった「朝の動線」
図面上では洗面室・トイレ・キッチンが近くに配置され一見すると動きやすそうな配置でしたが、実際に使ってみると
・朝、家族と動線が重なる
・洗面を使っていると通りづらい
・急いでいる時間程ストレスが大きい
これは図面上の距離や帖数ではわからない「家族同士の時間帯での使われ方」が事前に十分確認できていない時に起こり得るケースです。
●収納は多いのに「使いづらい」
図面上はシューズクロークあり、パントリーあり、各部屋にクローゼットありで面積的な割合では収納量はしっかり確保できており何の問題もなさそうです。ですが実際は
・靴を収納している棚がシューズクロークの中だけなので履き替えがしにくい
・収納を全て扉付きの中に計画した為、頻繁に使用するものが出しっぱなしになりがち
・よく使う物を収納する場所がこだわった動線上に無い
これは図面上での収納量を把握するだけではわからない「どのように使うか」「どのような生活動線か」を事前に確認できていない時に起こり得るケースです。
後悔を生まない為にはどうするべきか
お施主様が始めから細かく要望や情報を伝える事は、プロに頼むのにおこがましいと感じてしまったり、そもそも何をどう伝えれば良いのかもわからず難しいと思います。そして設計者側も始めは「平均的に好まれる」提案をする事は当然の事でもあります。
ですので、提案後の図面の打ち合わせをしてく中で,どれだけより深くお互いの考えが嚙み合っているかを図面を通して確認していく事が重要です。
どれだけ信頼できる営業や設計でも最初からお施主様にとって最適な提案ができるとは限りません。
一回の打ち合わせでお互いに理解し合い、図面を確認していく事は不可能ですので、何度か打ち合わせを繰り返し自分にとって洗練された図面となるように進めていきましょう。
お施主様側から具体的にできる事は
・必要な部屋数や広さはできるだけ具体的に伝える
・家族構成や家族の生活の時間帯の違いを伝える
・部屋の使い方や希望の動線があればできるだけ具体的に伝える
・提案された図面を確認して打ち合わせの前に気になるところをメモしておく
・メモした内容を伝えて説明を受けて選択肢を確認する
・参考として要望が近い別の図面を見せてもらい違いを説明してもらう(新しい判断材料が増えるかもしれません)
・家族以外の方にも間取りを見てもらう
※「図面をどう見れば良いかわからない方」は別のブログでも方法を書いていますので宜しければ参考にしてください。
大切な事は選択肢を知った上で納得して進める事です。メリットとデメリットは常にあるものなので自分が理解した上で決めているという自覚があとで後悔を無くすポイントになります。
不安がゼロになる必要は無い
ここまで後悔を無くす為の記事を書いてきましたが最後にお伝えしたい事は
・不安はゼロになる必要はありません。ほとんどの方にとって初めての事の連続、高額な買い物をする中で不安に思う事は当然の事です。
・それでも「考えを整理する」「選択肢を知る」その上で契約をする方が安心です。
・なんとなく不安という感覚は無視しなくていいです。
できるだけ理解し納得して進める事が幸せな家づくりにおいて大切な事です。
もし
なんとなく不安な感じがする
要望通りになっているか確認したい
第三者目線で見てほしい
そのような場合は宜しければ図面のチェックのサービスをしておりますのでご相談していただければと思います。