脳の世紀シンポジウム講演収録集15(本)

記事
コラム
 本のタイトルは、「脳を知る・創る・守る・育む15」(「脳の世紀」推進会議編 金澤一郎、伊藤正男、武田雅俊、柚﨑通介、田中沙織、黒田公美、津本忠治)です。テーマは「アルツハイマー病の早期診断と治療」、編集:「脳の世紀」推進会議、発行者:松田國博、発行所:株式会社クバプロ、発行日:平成26年7月10日、定価1200円+税。
 それでは、脳の世紀シンポジウム講演収録集15について簡単に紹介いたします。
 講演収録集15は、「脳の世紀」推進会議の主催により開催された第21回「脳の世紀」シンポジウムでの講演を収録したものです。第21回シンポジウムは2013年9月11日に、東京の有楽町・朝日ホールにて開催されました。
脳を知る・創る・守る・育む 15の目次
開会挨拶   NPO法人脳の世紀推進会議副理事長      金澤 一郎
Ⅰ章 特別講演
脳の世紀にかける期待と展望
  NPO法人脳の世紀推進会議理事長            伊藤 正男
 東西冷戦の終結と科学技術/イギリス型と日本型の研究戦略/脳研究は生命科学/ライフサイエンスの目玉の一つに/脳科学の推進計画/神経細胞の活動を捉える脳科学の新技術/神経回路網の活動を捉える脳科学の新技術/
脳科学これからの二○年……BAM計画/ヒューマン・ブレイン・プロジェクト/革新的技術による脳機能ネットワーク全容解明/国家研究プロジェクトの考え方の変遷/脳の最高次機能の仕組みは解明されるか

Ⅱ章 脳を守る
アルツハイマー病の早期診断と治療薬開発
  大阪大学医学系大学院精神医学教授           武田 雅俊
 平均寿命はその国の経済力と比例する/認知症(アルツハイマー病)は社会性の疾患/アルツハイマー病の前段階/アルツハイマー病の新しい臨床診断基準/薬の開発状況/アルツハイマー病の薬物開発の困難さアルツハイマー病の新しい治験の試み/現状での認知症の予防/まとめ

Ⅲ章 脳を知る
記憶を支える構造「シナプス」はどのように形成され失われるのか?
  慶應義塾大学医学部生理学教授             柚﨑通介
 精神疾患研究におけるパラダイムシフト/神経細胞は連続しているか/
神経回路の構造・シナプスにおける化学信号/シナプスこそが記憶装置/
短・中期記憶の分子メカニズム/長期記憶の分子メカニズム/シナプス形成分子とは/Cbln1は免疫系の補体ファミリーに属する/Cbln1はシナプス形成と維持に必須/人工シナプスによるシナプス形成能のアッセイ/GluD2はもはや孤児受容体ではない/小脳でのシナプス形成モデルを初めて説明/「環状」の突起の意義/GluD1遺伝子変異と精神疾患/他の補体関連分子シグナル

Ⅳ章 脳を創る
経済学的意思決定にかかわる脳のしくみ
 大阪大学社会経済研究所准教授(現 国際電気通信基礎技術研究所主任研究員)田中 沙織
 わたしたちは「価値」をもとに意思決定している/時間割引の脳のしくみ/
時間割引と社会健康問題との関連/異時点間選択問題/時間割引と脳の振舞い/ミニfMRI講義/脳はいろいろな時間の物差しで期待値を計算している/
脳活動とセロトニン量の関係/符合効果の脳のしくみ/符号効果と経済学との対応/まとめ

Ⅴ章 脳を育む
親子関係をはぐくむ脳のはたらき・子育てと愛着の相互作用
 理研BSI 黒田研究ユニット・ユニットリーダー      黒田 公美
哺乳類の子育て/親子関係は哺乳類の子の成長に必須/社会的隔離の影響・・サル/社会的隔離の長期影響……ヒト/養育者への責任追及の時代もあった/
発達環境の影響は取り返しがつかないものではない/親子関係の理解と支援/
親子関係の神経基盤は分子レベルで研究できる/子育て学習に必要な分子メカニズム/子育てには「本能+経験」が必要/親子関係への子どもからの貢献/まとめ

閉会挨拶 津本 忠治
著者紹介

 伊藤正男先生による特別講演は、国際情勢の変動に対する日本の脳研究の示唆に富んだものでした。日本学術会議の会長もされていたので、国際研究に対する研究比較のお話しもありました。イギリスでは、基礎研究と応用研究の間に戦略研究を設置し、基礎研究者にも応用研究に近い研究をして欲しいというものでした。日本は、基礎研究よりも応用研究に多くの研究費を投資しているので、もっと基礎研究に近い研究をして欲しいとの思いで、イギリスの戦略研究を日本でも実施する提案をしたそうです。最終的に、それが日本では目的達成型研究、目的指向型研究として実現したそうです。あとは、脳研究の現状と脳科研究のこれから20年の展望についてのお話しがありました。
 脳研究に興味がある方はこの本を読んでいただけたら、研究の裏側や脳研究の将来展望を垣間見ることができます。
 いつもの脳研究講演は、アルツハイマー病の早期診断と治療薬開発他の研究成果などの講演もあり、興味深いです。詳細は、目次のとおりです。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す