なぜなぜ分析、カウンセリングでは不毛です

なぜなぜ分析、カウンセリングでは不毛です

記事
コラム
製造業の現場などで使われる「なぜなぜ分析」。

起きた問題に対して「なぜ」という問いを繰り返していくことで、本質的な原因にたどり着ける、というものです。

この手法をカウンセリングの場面で、人の気持ちや考え方の分析に使おうとするのを見たことがあるのですが、ハッキリ言って不毛(それどころか害悪)だと考えています。

かつてエンジニアとしてなぜなぜ分析も製造現場で使っていた経験から、なぜなぜ分析をカウンセリングで使うのが不毛となる理由について、解説していきます。

大前提:なぜなぜ分析は、個人攻撃には使わない

製造現場でもカウンセリングでも同じなのですが、なぜなぜ分析は個人攻撃に使ってはいけません。
「〇〇さんは ×× なところがあることが原因だ」という結論に持って行ってはいけない、ということです。

基本方針は「人を責めるな。しくみを責めろ」です。
ここは実は、製造業にいる人も間違いやすいところです。また、分かっていても、ついやってしまいがちです(自分にも言い聞かせてます)。

暴論を言えば、製造業の人ですらなぜなぜ分析は難しいのだから、心理士のような他の業界の人は使わない方が無難、と私は考えています。


なぜなぜ分析の条件① 仕組みの改善に使う

先ほども少し書きましたが、なぜなぜ分析は仕組みの改善に使います。
言い換えれば、誰にでも適用可能なことにのみ使う、と言えます。

例えば、生産工場の作業工程で問題が起こったとします。
そのときには、作業台の上の配置を変えましょう、とか、定期教育の内容で次からここを強調しましょうとか、そういった結論を導き出すのに使います。

これだけでも、1対1のカウンセリングで個人の課題を考えるときに、なぜなぜ分析が適していないことは分かると思います。

相談者から
「私は何かに挑戦しようとしても、どうしても自分が失敗するイメージが浮かんでしまい、一歩が踏み出せません。なぜ私はそのように考えてしまうのでしょうか?」
と問いかけがあったとしても、絶対になぜなぜ分析を使ってはいけません。

なぜなぜ分析の条件② ゴールが具体的で、客観的評価に基づくこと

なぜなぜ分析では、ゴールが具体的であることが求められます。
多くの場合は、数字で表します。

例えば「50分かかる作業工程が80分かかったのはなぜか?」という問いであれば、ゴールは作業工程が50分で終わることです。

一方カウンセリングで「なりたい自分をイメージし、今の自分との差を考える」という場合、あまり数字で表すことはありません。
そもそも「なりたい自分」を本当にイメージできているのか?というところから問い直す必要があるでしょう。


おわりに

なぜなぜ分析を使うための条件は他にもありますが、カウンセリングとの違いとして分かりやすいのは上の2点だと思います。

補足ですが、カウンセリングで絶対になぜなぜ分析を使ってはいけないわけではありません。学校や会社に行くときに忘れ物が多い!といった相談に対して、現状把握を正しくできるのであれば(ココ重要)、なぜなぜ分析は有効になることがあります。

また、なぜなぜ分析を正しく使えたとしても、その効果の範囲には限界があります。なぜなぜ分析で解決できることはする。できないことには他の手法を用いる。その見極めも大切になるでしょう。


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