読み切り超短編小説「雨の月曜日」
「きょうの授業は揚力と抗力の関係についてです。皆さんが分かりやすいようにヨットに例えて説明します。一口にヨットといっても小型のディンギーと呼ばれるものから大型のクルーザーと呼ばれるものまでいろいろあります。まあ、大きい小さいは別として、どこの家庭にも一艘(そう)や二艘はあると思いますが…」(ねぇーよ。堀江謙一じゃないんだから!)ボクは心の中で食い気味にツッコミを入れた。2022年6月6日 横浜市内の某公立高校 この日朝から先生たちのテンションがいつもと違っていた。普段全く冗談なんか言ったことがなかった物理の先生が初めてボケた。2限目の堅物な国語の先生は授業の終わりがけに時計をチラチラ見ながら、話し始めた。「では少し時間が余ったので小咄をします。ある晴れた日の午後 道を歩いていたら、向こうから赤い洗面器を頭にのせた男が歩いてきました。洗面器の中にはたっぷりの水。男はその水を一滴もこぼさないように、ゆっくり、ゆっくり歩いてきました。私は勇気をふるって、『ちょっとすいませんが、あなたどうしてそんな赤い洗面器なんか頭にのせて歩いているんですか?』と聞いてみました。すると男は答えました。」「カランコロン」授業の終わりのチャイムが鳴った。「じゃあ、きょうはここまで。」 堅物先生がドヤ顔で言った。それでもまだここまではマシな方だった。3限目の神経質な英語の先生は両耳にバナナを刺して教室に入ってきた。「先生、どうして耳にバナナを刺しているんですか?」「……」「あのー先生、どうして耳にバナナを刺しているんですか?」学級委員がさっきより少し大きな声で再び聞いた。「あっ、ゴメンゴメン、耳にバナナを
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