#288 「気を付けて」繰り返しても防げなかった“バス置き去り死”…
「気を付けて」繰り返しても防げなかった“バス置き去り死”…子どもの命救うには?世の中のさまざまな事象のリスクや、人々の「心配事」について、心理学者であり、防災にも詳しい筆者が解き明かしていきます。 9月5日、静岡県で通園バスの車内に置き去りにされたお子さんが亡くなりました。昨年7月にも福岡県で同様の事故が起きています。筆者にも4歳の娘がいますので、お子さまを亡くされたご家族の心中を察するといたたまれない気持ちになります。一方で、このような事故がなぜ繰り返されるのか、なぜ防げないのかを、安全の専門家の立場から考えると、世論が責任追及のための感情的な議論に偏っていて、再発防止に本気で取り組めていないからだという気がしてなりません。どうすればこのような事故を防げるのか、考えてみたいと思います。「エラー」はゼロにできない このような事故が「あってはならないこと」であるのは言うまでもありませんが、記者会見で語られた事故の経緯によれば、意図的で重大な違反行為があったからというよりは、本来行われるべき手順の省略や順序変更、思い込みなど、一般的なヒューマンエラーが不運にも重なってしまったことが原因と考えられます。「人命が関わるような場面で、このようなエラーは許されない」と言いたくなる気持ちは分かりますが、人間は気を付けていても、必ずエラーをしてしまう生き物です。残念ながらエラーが起きる仕組みは、人命が関わる場面でも関わらない場面でも同じなので、人命が関わる場面であっても、エラーの発生率をゼロにすることはできません。 人間のエラー率は、行為をする人の意識レベル、作業の内容、他の作業との関係、疲労
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