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留学のパラドックス

コロナ禍も終わり国際化が叫ばれる中、留学をしたい学生や所属する学生に留学を奨励したい大学が再び増えているように感じます。私自身、1年間の交換留学を義務付ける国際教養大学に所属していたため、3年次にノルウェーのオスロ大学に留学をしました。多くの留学経験者が留学の利点として「視野の広がり」を挙げており、留学について調べればすぐにこのフレーズを見つけることができるでしょう。実際、日本という海に囲まれた島国で生まれ育った人にとって、自らの常識や慣習が通用しない異国の地で一定期間生活をすることで、新しい価値観や習慣を獲得し自分自身を形作ってきた文化を相対化できる、という意味で留学は視野を広げる機会となるでしょう。しかし、留学後にその広がった視野を生かせている人はどれだけいるでしょうか。少なくない数の学生が、帰国してすぐに留学前と変わらぬ型にはまった生活に戻り、大企業からの内定を狙う就活の中で口を揃えて語学力と留学による異文化交流や視野の拡大をセールスポイントとします。「郷に入っては郷に従え」という言葉もあり、また留学経験の影響の大きさやその内容自体も嘘ではないのでしょうが、実際に多角化した視点を用いる意志と機会がない限り、留学最大のメリットも空虚なキャッチフレーズのように響きます。どうか留学経験者がその経験を生かせる社会でありますように。
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「どっちが本物?」~自己同一性のパラドックス~

1987年にアメリカの哲学者であるドナルド・デイヴィドソンが考案した思考実験に「スワンプマン」というものがあります。 ある男がハイキングに出かけました。 ところが、その道中、この男は不運にも沼の傍で雷に撃たれて死んでしまいます。 男の身体は分子・原子レベルで崩壊しましたが、男の精神は近くにあった木に宿りました。 このとき、もう一つ、別の雷が沼にも落ちて、この落雷が奇跡的に沼の汚泥と化学反応を起こし、死んだ男と全く同一・同質形状の生成物を生み出しました。 この落雷によって生まれた新しい存在のことをスワンプマン(沼男)といいます。スワンプマンは原子レベルで、死ぬ直前の男と全く同一の構造を呈していて、外見も全く同一です。 もちろん、脳の状態も完全なるコピーであることから、記憶も、知識も、全く同一であるように見えます。 沼を後にしたスワンプマンは死ぬ直前の男の姿で、街に帰っていきます。 そして死んだ男がかつて住んでいた部屋のドアを開け、死んだ男の家族に電話をし、死んだ男が読んでいた本の続きを読みふけりながら、眠りにつく。 そして翌朝、死んだ男が通っていた職場へと出勤していく。 さて、ここで問題です。 この「死んで精神が木に宿った男」と「沼から生まれたスワンプマン」、どちらが本物なのでしょうか? これは難しい問題ですね。 精神の同一性、という観点からみれば、気に宿った男が本物のような気がしますが、原子レベルまで同じ身体を持ったスワンプマンがもはや本物のような気もしますよね。 ましてや、スワンプマンには同じ記憶も知識もあるのですから、本物と言って全然差し支えないような気がします。 しかし、
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読み切り超短編小説「曇りがちな火曜日」

※この作品は「雨の月曜日」の続きになっておりますので先にそちらをお読みください。 (それじゃー読み切りじゃないじゃない!)  ん…? (いやいや、それでは読み切りと言わないでしょ!)  すみません、耳にバナナを刺していたのでよく聞こえませんでした。 2022年6月7日(火) 森七菜似の教育実習生の数学の授業が始まった。 昨日は各先生方について回り、きょうから自分で授業を行うことになった。 … 「0.99999999999999999…(永遠に続く) = 1 です。理解できますか?」 森七菜が説明してくれても何となく気持ちが悪かった。 「じゃあこれはどうですか。」 1/3 = 0.3333333333333333… こちらは、なんとなく納得できそうだ。 「では、両辺に3を掛けます。」 1/3 X 3 = 0.9999999999999999… 1 = 0.999999999999999… (うーん何となくわかったような、だまされたような) …  授業の終わりがけに森七菜が言った。 「来週の月曜日から金曜日までのいずれかの日にテストを行います。 抜き打ちテストなので、テストが行われる日がいつかは教えません。」  数学が得意な学級委員が口を開いた。 「先生、金曜日に抜き打ちテストがあると仮定します。すると、月曜日から木曜日まで抜き打ちテストがないことになるから、木曜日の夜の時点で、翌日(金曜日)が抜き打ちテストの日であると予測できてしまいます。これでは抜き打ちとは言えないので、金曜日には抜き打ちテストを行うことができないということになります。 次に、木曜日に抜き打ちテスト
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「ウォッシュ・ボム」

【大掃除】8歳の時冬休み前に大掃除があった。この時俺の班は教室の掃除当番になった。教室の掃除は履き掃除をして雑巾がけをしてワックスを塗る。最後のワックス塗りの時は教室に入れなくなる。なのでワックス塗りは最後になる。この時クラスの子たち全員の荷物を廊下に出さないとならない。この時だけはクラス1人1人が自分の荷物を廊下に出す事をしてくれた。〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓【ロケットペンシル】我々の班は早速拭き掃除を始めて床のゴミをかき集めた。この時ロケットペンシルの芯がかなりたくさん集まった。°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°そしてそれは我々の班の子達でコッソリ山分けして自分の物にしてしまう。この頃はロケットペンシルが凄く流行っててみんなこのペンを使ってた。中には良い香りがするロケットペンシルもあった。俺もこの香り付きが好きでキャラメルの香りがするロケットペンシルを使ってた。そして掃き掃除が終わり次は一番いやな雑巾がけになった。(´;д;`)ヤダ〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓【雑巾がけ】雑巾がけは床の木のタイル1枚に対して5往復ずつするように先生に言われてしまう。ギャァァァァァァー!∑(゚Д゚ノ)ノそしてみんなで横1列になって縦25枚の木のタイルを5往復ずつ拭き始めた。しばらく拭いてるとだんだん疲れて飽きてきた。そこで俺は何とかこの嫌な作業を手っ取り早く終わらせたいと思い何か良い方法がないか考えてみた。そして1つ名案が思い浮かんだ!( ゚д゚)ソウダ!それは木のタイル1枚1枚5往復するより縦1列を一気に5往復した方が速く終わるんじゃないかと感じた。そして俺
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どちらも同じはホントに同じ?

どちらも同じだからというセリフはよく聞くがよく考えてみるとどちらも同じと言いながら一方を選択するのは選択をする決め手が必ずあるはずでどちらも同じではないことのあかしだ。言葉には逆の意味を持っている言い回しがけっこうありそうだ。
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