絞り込み条件を変更する
検索条件を絞り込む
有料ブログの投稿方法はこちら

すべてのカテゴリ

3 件中 1 - 3 件表示
カバー画像

EERの追加説明

先日のコラムで、トレーディングシステムの安定性を評価する指標として、EER(Efficiency to Error Ratio)なるものを提案しました。 この値が大きいほど、リスクが小さく効率が高いシステムであるといえます。 また、売買完全対称のシステムであれば、EERの絶対値が大きいほど高効率・低リスクのシステムであるといえます。買い建てでEERを算出して結果がマイナスになった場合は、売り建てで計算し直せば符号を逆転することができるわけです。 もちろん、これは手数料等を考慮していませんが、EERが十分大きければ、それらを差し引いても安定した収益を得ることができるでしょう。 さて、ここでEERの意味についてもう少し突っ込んで考えてみます。 今、EER=4のシステムがあるとします。 これは、期待効率が4円/株日で標準誤差が365円なのかもしれないし、期待効率が8円/株日で標準誤差が730円なのかもしれません。 ここで、最初のシステムをシステムA、2番目のシステムをシステムBと呼ぶことにします。 今、最大許容損失を100万円とした時、それが標準誤差の2倍×株数となるようにトレードを行うものとしましょう。 すなわち、1株当たり資産が標準誤差の2倍分下落したらシステムを停止し、その時の損失が最大許容損失を超えないようにするわけです。なお、株数は100株単位とします。 システムAの場合、株数は1,300株となり、1日当たり5,200円の期待収益となります。一方、システムBの場合は株数600株で、1日当たり4,800円の期待収益となります。 株数を100株単位としたためシステムAとBとで1
0
カバー画像

Efficiency to Error Ratio (EER)

トレーディングシステムの評価項目は多岐に亘ります。代表的なものでは、勝率、プロフィットファクター(PF)、損益レシオ、最大ドローダウン、などが挙げられるでしょう。しかし、これらは単一で評価に用いられるものではなく、総合的に判断されるべきものです。そのため、これらの数字を並べただけでは、そのシステムの性能を把握することは困難かもしれません。 システムの性能を判断するには、資産カーブを見ることが一番だと考えます。これには、期待効率やドローダウン、安定性等の重要指標が含まれるからです。ただ、資産カーブだけでは定量的な判定に限界があり、重要指標に関しては数値化して併記する必要があることも事実です。 私たちがトレーディングシステムを開発する際、重要なのは、そのシステムがどれくらいの利益を上げてくれるのか(期待効率)、またリスクはどれくらいか、といったことでしょう。 期待効率は、資産カーブの傾きを求めれば分かります。日付などの時間データに対して、累計資産の推移をプロットしたものが、資産カーブです。 エクセルでSLOPE関数を用いれば、資産カーブの傾き、すなわち期待効率を算出できます。 リスクに関しては、累計資産の標準誤差を求めればよいでしょう。これは累計資産の日付に対するSTEYX関数を用いれば算出できます。 資産カーブの実際値が、推定値(回帰直線上の値)から標準誤差の2倍分差し引いた値以上にある確率は95%であると考えられます。すなわち、多くの場合、この標準誤差の2倍分下方という基準が、リスクの許容限界ということになるでしょう。 さて、では様々なトレーディングシステム間の性能を比較するに
0
カバー画像

シグナルを探せ!

トレードにおける損切り基準として、ボラティリティの標準偏差を見ることは重要です。これは電気回路で例えれば、いわゆるノイズということになります。 ノイズがあるからには、当然シグナルも考えることが出来ます。さらに、このシグナルとノイズとの比を取り、その対数を取れば、よく知られるSN比ということになります。 品質工学においては、このSN比は非常に重要な概念です。これが大きいほど、安定した品質を得ることが出来るのです。特に、外乱に対してSN比が低下しにくいシステムほど、優れたシステムであるといえます。 この考え方を展開したタグチメソッドは、工業分野に留まらず、様々な分野で応用されています。 SN比が大きく安定しているということは、株式投資で言えば株価の変動の影響を受けにくい、ということです。 さらに、SN比と並ぶもう一つの概念として、感度というものがありますが、これが大きいほど出力を大きく取ることができます。まずはSN比の最適条件を求め、この条件を崩さない範囲で感度を最大化するというアプローチになるわけです。 さて、この考え方は当然、株式投資、特にシステムトレードに応用できます。SN比の構成要因であるノイズについては、ボラティリティの標準偏差を用いることで、見当をつけることができるでしょう。問題は、シグナルです。 SN比は最終的に対数を取るわけですが、その対数演算を行なう値は正数でなければなりません。すなわち、マイナスの値を取り得るファクターをシグナルにすることは出来ません。株価収益率や資産増加率などは、そのままではシグナルとして使えないのです。 今までは、資産カーブの直線性、すなわち
0
3 件中 1 - 3
有料ブログの投稿方法はこちら