中国上海税関で危険化学品検査逃れにより、14万人民元の罰金
中国では、税関による輸入危険化学品に対する検査の強化は続いています。特に全国危険化学品の輸入量の5割を占めると言われる上海では、検査逃れへの取り締まりが強まっています。
2023年4月26日に上海税関が公開したある処罰決定書によると、今年3月にある物流会社が危険化学品に対する法定検査を回避しようとして、14万人民元(約272万円相当)の罰金が課せられたことがわかりました。
対象となる危険化学品は「4,4'-ジイソシアン酸メチレンジフェニル(CAS:101-68-8)」で、中国危険化学品目録(2015版)のNo.318に当たります。同社は危険化学品ではなく、一般化学品として税関に輸入申告をしました。税関がその違法行為を判明し、「輸出入商品検査法施行条例(2022年改正)」に基づき、今回の処罰を下りました。
「輸出入商品検査法施行条例(2022年改正)」第45条により、検査逃れの場合、貨物価値の5%〜20%の罰金を課せることができます。今回の貨物価値は116万人民元を超えているため、罰金の14万は12%前後に設定されたと推測されています。
同じく上海税関で、今年5月29日に公開されたもう一つの処罰決定書には、ある会社はガリウム(CAS:7440-55-3)を80-90%が含まれる放熱グリスを危険化学品として輸入申告しなったため、2.5万人民元の罰金が課せられたことが記されています。ガリウムは中国危険化学品目録(2015版)のNo.1013に当たります。
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