#323 若い頃は戻りやすかったのに…加齢とともに“やせにくい体”になるって本当?
若い頃は戻りやすかったのに…加齢とともに“やせにくい体”になるって本当? 医師に聞いてみた
あなたは、「年齢とともに、やせにくくなった」という現象に心当たりはないでしょうか。若い頃は食べ過ぎて体重が増えてしまっても、食事量を調整したり、軽く運動したりするだけで元の体重に戻りやすかったのに、加齢とともに軽い運動程度ではなかなか体重が落ちづらくなり、「やせにくくなった」「昔は維持しやすかったのに…」と感じる人が多いようです。これについては、「食べた分だけ太って、そのまま戻らないようになってしまった…」「やせやすい体に戻したい」など、切実な声も聞かれます。
加齢とともに、“やせにくい体”になっていくのは本当なのでしょうか。実際のところについて、内科医の市原由美江さんに聞きました。
加齢とともに筋肉量が減っていくと…
Q.そもそも、体重が減る(やせる)とき、人間の体内ではどのようなことが起こっているのでしょうか。
市原さん「体内で過剰になったエネルギーは中性脂肪となって、体内に蓄積されます。この脂肪が皮下脂肪や内臓脂肪になって、太るわけです。
逆に、体重が減ってやせるときには、脂肪細胞が分解される必要があります。運動などで体内のエネルギーが減少すると『リパーゼ』という酵素が活発化して、中性脂肪が遊離脂肪酸とグリセロールに分解されます。その遊離脂肪酸が全身の筋肉に運ばれて、エネルギーに変換されます。これがいわゆる、脂肪が燃焼する状態です」
Q.加齢とともに、やせにくくなる(体重が落ちづらくなる)のは事実でしょうか。
市原さん「事実です。人間の生命維持活動に必要なエネルギーである『基礎
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