絞り込み条件を変更する
検索条件を絞り込む

すべてのカテゴリ

1 件中 1 - 1 件表示
カバー画像

「今は痛くない」──再現されない痛みをどう評価するか

「今は、痛くないんです。」リハビリ室でそう話す患者さんは、どこか申し訳なさそうでした。仕事中の夕方16時頃になると決まって現れる重だるい痛み。けれど、病院に来ている今は嘘のように何ともない。理学療法士なら誰もが経験する、評価の“空白地帯”です。症状が目の前で再現されないと、原因が特定できず、思考が止まりやすい。しかし、この“もどかしさ”こそ、思考OSを使うべき場面だと感じました。■ 見えないストレスを「逆算」する症状が出ていない今を評価しても、答えは出ません。必要なのは、「事実から、見えていないストレスを逆算する」という思考です。私はまず、患者さんの“今の姿勢”を細かく観察しました。骨盤のわずかな傾きアライメントの崩れ筋緊張の偏り重心の揺れ方これらは、今は痛みを出していなくても、数時間の業務負荷が加わったときに破綻する“予兆”です。「この姿勢のまま4時間デスクワークを続けたら、どこが一番に悲鳴を上げるか?」痛みの“ある・ない”という表面的な現象ではなく、なぜ夕方に破綻するのかという物理的な論理をOSとして走らせる。その推論をもとに、私は「夕方のあなたの身体では、おそらくここが耐えきれなくなっています」と説明し、対処法を提案しました。■ 評価を「共同の検証」に変える今回は、指導して終わりにせず、患者さんと約束をしました。「実際にやってみて、次回来院時にどんな変化があったか教えてください」姿勢の変化、痛みの出る時間のズレ。この“変化の共有”という仕組みを作ることで、臨床はアドバイスではなく、患者さんと一緒に行う検証作業へと変わります。そして患者さんを送り出した後、私は一人で振り返り
0
1 件中 1 - 1