【聴く力の再発見】 松下幸之助氏の教えと、父が漏らした「ひとりぼっち」の本音
「聴くことは、相手に居場所を作ること」かの松下幸之助氏も、成功の秘訣として「人の話を聴くこと」の重要性を説きました。私は30年のキャリアの中で、その言葉を胸に刻んできましたが、その本当の意味を気付かせてくれたのは、亡き父との何気ない時間でした。生前、月に一度、私が実家へ帰省した時のことです。掃除や家事を済ませた後のメインイベントは、父との「対話」でした。根っからの、巨人ファンだった父。「今日の試合の、あの選手は良かった、あいつは駄目だ」という熱い解説から始まり、ニュースへの意見、近所の噂話。いつの間にか話は、父自身の若かりし頃の、仕事の自慢話へと移っていきます。私はいつも、9割方「聴く側」でした。しかし、私が帰る間際になると、父のトーンは目に見えて下がるのです。「あぁ〜、またひとりボッチかぁ。話を聞いてくれる人がいなくなるのか」寂しげな背中を前に、私は「また帰ってくるから、その時また話そうね!」と返すのが精一杯でした。当時は、ただ話を聴いているだけで、これほどまでに感謝され、寂しがられるとは思ってもみませんでした。でも、今ならわかります。「ただ聴く」という行為は、相手にとって「自分はここにいてもいいんだ」という何よりの肯定になるのだと。現代社会、特に責任ある立場にいる方ほど、本当の意味で「聴く力」をしみじみと、体感されてるのではないかと思います。家族にも、部下にも言えない、取り留めのない話。プロ野球の話でも、仕事の愚痴でも、今日の店員の態度について、何でも構いません。解決するしないは別として、たまには、誰かにホントの本音を言って、リセットする事も、立派な自己管理だと思います。父
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